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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
5年生編
130/147

#127 奈那ちゃんは………

楓ちゃんを保健室に連れて行ってその後は残りの体育館やアスレチック、プール、児童館の案内をして学校の案内紹介が終わった。そして教室に戻ると他の人達も戻ってきてて私達は最後の方だった。


「では一度みんな戻ってきて〜」


柚葵(ゆあ)先生が奈那ちゃん達を集めると小さな声で何か話していた。そして少しすると先生が立ち上がって教室の外からダンボールを持ってきた。奈那ちゃん達はその中から小さな袋を取り出すと案内してくれた人達の所に戻ってきて


「では案内してくれたお兄さん、お姉さんにお礼を言いましょう♪」


先生がそう言った。

ななちゃんは


「結衣お姉ちゃん今日はありがとうございました!お姉ちゃんの説明はすごくわかりやすくてためになりました。お姉ちゃんから教えてくれた事は忘れないようにします!」


そう言うとさっき先生から渡された小さな袋を渡してくれた。奈那ちゃんに中を聞くと「お家の中に帰ってから開けてね!」と言って教えてくれなかった。奈那ちゃんから楓ちゃんの分も預かってお別れになった。奈那ちゃんは教室を出る前に大きな声で「また会おうねー!!」と言ってくれた。私はそれに大きく手を振って答えた。


◇ ◇ ◇


奈那ちゃん達を見送って帰りの会も終わった後、私はランドセルを二つ持って保健室に向かっていた。保健室に向かっている途中に咲先生に声をかけられた。


「へぇ〜凄い偶然だったね」


「はい、凄くびっくりしました」


「もしかしたらその前にも会ってたかもね」


「それは流石にないと思うな〜」


「ははっ流石にね〜。じゃあ楓ちゃんをよろしくね」


「はい!」


そう言って先生と別れて保健室に入った。保健室に入ると楓ちゃんがなぜか全身びしょ濡れになってドアの方を眺めていた。


「楓ちゃんどうしたの!?」


「あぁ、結衣ちゃんお疲れ様…………先生呼んでくれる?」


わずか30分の間に何があったのだろう、楓ちゃんの顔からは生気が感じられなくてこけしみたいな顔になってる。楓ちゃんには悪いけどちょっと面白い。


「結衣ちゃん早く…………」


「ごめんごめん、呼んでくるね」


私はそう言って保健室を出て職員室に向かった。職員室に入るとさっきゲームをしていた4人組の先生が今度はパソコンでアニメを見ていた。いっその事この人達は退職させた方が良いと思ったのは私だけじゃないはず。


「あら?結衣ちゃんどうしたの?」


職員室に入ってすぐの所に先生がいてすぐに気づいてくれた。


「楓ちゃんが呼んでましたよ」


「あら、そうなの?わかった今行くわ。結衣ちゃんは……………時間かかりそうだから先帰ってて良いわよ」


「いえ!待ってます!!」


「いや、帰りなさい?」


「待ってます!」


「帰りなさい」


「「……………」」


◇ ◇ ◇


結局先生との言い合いに負けて家に帰った。

家に帰ると玄関に知らない人の靴が二つあった。一つは大人の人が履いてそうな大きな靴でもう一つは私のよりも小さい靴だった。


どうしよう、知らない人と会いたくないけど暑い中外で待ってるのもヤダ。いったいどうすれば……………


「結衣ー?どうしたのー?」


玄関に入ってずっと動かないでいるとお姉ちゃんから声がかかった。


「い、今行くー!」


お姉ちゃんに言われたから流石に行かない訳にもいかなくなっちゃった。しょ、しょうがない、心を決めて…………私はリビングに足を踏み入れた。


「「あっ!」」


足を踏み入れた瞬間にリビングでお姉ちゃんと対面して座っていた2人の女の人のうち小さい子の方に見覚えがあった。そしてそれはその女の子にも同じだったみたいで私と同じ反応をした。


「お姉ちゃんだー!!!」


その女の子、奈那ちゃんは私を見た瞬間にこっちに向かって走り出していた。

まさかまた会おうねって言われてこんなに早く会うことになるなんて、人生って何があるかわかんないね。


「奈那、結衣ちゃんのこと知ってるの?」


「うん!だってこの前プールで支えてくれたのもお姉ちゃんだったし、今日の学校案内で案内してくれたのもお姉ちゃんだったもん!」


奈那ちゃんがそう言いながら私のぎゅ〜っと抱きついてくる、柔らかいなぁ〜。


「この前結衣が言ってたのは奈那ちゃんの事だったんだ〜」


ここで私の中に疑問が生まれた。


「ねぇねぇお姉ちゃん」


「うん?どうしたの?」


「お姉ちゃんと奈那ちゃんのお母さんの関係って何?」


「あぁ(しおり)さんはお姉ちゃんの……………」


「お、お姉ちゃんの…………?」


「お師匠様だよ」


「…………?」


何言ってるかわかんない。


「あーちゃん、それじゃあわかんないよ………」


奈那ちゃんのお母さん、栞さんが呆れた声で言う。

そして自分で軽く自己紹介してくれた。


「私はあーちゃん、葵ちゃんの高校時代の同級生で今はちょっとした企業でイラストレーターをやってるわ」


「そうそう、たまに一緒に栞ちゃんとお仕事したりするんだよ」


「へぇ〜」


人生って…………凄いね。お姉ちゃんと栞さん、私と奈那ちゃん、親子で何も無いところから接点が生まれてるんだもん。



最後まで読んで頂きありがとうございます。


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