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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
5年生編
125/147

#122 あの時の女の子と再会

「お姉ちゃん行ってくるね!」


「頑張ってね、行ってらっしゃい」


今日もいつも通りお姉ちゃんに行ってきますを言って家を出る。お姉ちゃんはいつも玄関を出てお見送りをしてくれて私が見えなくなるまで手を振ってくれている。


「結衣ちゃん遅いよ!」


「ごめんごめん、ちょっと準備に手間取っちゃった」


いつもの集合場所に行くと楓ちゃんがほっぺたを膨らませて待っていた。


「それにしても………………暑いね」


「うん、溶けちゃいそう」


梅雨も明けてすっかり夏の気候になった。

木には葉っぱがなっていて空にはモクモクと高くまで伸びている入道雲が出来ている。


「夏だね〜」


「ね〜」


そんなこんなで楓ちゃんとおしゃべりしながら学校に向かう。

学校に着くと校門の前で今にも倒れそうな顔をしながら生徒たちに(死にそうな)笑顔で挨拶をしている校長先生の姿があった。


「うちの学校って相変わらず校長先生の扱い酷いよね」


「う、うん。もう歳なのにこんな暑い日に外に立たされてるの可哀想だよね」


私たちも倒れそうになっている校長先生に挨拶をして教室に向かう。

教室はクーラーが効いていてひんやりしていて、外の地獄みたいな暑さから解放されたクラスの子達が椅子でグダ〜っとしてる。中には更なる涼しさを求めてクーラーの風の当たる所に移動し続けてる子もいる。


「皆さん、おはようございます!」


「「「…………おはようございます」」」


チャイムがなって担任の咲先生が入ってきた。

咲先生はこの暑さになんとも思ってないのか清々しいほどの元気な挨拶が教室を包み込む。それに比べて外の暑さにやられているクラスのみんなから元気のない返事が返っていく。


「もうっ!みんな元気に挨拶しよ?元気になれば暑さにも対抗できるよ!!」


「「「…………(暑苦しい……………)」」」


先生のせいでせっかくの涼しい部屋の気温が上がったような気がする。


「さて、ここからは真面目な話をするので聞いて下さいね。今週の金曜日には来年度この学校に入ってくる幼稚園の年長さんたちが学校見学に来ます。そこでクラスのみんなには2人1組になってその年長さん達に学校を案内、それとレクリエーションを考えてもらいます」




先生の話が終わるとちょうど朝の会が終わる時間になった。日直の子が終わりの挨拶をすると先生は教室を出て行った。


「ねぇねぇ結衣ちゃん、さっきの話だけどさ一緒にペア組まない?」


一時間目の授業のが終わると楓ちゃんが話しかけてきた。


「うん、私は良いけど…………こういうのは先生が決めるんじゃないの?」


「そうかもしれないけど、それだったら先生に「ペア組んじゃいました!」って言えば良いじゃん!」


「そ、そうなのかなぁ?」


「そうだよ!じゃあ約束だからね!」


指切りをすると楓ちゃんは自分の席に戻って行った。

まぁ、私も楓ちゃんとが良かったから嬉しいんだけどね。


◇ ◇ ◇


学校が終わって家に戻って朝の先生の話をお姉ちゃんに話した。


「へぇ〜今の学校はそんな事するんだ」


「そうなの〜でね、ペアは楓ちゃんとなの!」


「それは良かったね。しっかりやるんだよ」


「うん!」


「所で話は変わるんだけど、夜ご飯は何が良いかな?案としては…………」


お姉ちゃんは楽しそうに今日の夜ご飯の話をする。

それに耳を傾けながら金曜日に何をするか考えていた。


◇ ◇ ◇


そして金曜日になった。

今日はいつもより登校時間が早くなっていて、そのせいでいつもより眠気がすごい。


「結衣〜今日の服って体操服でいいの?」


「……………うん」


「ふふっ眠そうね。体操服とかはお姉ちゃんが用意しておくから結衣はベッドね横になってな」


「ごめん…………ありがとぉ」


お姉ちゃんに言われるがままにベッドに横になると強烈な眠気が襲ってきた。

なんとか起きていようと目を開けていたけど結局数分も持たないで瞼は閉じていった。




「………衣…………結衣!」


「うぅ〜ん…………お姉ちゃん?」


肩を揺さぶられて目を開けると目の前にはお姉ちゃんがいて私の顔を覗き込んでいた。

うう〜ん、寝ちゃったのか。今は何時なんだろう?


「お姉ちゃん………今何時?」


「今は7時だよ、そろそろ学校行かなきゃじゃない?」


「………ほんとだ!!急がなきゃ!!」


ちょっとだけだと思ってたけど予想以上に寝ちゃってたっぽい。

急がないとまた楓ちゃんを怒らせちゃう!


「結衣、頑張るんだよ!」


「うん!行ってくる!」


家を飛び出して楓ちゃんが待ってるであろうエントランスに向かう。

エレベーターで下に降りるとそこには楓ちゃんじゃなくて楓ちゃんのお母さんである紅葉さんが立っていた。


「あっ結衣ちゃん。おはよう」


「おはようございます、紅葉さん。あの…………楓ちゃんは?」


まあ大体予想はできてるけど…………


「あの子ったら寝坊しちゃって、今着替えさせてるのよ」


「あぁー……………」


ていう事は今日は私1人で学校に行かなきゃなのか……………ちょっと寂しいな。


「でね、そこで結衣ちゃんに提案なんだけど………一緒に車に乗ってく?」


「えっ………良いんですか?」


「ええ、良いわよ。悪いのは楓だからね」


「じゃあお言葉に甘えて…………お願いします!」


今日は紅葉さんの車に乗って学校に行くことになった。


◇ ◇ ◇


紅葉さんに送ってもらいなんとか遅れずに学校に着くことが出来た。

教室に入るとさっそく会場準備に取り掛かることになった。椅子を運んだり、危ない物をどかしたりとか大変だったけど時間までに終わらせる事ができた。


そして……………遂に幼稚園の子達との対面の時間になった。

先生が呼ぶと幼稚園の先生に連れられて小さい子たちがいっぱい入ってきた。


「では、みんなは朝伝えた通りにお兄さん、お姉さんの隣に並んでね〜」


「「「はーい!!!」」」


先生に合図されると子供たちは綺麗に整列して順々に私たちの隣に並んでいった。私たちの隣には髪をツインテールに結んだ女の子が立った。


「あっ」


私達を見た女の子はそう声を上げると


「あの時のお姉ちゃんだ!」


最初は何を言ってるかわかんなかったけど、よく顔を見るとその顔に見覚えがあった。


「もしかして……………温泉で転びかけちゃった子!?」


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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