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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
5年生編
121/147

#118 帰宅

楓ちゃんに手を引かれて外に出ると外はもう真っ暗になっていて空には星空が広がっていた。もう夏も直前にまで迫っていて夜になっても少し暑く感じるようになってきた。


「結衣ちゃん、露天風呂行こ!」


「うん」


そして少し歩いて露天風呂に着いた。

ここの露天風呂は大きいお風呂が一つあるんじゃなくて、小さな(1〜2人用)があちこちにある感じに置かれててそれぞれの空間でお風呂を楽しむ事ができるようになってる。


もちろん私たちも一緒に一つのお風呂に入る。


「お〜案外広いねぇ」


「そうだね、これならお姉ちゃんと入っても狭くなさそう」


多分ここは大人二人で一緒に入っても狭く感じないように作られてはずだから子供の私たちが二人で入っても狭くは感じないだろう。


「…………お姉ちゃんの話ばっかり、私がいるのに……………」


「うん?今何か言った?」


「ううん、何も言ってないよ!」


◇ ◇ ◇


「………ちゃん、結衣ちゃん!」


「んん〜?どうしたの、楓ちゃん」


なぜか楓ちゃんが泣きそうな顔になりながら私の顔を覗き込んでいた。


「よかった〜結衣ちゃんいきなりお湯に沈んでくからびっくりしたんだよ!」


「ごめん………私いつのまに寝ちゃってたんだろ」


「たぶん疲れてたんだよ、今日いっぱい遊んだもん」


「そうだね………」


今日はいっぱいいろんな事があったし、いっぱい運動したから確かに疲れが溜まってたのかな。


「じゃあ…………お風呂あがろっか」


そう言うと楓ちゃんはザバっとお風呂から立ち上がった。


「え………まだ行ってない所あるけど、いいの?」


「うん!だって結衣ちゃんの体調が大切だもん!」


そして私たちは体を拭いてお風呂を後にした。

お風呂から出て服を着て髪を乾かしていると脱衣所に小さな女の子とそのお母さんらしき人が入ってきた。女の子はまだまだ元気いっぱいなのか脱衣所のそこらじゅうを走り回っている。


奈那(なな)〜走り回らないの!危ないよ!」


「だいじょーぶ!」


走り回っている女の子のお母さんが女の子、奈那ちゃんに注意をする。けど那奈ちゃんは聞く耳をもたず未だに走り続けている。


「ねぇ結衣ちゃん、あの子止めてあげた方がいいよね」


「うん……このままだと転んじゃうかも」


脱衣所は床に水滴が落ちてたりして滑りやすい。だから入り口にはその貼り紙が貼られてるけど、あの女の子が読めるわけがない。


そして女の子が私たちの隣を走り抜けようとしたその時、恐れていた事が起こった。視界の端に移ってた女の子がいきなり消えた。私たちの予想通りその女の子は足を滑らせて転んでしまったのだ。


「「あっ!!」」


その瞬間に女の子のお母さんと楓ちゃんが小さな悲鳴をあげる。

しかし私は……………


「危ない!!」


ワンチャンを賭けてその女の子に向かって飛び込んでいた。その時私の頭の中には【助けなきゃ】という考えしかなくて女の子が視界から消えた瞬間には女の子に向かって足は動き出していた。


「………大丈夫?」


私はなんとか女の子が地面に着く前に支える事ができた。当の女の子は何が起きたのかわかっていない様子で目をパチパチと動かしていた。怪我はなさそうでよかった。


「奈那!!」


それからすぐに女の子のお母さんが駆けつけてきて私にお礼を言ってお風呂に入って行った。二人がお風呂に入ってからお母さんの大きな声が聞こえてきたからきっと怒られてしまったのだろう。まぁ、あの女の子からしたらいい経験になっただろう。


「あら〜ずいぶん遅かったわね♪」


脱衣所を出て休憩所(和室)に入るとそこに紅葉さんがお茶を飲んでくつろいでいた。


「えへへ〜いっぱい入ってきちゃった!」


「大丈夫、のぼせてない?」


「私は大丈夫だったけど、結衣ちゃんはちょっとのぼせちゃったかも」


「あらそうなの?じゃあ早く帰ってお休みしないとね。じゃあ帰りましょっか」


◇ ◇ ◇


「結衣、起きな〜」


「うぅ〜ん……………お姉ちゃん?」


起こされて目を開けると目を開けるとお姉ちゃんが私の顔を覗き込んでいた。

そこで目が完全に覚めて周りを見渡すと私のベッドにいることに気づいた。


「おかえり、楽しかった?」


「………うん!」


「それは良かった。けど今日は早めに寝るんだよ」


そしてお姉ちゃんが部屋の電気を消すとさっきまでいっぱい寝てたのに強烈な眠気が襲ってきた。


◇ ◇ ◇


結衣の部屋の電気を消してリビングに戻った。

そこには紅葉さんが机に座って私を待っていた。


「今日はありがとうございました」


「いえいえ、こっちも楽しめましたし」


俺は机の下から紙袋を取り出して紅葉さんに差し出した。


「これは………?」


「バウムクーヘンです。今度楓ちゃんと一緒に食べてください」


「え〜悪いですよ。それに誘ったのはこっちなんですし………」


「いえいえ、それでもお世話になったのには変わりないですから!貰ってください!!」


「では…………お言葉に甘えて」


無理やり紅葉さんにバウムクーヘンを持たせる事が出来た。紅葉さんのおかげで仕事を終わらせる事ができたし、結衣もあんなにクタクタになるくらいまで遊ばせてもらったからバウムクーヘンくらいじゃ足りないくらいなんだけど………それは許してほしい。


「じゃあまた月曜日」


「はい、お休みなさい」


さてと……………静かだなぁ。いつもだったらこの時間じゃまだ結衣は起きてるから結衣の元気な声が聞こえてくるんだけど、今日はいっぱい遊んで疲れてたのか車で抱っこしても全く起きないし、パジャマに着替えさせても起きる気配がなかった。よっぽど楽しかったのかな。


今度こそは結衣と遊びに行きたいなぁ。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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