#117 プール?
「お母さん疲れた〜」
「あらあら、じゃあ今日はこの辺りにしようか。結衣ちゃんもそれでいい?」
「はい」
レースを終わらせた後は楓ちゃんと紅葉さんでバレーをやったりまたスライダーに乗ったり(今度は楓ちゃんと紅葉さんで乗って私は乗ってないけどね)人工波がでるプールで楓ちゃんが波に攫われたり、飛び込み台(高さ5メートル)から飛び込んだ紅葉さんの水着が着水と同時にどこかに行ったり、いっぱい楽しい事?があった。
いっぱい遊んで満足した私達はプールを離れて温泉に向かった。ここのプールには温泉もあって遊び疲れた人や、体をキレイにするために温泉が設けられている。さらにここの温泉はプールに来た人以外にも開放されているらしい。
「結衣ちゃん、楓、しっかり体を洗ってから湯船に入るんだよ〜」
「「は〜い」」
紅葉さんは私たちの水着の洗濯&脱水をしてくれていて、私達は先に温泉に入れてくれた。ここの温泉には普通のお風呂、泡風呂、露天風呂、水風呂、寝湯、打たせ湯、壺湯、サウナ、と沢山のお風呂がある。(流石に電気風呂はなかったなぁ)
「結衣ちゃん、洗いっこしよ!」
「え〜恥ずかしいからいいよ〜」
「いいのいいの!今日はいっぱい遊んだから疲れたでしょ、私がい〜っぱい洗ってあげるからね!!」
そう言うと楓ちゃんはさっそくボディーソープを泡立てて私の体を洗い始めた。
流石に公共の場で大暴れするわけにもいかないから仕方なく大人しく洗われてあげた。
「む…………ねえ結衣ちゃん」
「うん?どうしたの?」
「またおっぱい大きくなっ………」
〈スパァアン!〉
「楓ちゃんのエッチ!!」
「ごめんって〜何も叩かなくてもいいじゃん…………」
はっ…………つい手が出ちゃった。
最近はよく大きくなるような気がする。いや別に大きくなるのは嫌じゃないんだけど…………違和感が凄いというか、最近まではぺったんこだったのに急に大きくなるし、自分の成長に追いついていけないというか。
「前まで私より小さかったのに………何やったの?」
「何もやってないよ!」
「けど………」
それでも諦めようとしない楓ちゃんが口を開こうとした所で私は楓ちゃんの背後に笑顔で佇む女性の姿が目に入った。その女性は楓ちゃんの口を手で窄めさせて
「楓〜結衣ちゃん嫌がってるんだらやめなさい」
「む〜おああさん………くちくるすい……………」
「結衣ちゃん大丈夫、何もされてない?」
「はい、大丈夫です」
そう言うと紅葉さんは楓ちゃんを抱き抱えてそのまま椅子に座って楓ちゃんの体を洗い始めた。楓ちゃんはなんとか抜け出そうとしてたけど紅葉さんからの圧倒的なブロックの前にはなんの意味も無かった。
私は楓ちゃんが捕まって動けないうちに体と髪を洗って湯船に向かった。
少ししてからやっと紅葉さんから解放されてヘトヘトになった楓ちゃんが湯船に入ってきた。
「気づいてたら教えてくれてもよかったじゃ〜ん」
「ん〜?なんのこと言ってるかわかんないな〜」
「怒ってる?ならさっきのことは謝るから許してよ〜」
楓ちゃんが謝ってくる…………が、はっきり言ってさっきのことは別に気にしてないんだけど。
「別に怒ってないよ」
「じゃあいいや♪」
そう言うとさっきまで泣きそうな顔だったのに次の瞬間にはいつも通りの笑顔に戻っていた。まったく、調子がいいんだから。
「ねぇねっ、あっちのアワアワのお風呂行ってみよ!」
「いいよ!」
私達は普通の湯船を出て隣にある泡がブクブクと出ているお風呂に入った。
「おお〜泡すごいね〜」
「ほんと、気持ちいいね」
「じゃあ次のお風呂行こっか!」
「え………もう出るの?」
なぜか楓ちゃんは湯船に入ってすぐなのにも関わらずすぐに次のお風呂に行こうと言ってきた。せっかくなんだしゆっくり入っていたいんだけどなぁ〜。
「だっていっぱいお風呂があるんだよ!全部入らなきゃ損じゃん!!」
「そういうもんなの?」
「そういうもんだよ!!行こっ!!」
そう言うと楓ちゃんは私の手を引っ張って次のお風呂に向かった。
次のお風呂は寝湯だった。寝湯は他のところのお風呂と違って少しのスペースしかなくて小さい私達は一つのスペースに二人で入ることにした。
「えへへ〜一緒に寝るの久しぶりだね〜」
「う〜ん、ちょっと恥ずかしいかも…………」
と、言うのにも関わらず楓ちゃんは更に私にぎゅ〜っと抱きついてきた。
はっきり言ってこういう事はお姉ちゃんといっぱいしてきたし、私は普通の人よりも甘えん坊っていうのを自覚してるからこういう事をされるのはどっちかというと好きな部類に入ってる。
「とか言っちゃって本当は好きなんじゃないの〜?耳が真っ赤になってるよ〜?」
「うっ…………」
あっさり見抜かれてしまった、そんなに耳赤くなってたかな。
「ふふっ結衣ちゃんのそういう所可愛いと思うよ♪」
「うぅ〜うるさいうるさい!次行くよ!!」
そう言って私はガバッと起き上がって次のお風呂に向かった。
次は打たせ湯に向かった。ここの打たせ湯はかなり高いところからお湯が流れてきてて、かなりの威力がある。確かにこの威力で肩に打ち続けてたら肩こりとかも良くなりそう。
そして打たせ湯には見知った顔があった。
「あれ〜結衣ちゃんだ〜。結衣ちゃんたちも肩凝りあるの?」
「咲先生だー!こんにちは!」
「こんにちは、楓ちゃん。プールは楽しかった?」
「はい!」
そこには咲先生と先生の友達の千由里さんがいた。千由里さんは打たせ湯には入らないで隣にある休憩ができる椅子に座っていた。
「う〜ん、先生から言わせてもらうと結衣ちゃん達にはこういうのは早いと思うんだ〜」
「いやいや先生!せっかくあるのに堪能しないのは良くないと思うんですよ!」
「そうだけど…………こういうのは肩凝りとかがある人がやるからこそ意味があると思うんだけど」
楓ちゃんと咲先生がお互いの主張を言い合っている。これは…………あれだ!学校の授業でよくある「議論をしてみましょう」っていうのに全く持って関係ない事で議論になるやつだ。
「結衣ちゃん…………だっけ?大変だね、あれが担任なんて」
「え………?」
二人を無視して打たせ湯に打たれているといつの間にか出たのか、隣に千由里さんが座っていた。
「いやぁ……だってあの子ロリコンだし、小さい子を見るの大好きって公言してたし。何か変な事されてない?されてたらお姉ちゃんに教えてね、そしたらあいつを天国から地獄送ってあげるから」
「…………そんな事したら千由里さんは悲しくなんないんですか?」
咲先生と千由里さんって結構仲良さそうなのに、そんな事したら離れ離れになっちゃう。そんなの嫌じゃないのかな。
「う〜ん…………確かに嫌だけど、私の仕事柄いくら友人でもそういうのは見過ごせないかな」
「………?千由里さんはなんのお仕事をしてるんですか?」
「私は検察官をしてるの」
「へぇ〜凄いですね」
「…………反応薄いね、もしかして警察とか嫌い?貴女くらいの年頃なら目を輝かせるんだけど」
「黙秘しますね」
「ふふっ可愛くないわね」
別に警察とか嫌いって訳じゃないけど……………色々あって好きではないし、信用は無い。
「あれ?千由里、いつのまにか結衣ちゃんと仲良くなったの?」
「ふふっあんたがその子とイチャイチャしてる間に仲良くなったわ」
「「イチャイチャしてない!!」」
二人の声が重なる。
仲いいなぁ。
「もうっ次行くよ!」
「あら、そうなの?じゃあ楽しんでね〜」
咲先生がそう言うと楓ちゃんはさっさと私の手を引いてその場を離れてしまった、私は一応頭を少し下げておいた。こういうのは大事だからね。
そして楓ちゃんは今度はお風呂の外に出た。
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