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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
5年生編
119/147

#116 プール⑤

「あ〜お腹いっぱい。幸せ〜♪」


椅子にもたれかかって幸せそうな顔をする楓ちゃん。あの後に楓ちゃんは「デザートは別腹だから♪」と言ってアイス(三段アイス)、プリン(いちごキャラメル味)、チュロス(チョコミント味)をいとも簡単に平らげた。


「楓ちゃん、そんなに食べたら太っちゃうよ?」


「いいのいいの、この後いっぱい動くからプラマイゼロだよ!」


そう言う楓ちゃんの目にはメラメラと炎が宿っていた。

この後なにかあるのかな?


「そうね、楓。()()()は戦争よ」


「………?」


なぜか紅葉さんも闘志に燃えていた。


「あの〜この後何かあるんですか?」


何が何だかわかってない私が二人に聞くと二人は待ってましたと言わんばかりに振り向いて生き生きと説明してくれた。


「毎月第一土曜日にここのプールはちょっとしたお祭りをしてるの。そこで優勝するとお土産がもらえるのよ!!」


「そこでもらえるお土産が凄くてね、商品券だったり次来た時に使える入場券が貰えたりするの!」


「へぇ〜」


それは確かにやる気にもなるし、プール側もこれで集客ができる。お互いにwin-winの関係になるのか。う〜ん、お姉ちゃんのお土産とか買ってあげたかったし、丁度いいかも♪


「もちろん結衣ちゃんも出るよね!」


「うん!」


そして私たちはお祭りの受付に向かった。

そこにはたくさんの人がいた。年齢、性別もバラバラで中にはシワシワのお爺さんもいた。


ルールは毎回変わるらしくて、今回のルールは単純にレースで100メートルを一番早く泳ぎ切った人が優勝みたい。楓ちゃんに聞いた限りじゃレース形式なのは運がいいみたいで運が悪いと水中バレーとかいう激ムズのルールになることもあるみたい。


「じゃあ結衣ちゃんと楓は小学生(女子)の部ね、頑張ってきてね!」


「うん!」「はい!」


そして私たちは競技が行われるプールに向かった。

そこには小学1年生から6年生までの女の子が集まっていた。そういえば年齢制限がかかってなかったような…………ていうことは6年生と真向勝負をしないといけないの!?


「ねぇ楓ちゃん、私たちって勝てるの?これ………」


「う〜ん、結衣ちゃんの運動神経なら勝てそうだけど…………どうして?」


「だって、もし年上でスイミングとかやってた人いたら勝てないじゃん」


私は疑問に思ったことを楓ちゃんに聞く。だってもし6年生でスイミングとかやってたら私たちに勝ち目なんて全く無いし、不公平じゃん。

そんな私の考えを聞くと楓ちゃんは笑い出した。


「あははっ大丈夫だよ!そういうのに通ってる人は違うグループに分けられるからここにいるのはそれ以外の人だけだから」


「そうなんだ、案外ちゃんとしてるんだね」


「そうだよ。そうだ、後でそのスイミングに行ってる人たちのレース見に行こうよ!きっと面白いよ」


「その前に私たちの番が待ってるけどね」


「じゃあ行こっか!」


〜〜10分後〜〜


借りた競技用の水着に着替えて受付のところに向かった。

抽選の結果私は1番目に泳いで楓ちゃんは1番最後の7番目に泳ぐことになった。う〜ん、どうせなら楓ちゃんと勝負がしたかったんだけど…………まあこれはこれでいっか。


にしても最初か〜緊張するなぁ。けどけど、これでもし最初にめっちゃいい結果残せて後になっても抜かれなかったらかっこいいよね?そう考えると楽しみになってきたかも。


「結衣ちゃーん頑張れー!」


飛び込み台の上に乗って神経を研ぎ澄ましていると後ろから楓ちゃんの声援が聞こえてくる。後ろを向くと楓ちゃんと紅葉さん、それと遥か後ろの方に咲先生たちが立ってて手を振ってくれていた。


これは……………一位を取らないと(頑張らなきゃ)でしょ!


私は溜めを作っている足にさらに力を蓄える。

そしてスタートの合図が鳴った瞬間に足に溜めていた力を一気に解き放つ。


私は綺麗な弧を描くように、水中に吸い込まれるように一切の水柱を立たせずに水中に入り込んだ。そこから私は一気に加速して息継ぎをするために顔を上げるとすでに20メートル地点まで進んでいた。横を見る限り私に並んでいる人はいない、ていうことはこのままいけば一位を取れる。私は腕を回すペースを更に上げてスピードをアップさせた。そして……………


私は一番でゴールの壁に手をついた。記録は……………52秒、これがどのくらい凄いのかはわかんないけど、他の子達が1分くらいだったからそこそこ早いのかな?


そんなことを考えながら楓ちゃん達がいるところに戻ると


「結衣ちゃん凄いよ!」


楓ちゃんが私の姿を見た瞬間に手を握ってブンブンと降ってきた。


「今までの中で一番早い記録だよ!」


「そうなの?やった〜」


そう言うと楓ちゃんは顎に手を当てて考える素振りを見せた。


「むぅ〜それにしても…………私としては結衣ちゃんが活躍してて嬉しいんだけど、こうなると私が優勝できないじゃん」


「あ〜………」


確かに私がこれを取ったっていう事は私が一位になる確率が格段に上がってるって事なんだよね。そうなると優勝ってかなり難しいんじゃないかなぁ。


「いや!やる前から諦めてちゃダメだよね、結衣ちゃん私頑張ってくるね!!」


「うん、頑張ってね!」


そう言って楓ちゃんの手を握った。


◇ ◇ ◇


「これから表彰を行います、名前を呼ばれた子は受付の前に来て下さい。第一位…………神崎結衣さん」


「はい!」


呼ばれた通り受付の前まで足を進める。


「表彰状、あなたは第841回、水泳大会小学生の部において大変優秀な結果を残したのでこれを評します。おめでとう!」


そして実行委員会会長(ここのプールの社長さん)から賞状と副賞の商品券(5000円分)を貰った。

ふふっこれでお姉ちゃんへのお土産もバッチリだね!!


「では第二位を発表します。第二位は……………」






表彰が終わって私たちは紅葉さんが構えているカメラの前で二枚の賞状を持っていた。2位は楓ちゃんでタイムは58秒だった。プールの係員さん曰く、例年だったら楓ちゃんのタイムでも早い方らしい。私がいなかったら楓ちゃんが一位だったのかな。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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