# 112 プール①
「お姉ちゃん行ってくるね!」
「気をつけるんだよ〜、あと紅葉さんに迷惑かけないようにね〜」
バッグを持って玄関を出る結衣を見送って部屋に戻る。
今日、結衣は楓ちゃんとお母さんの紅葉さんと近くにあるプールに行くらしい。最初は私も一緒に行くつもりだったんだけど、仕事が入って一緒に行く事が出来なくなった。
くそっ!可愛い結衣の水着が観れると思ったのに……………次の機会に期待するしかないなぁ。
【結衣視点】
マンションを降りてエントランスに着くともう楓ちゃん達が着いてた。
「あーやっと来た!遅いよ!」
「ごめんって、少し時間かかっちゃった」
楓ちゃんが待っている所に急いで向かうと楓ちゃんはほっぺたを膨らませていた。リスみたいでかわいいなぁ〜。
「1分くらい誤差でしょ〜?そんなに結衣ちゃんを責めないの」
「む〜だってずっと楽しみにしてたんだもん!」
「それは結衣ちゃんも一緒だと思うけどな〜」
「もうっ!早く行こう!」
そう言うと楓ちゃんは走って車に向かって行ってしまった。
「結衣ちゃんごめんね、楓ったら昨日からずっと楽しみにしてて…………」
「いえ、私も遅くなっちゃったので。早くいきましょう!」
「そうね」
そして私達も楓ちゃんを追いかけて行った。
車に着いてさっそく出発した。
「結衣ちゃん、プールに着いたら何する!」
車に乗ると楓ちゃんは目を輝かせながら予定を立て始めた。こういうのは事前に決めておく事で向こうについてから無駄な時間を過ごさなかくて済むから大切だよね。
「ん〜まずは流れるプールに行きたいな〜」
「じゃあ最初は流れるプールね!次は…………スライダーに行こうよ!」
「え〜スライダーって怖くない?」
「全然怖くないよ!それに………怖っかたら私が手を繋いであげるから、ね!」
「ま〜楓ちゃんがそこまで言うなら乗ってあげよっかな〜♪」
「えへへ、決まりね!」
「(二人とも楽しそうね〜)」
◆ ◆ ◆
「二人とも、着いたわよ〜」
「「は〜い!」」
車で走る事30分、遂にプールに着いた。今日は休みの日だからか、それともプール開きからすぐのせいなのかわかんないけど人がいっぱいいる。特に家族で来てる人が大きて私達と同じくらいの子がいっぱいいる。
「ほら、こっち。いっぱいいるからはぐれないようにね」
「結衣ちゃんはぐれないようにね手繋ご!」
「うん!」
そして入場を済ませて更衣室に入った。
朝イチだからか更衣室にもたくさんの人がいた。中にはおばあちゃんみたいな人もいた。おばあちゃんになってもプールには来るんだ。
「じゃあ貴重品はお母さんが預かるから、それ以外は自分のロッカーに入れてね」
「わかった!ねぇねぇ結衣ちゃん隣同士にしよ!」
「うんいいよ」
荷物をロッカーに入れて着替え始めた。そして着替え始めてから…………すっごく楓ちゃんから着替えをガン見されてるんだけど…………そんなにみられてるといくら女の子同士でも流石に恥ずかしい。
「ねぇ楓ちゃん………」
「うん?どうしたの?」
「恥ずかしいんだけど…………」
「あっ……………ごめん……」
そう言ったところでやっと楓ちゃんは私から目を逸らしてくれた。それにしてもなんでそんなに私のこと見てたんだろう?なにかおかしい所あったかな?
「さっ二人とも着替えたかしら?」
「終わりました!」
「ちょっと待って!あとちょっと!」
紅葉さんが着替え終わったか聞いてくる。私はもちろん終わらせてるけど、ずっと私を見てた楓ちゃんはもちろん終わってない。ていうか、いくら女の人しかいないからって一切隠さずに着替えるのは女の子としてどうかと思うんだけど…………
「も〜いくら結衣ちゃんのことs………」
「わーわー!!!!お母さん黙ってて!!!」
「…………?」
紅葉さんが何か言おうとした瞬間に楓ちゃんが大きな声で紅葉さんの声を遮った。なんて言おうとしたんだろう?
「ほらっもう着替えたから行こ!」
「せっかちね〜」
そう言って私たちは更衣室を出た。
「「わぁ〜!!」」
中はすごく広くて………………人混みがすごい。そして一番目立っているのがスライダーで、スライダーに乗るために沢山の人が並んでいた。あれ、乗るのにどれくらいの時間かかるんだろう。
「ほら〜二人とも浮き輪に空気入れるの手伝って〜」
「は〜い」
浮き輪(三つ)、ボールに空気を入れて私たちは約束通り流れるプールに向かった。
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