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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
5年生編
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#105 復活

目が覚めると私は結衣のベッドで寝ていた。隣には俺の腕を握ってスヤスヤと寝ている結衣がいて、そこに小さなワンピースが置いてあり何故か私は裸だった。どういう事? なんか薬を飲んだ後からの記憶がないんだけど………すごく懐かしい感覚があったような気がする。


「………ちゃん、ごはん……………できた〜」


「結衣〜」


「…………」


まったく起きる気配は無いな。にしてもなんで私は裸なんだろう?このちっちゃいワンピースが関係してるのかなぁ。けど………こんなちっちゃいのは着れるわけないし。不思議だぁ。


「あれ………?葵ちゃん?」


「おっ結衣起きたの?よく寝れた?」


そんな事を考えてると結衣が目を覚ました。相変わらず結衣は可愛いなぁ。

…………ん?葵ちゃん?俺のことは『お姉ちゃん』って呼んでたのに、どしたんだろうな。


「……………結衣?」


「(ボソッ)もうお薬の効果切れちゃったんだ、残念」


「ん、何か言った?」


「ううん、なんでもないよ!」


「じゃあいいや、ところで聞きたいんだけど…………なんで私は裸なの?」


「…………シラナクテイイヨ」


私が気になった事を聞くと結衣は明らかに何か知ってるような反応をして目を逸らした。絶対に何か隠してるでしょ!………まぁ、いっか。


「結衣、このピンクのワンピースって結衣の?」


「う、うん!私の…………大切な宝物なの」


「そうか、じゃあ綺麗にして大切保管しないとね。これ結衣がちっちゃい頃に着てたんでしょ?」


「うん………」


とりあえずは着替えないとね、風邪ひいちゃうから。


◇ ◇ ◇


「う〜ん、それにしてもあの薬は何だったんだろうね」


俺はお風呂に入りながら髪を洗ってる結衣に話しかける。


「やっぱり偽物だったんじゃない?良かったじゃん、変に若返んなくて」


「そうなんだけど…………やけに懐かしい感覚があったていうか………う〜ん」


「まっいいじゃん、気楽に行こうよ♪」


「…………結衣、何か知ってるでしょ。結衣がそうやって誤魔化す時は何か知ってる時だけだからね」


「なにかな〜?結衣わかんな〜い」


くそぉ、いつか絶対聞き出してやるんだから。

それにしても、なんか結衣の表情が子供っぽくなったような気がする。気のせいか?


「ねぇお姉ちゃん」


「うん? どうしたの?」


「結衣はお姉ちゃんと暮らせて幸せだよ」


「そうね、お姉ちゃんも結衣と暮らせて幸せだわ。けど、急にどうしたの」


結衣は嬉しそうな顔を浮かべるとニコッと輝かしい笑顔を浮かべた。


「ううん、なんでもない♪たまには私がお姉ちゃんの髪を洗ってあげるよ!」


「おじゃあお願いしようかな」


◇ ◇ ◇


「結衣………お部屋、どうしたの?」


お風呂から出て結衣のパジャマを取るために結衣の部屋に入るとそこには沢山のダンボールが広げられていて結衣の荷物が散乱していた。まるで、何かを探して漁ったみたいだ。…………もしかして泥棒に入られたりした!?私は急いで何か盗られてないか調べると一つの空のジップロックを見つけた。そこには


「白咲……結衣?」


白咲…………もしかしてこれって結衣の前の苗字?そういえば結衣から前の苗字を聞いてなかったな。もしかしてこれにさっきベッドに置いてあったワンピースが入ってたのかな。


…………結衣は寂しいのかなぁ、確か姉ちゃんの話だと結衣のお母さんだけが結衣の味方だったって言ってたような気がする。


「やっぱり、無理してるのかなぁ」


さっきは私と暮らせて幸せって言ってたけど、本当は……………………ううん、やめよう。こんなこと考えたって意味は無い。私は私にできる事をするだけ、それ以上でもそれ以下でもない。


私は結衣のパジャマを持ってリビングに戻った。

リビングには、下着姿でテレビを見ている結衣がいた。


「結衣〜湯冷めしちゃうんだから早く着替えちゃいな〜」


「お姉ちゃん遅い!風邪ひいちゃうでしょ!」


「うぅ、それはごめん……」


結衣は俺からパジャマを受け取って着替え始めた。

私は結衣が着替え終わったのを見計らって話しかけた。


「結衣の前の苗字って白咲だったんだね」


「ーー!? どうして、知ってるの………?」


結衣はびっくりしたような顔をしていた。


「あぁ〜、さっきパジャマを取りに行った時に見えちゃって…………嫌だった?」


「ううん、大丈夫。そうだよ、私は白咲結衣って名前だったの」


「そっか〜可愛い名前だなぁ〜。お姉ちゃんも白咲が良かったな〜」


「ーー?そうなの?」


「そうだよ! だって白咲葵だよ? なんか良くない?」


私がそう言った瞬間に結衣の顔が曇った。


「お姉ちゃん…………なんか無理してない?」


「……………え?」


「だって前までそんな事聞いてこなかったじゃん。それなのに、急にこんな事を言い出すなんておかしいじゃん」


「……………」


「何か悩んでるんじゃない?結衣にだったらなんでも相談していいんだよ?」


「…………結衣は、本当はこの暮らしが辛いんじゃないかなぁって」


「え………どうして?」


「だって、結衣が小さい頃着てた服があるって事は今の暮らしが辛くて、その頃が懐かしいんでしょ?じゃないとそんな昔のことなんて思い出そうなんてしないでしょ」


「…………」


私はずっと考えてた事を言葉で紡ぐ。結衣は何も言わずに口を閉ざしていた。


「結衣が辛い事を忘れられるようにずっと頑張ってたけど…………結衣は昔の方が良かったの?」


「…………違うよ」


「違くない、だってじゃないと説明がつかないじゃん!」


「お姉ちゃん…………わかった、そこまで言うなら説明してあげる」


そして結衣から話を聞かされた。


〜〜結衣説明中:しばらくお待ちください〜〜


「へ…………?私が小さくなってて、服がなかったからそれを出してたの?」


「そう、なのにお姉ちゃん勝手に妄想して一人走りしちゃうんだもん」


結衣から私の記憶がない間の説明を聞いた。

私は顔が真っ赤になってるだろう。だってそんなの知らなかったし、思いつくわけないじゃん!


「はぁ〜、なんか無駄に疲れたわ」


「だから言ったでしょ、結衣はこの生活が幸せだって」


「はい………」


「もうっ!じゃあ今日は罰として…………一緒に寝てもらいます!!」


「………いつも通りじゃん。そしたらお姉ちゃん、ほぼ毎週罰受けてる事になるんだけど」


そう言うと結衣は恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めて


「うるさいうるさい! じゃあ…………襲うよ?」


「一緒に寝させていただきます」


「よろしい」


そしていつも通り結衣と寝ることになった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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