#100 誕生日パーティー
一週間が経って今日は5月14日、俺の誕生日の日になった。一週間前の日に結衣達が帰ってくる前に姉ちゃんと一緒に買い物に行っててその間に結衣が帰ってきてたから何を買ってきてのかわからないし、聞いても教えてくれない。
夜ご飯は豪華にするから朝、昼はあっさりしたのが良いよね。
今日は〜ホットサンドにしようかな♪
〈ピンポーン〉
んあ? こんな朝早くに誰だ、って思ったけどそういえば姉ちゃんが誕生日プレゼントを郵送してくれるとか言ってたな。宅急便かな?
「宅急便で〜す」
「はーい、お待ちくださ〜い」
そして軽く着替えて玄関を出ると思ってた通り宅急便のお兄さんが大きな箱を持って立っていた。荷物を置いて運べる台とか使えばいいのに。
「荷物にハンコをお願いします!」
「はい、朝早くからお疲れ様です。これ疲れた時に飲んでください」
そう言ってハンコを押すと同時に宅急便のお兄さんにエナジードリンクを渡す。最近の運送業界は人手不足でみんな疲れ切ってるってニュースで聞いたからね、こういう所で少しでも配達員の人たちの力になれたらいいな。
「ありがとうございます! では、失礼します!」
そう言っていい笑顔をしたお兄さんは颯爽と去っていった。あの人、爽やかイケメンだったなぁ。
それはさておき、さっそく開けてみようかな。まあこの大きさなら何が入ってるか簡単に予想できるけどね。
それにしても、なんかが焦げてる匂いがするような………あぁーーー!! 火をつけたままだ!急いで戻らないと!!急いでキッチンに戻ってコンロの火を消す。残念ながらホットサンドの片面は完全に焦げてしまっていた。せっかくの誕生日なのに幸先悪すぎでしょ。
「お姉ちゃん、おはよぉ〜」
「あっおはよう、ご飯までもうちょっとあるからテレビ見てていいよ〜」
「わかった〜。なにそれ?」
そう言う結衣はさっき届けてもらった段ボールを指さしていた。そうだ、丁度いいし結衣に組み立ててもらおうかな? どうせ暇だろうし。
「結衣〜それ開けて組み立ててもらえる?」
「わかった〜」
その間にご飯作らないと。
◇ ◇ ◇
「どう、完成しそう?」
使ったお皿を洗い終わってリビングで朝届いた配達物を組み立てている結衣に声をかける。結衣はものの数十分で大体の枠組みの組み立てを終わらせてあとは板をはめ込むだけになっていた。
「これ、朱音さんさから届いたの?」
「そうだよ、この前棚が欲しいなぁって言ったら届いたんだよ」
「へぇ〜丁度いいね。この前欲しいって言ってたし」
「ほんと、自腹覚悟だったからラッキーだわ」
そんな事を言ってる間に結衣が棚を完成させた。
いや〜棚が欲しいと思ってたけど…………デカくね? 俺の身長くらいあるんだけど(165cm)まさか組み立てるだけでこの高さになるとは、しかもその大きさに比べ出て軽いし………現代の技術って凄いわ。
「凄いね…………これ」
「うん、どこに置こう」
「お姉ちゃんの寝る部屋じゃ狭いよね?」
「うん………あっそうだ、結衣一緒に使う?」
「へっ?」
だって寝る部屋じゃ大きすぎて邪魔だし、だったらリビングに置いて結衣と一緒に使えばスペースを有効活用できるし、何かと便利そうだし。
「嫌……だったかな?」
「ううん、じゃあありがたく使わせてもらおうかな」
「うん、それがいいよ!」
そして俺の棚はリビングに置いて共同で使うことになった。
◇ ◇ ◇
そして時間が過ぎていき…………
「お姉ちゃん、誕生日おめでとう!!!」
「ありがとぉー!」
俺の誕生日パーティーをしていた。
今日のメニューは【ローストビーフ・ニョッキ・唐揚げ・サーモンのカルパッチョ・サラダ・ステーキ・キッシュ】デザートには少しお高めのケーキが待っている。そしていつもじゃ絶対に買わない高いお酒、結衣には高いジュースを用意している。一年に一回のイベントなんだしこれくらいはいいよね。
「いや〜手伝ってくれてありがとね」
「いいよいいよっ! ほんとだったらお姉ちゃんはゆっくりして貰うつもりだったんだけどね」
今日のメニューの半分くらいは結衣が作ってくれたし、食材の買い出しもほとんど結衣がした。レシピも美味しそうな物を見つけてくれたし感謝しかない。私だったらいつもと同じ味になっちゃうからね。
「お姉ちゃんは今年で何歳になったの?」
「結衣………この世界には知らなくてもいい事もあるんだよ」
「う、うん………」
そう、歳なんて気にしなくてもいいんだよ。考えたくも無いし、知らない方がみんなも良いでしょ?
それにもうおばs………まだ、まだそこまでの年齢じゃない…………はず。
「すごっローストビーフめっちゃ美味しい」
「そうでしょ〜お姉ちゃんのために頑張ったもん! ところで…………このイモムシみたいなのなに?」
そう言いながら結衣はホワイトソースのかかったニョッキを指差す。まぁ芋虫にも見えなくは無いけど………食事中なんだしそういうのは言わないようにしよ?
「これはニョッキって言って、じゃがいもと小麦粉を混ぜたパスタだよ。食感が面白いから食べてみて」
「へぇ〜イモムシじゃなかったんだ」
「ご飯にイモムシを出すわけないでしょ!」
まったく、どこの種族だよイモムシなんて食べるの。
「お姉ちゃん、お酒って美味しいの?」
「うん〜? 飲んでみたいの?」
お酒を注いで飲んでいると結衣が飲んでみたそうな顔をしながら聞いてきた。
「いや、美味しそうに飲むなぁ〜って」
「ダメだよ〜あと9年は待たないとねぇ〜」
「飲みたいなんて言ってないもん!」
「そうかぁ〜? 顔には『飲みたい』って書いてあるぞぉ?」
「もう! もう酔っ払っちゃったの?」
ふへへ、まぁだ大丈夫だぁ〜!
数時間後……
【結衣視点】
「お……お姉ちゃん………!」
「ふえぇ〜どうしたのぉ?」
「な……なんで結衣のお膝に頭乗っけてるの!?」
「え〜だってぇ横になりたい気分だったしぃ」
そう言うお姉ちゃんはもっと顔を擦り付けてくる。お姉ちゃん、酔っちゃうとこんな風になっちゃうんだ。
これじゃあ誕生日プレゼント渡せないよぉ。
「ねぇねぇお姉ちゃん」
「うん〜? どうしたのぉ?」
「誕生日プレゼントがあるんだけど………渡してもいい?」
「んえ〜私なんかにプレゼントくれるの? やったぁ〜」
「じゃあ取ってくるね!」
そして自分の部屋に誕生日プレゼントを取りに行く、喜んでくれるといいなぁ。
「お姉ちゃん、はい、お誕生日おめでとう!」
「わぁ〜おっきいねぇ。開けてもいいの?」
「うん!」
そう言うとお姉ちゃんは段ボールを開けた。
「わぁ〜! モニターだぁ! ありがとう結衣〜!」
ふふっ喜んでくれて良かった!
やっぱりモニターにして良かった。ちょっと高かったけど、こうやってお姉ちゃんの喜んだ顔を見れれば気にならないよね。
「いやぁ〜こんな可愛い娘から誕生日プレゼントを貰えるなんて私は幸せだよぉ〜!」
「わっ! お姉ちゃん今日はすっごくくっついてくるね」
「ふふっ誕生日くらい我慢しなくてもいいでしょ〜」
まぁ、私としてはいつもこうしてくれると嬉しいんだけどね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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