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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#0

「……」


「……」


俺の名前は神崎葵(かんざきあおい)。俺は今目の前に座っている少女となんとも言えない雰囲気の中向かい合っている。なんでこんな事になったんだ。


【半日前に遡る】


「ていう事で今から実家に帰ってきてくれない」


ある日の朝5時姉からいきなり帰ってくるよう電話があった。なんだ俺の姉はもうBBAになったのか?


「て事でじゃなくて姉ちゃん、今からは無理だよ。納期まであと3日しかないのに実家に帰ってたら納期に間に合わないよ」


もちろん嘘だ。俺はフリーのイラストレーターをしているが今は依頼が来ていない。もちろん忙しい時はあるけど今はお盆休みの真っ只中だ。そのため個人や企業からの依頼が少なくなっている。今は休みを満喫中なのでわざわざ時間もかけて実家に帰るつもりは無い、いや帰りたくない。


「葵、葵はお姉ちゃんに嘘が通じると思ってるの?」


「嘘じゃないさ、今は忙しいんだ」


嘘を重ねていく


「ふ〜ん、それじゃあ葵のツイッターに書き込んである()()はなんなのかな?」


「…」


…やらかした。久しぶりに休みができたからツイッターにそれを書いたんだった。いやだってこんな事になると思わないじゃん。ていうかなんであいつは俺の仕事用のアカウントを知ってるんだよ、それに名前は偽名を使ってるんだぞ?


「それじゃあ今すぐ!帰ってきてね〜」


姉からの強力な圧がかけられる。それはまるで覇◯色の覇気さながらの圧だった


「了解しました。迅速に帰郷させていただきます」


「よろしい」


はあ〜行くしかないか、行きたくないな〜行きたくないよー助けてドラ◯もーん。…なんか虚しくなってきたな。はぁこれで行かなかったら後でどんな事をされるかわからないからな。


自家用車に乗り込み久しぶりに運転をする。フリーのイラストレーターがなんで自家用車を持ってるのかって?確かに俺はフリーだけどそれなりに有名になったからそこそこの企業からの案件も来るしお金もサラリーマンと同等かそれ以上の収入がある。


車を運転しようと思ったのによく見たらガソリンがほとんど無いじゃねえか。ただでさえ急いでるっていうのに、最後に使ったらちゃんとガソリン入れとけよ!……俺だな。


急遽ガソリンを入れに行く、しかもこんな時にガソリンスタンドがめっちゃ混んでるんだけど!?いや当たり前か、今はお盆だしみんな旅行に行ったり帰省するよな。いや東京なんだしみんな新幹線使えよ!車で行くとかバカだろ!…なに、お前も新幹線を使えって?俺の実家の近くに新幹線は通ってないんだよ!だから車を持ってんだろうが。


はぁなんか疲れたな。だから帰りたくないんだよ。

10分ほど待ってやっとガソリンを入れる事ができた。


今は6時だからあっちに着くのは…昼だな。あーやだやだ、イラストの練習とかアマゾンプラ◯ムを見まくるとかやりたい事いっぱいあったんだけどなー。


まあ予想通り高速は渋滞が発生していた。まあこの渋滞込みの計算で昼に着くんだけどな。まあ例年通りならせいぜい数十キロくらいだろ。信号待ちの間に渋滞情報を確認する、そこには


『現在渋滞は数百キロ余りに及んでいます。十分な準備をする事をお勧めします』


なんで?いつもは多くても50キロくらいじゃん。なんで今年はその倍あるの?もしかして姉は俺に地獄を味わわせようとするために実家に帰らせようとしてるの?なんか俺悪い事したっけ?


とりあえずコンビニ行ってパンとか買ってくるか。


コンビニでメロンパン、あんぱん、コロネ(チョコ)、麦茶などなどいろいろ買って車に戻ろうとしたら店の前でタバコを吸っていた明らかに頭の悪そうな連中に声をかけられた。


「そこの可愛いお姉さんこの後暇?暇なら俺たちと一緒に遊ばない?」


またナンパか、まあそろそろ慣れてきたんだけどやっぱり嫌だな。なんで男が男にナンパをしてるのかって?そりゃあ俺の格好がほぼ女だからな、しょうがない。髪も肩くらいまで伸びてるし顔も女寄りだ。それに俺が男の格好をすると違和感がすごいんだ。だから見た目じゃ男か女かわからない格好をしている。声は元々高めだったが高校生の時に友達(女)に女声の練習をさせられてそれが定着している。


けどこの見た目と声のおかげで仕事が貰えやすいから嫌いではない。


「すみません〜私今急いでましてお応えできません。それに…お頭が良くなさそうなのでご一緒できません。すみません〜」


さっさと適当な事を言って退散しようとしたけど予想以上に男たちが絡んできた。


「そんなこと言わないでよ〜一緒に行こうぜ〜」


そんな事を言って腕を掴もうとしてきたため咄嗟にその人の顔に平手打ちをしてしまった。…またやっちまった。ついカッとなると手を出しちゃうんだよな。騒ぎになる前に逃げるか


「ほんとすみません!」


そう言ってさっさと車に乗り込む。腕を掴もうをしてきた男は反撃されないと思ってたのか唖然としていた。その顔は見るからに間抜けそうで面白かった。


はぁ変な奴に絡まれて到着が遅くなって怒られたらどうするんだよ。

そんなこんなで実家に向かった。



実家に着くとそこには沢山の車が停まっていた。今はお盆だし親戚が帰ってきているから別に驚くほどのことではない。


インターホンを鳴らして待っていると姉の朱音(あかね)が出迎えてくれた。


「お昼頃には着くって言ってたのに今は何時かな?葵()()()


大変ご立腹のようだ。般若のような顔になっている。…これでイラスト描いたら面白そうだな、命に関わるけど。


「コンビニで変なのに絡まれて遅くなったの。ていうか葵ちゃんって呼ぶの親戚の前では絶対にやめてね。恥ずかしいから」


こんなふうに呼ばれてたら親戚にたてる顔がない。元々無いけど。


「そんな格好してたら無理でしょ、それに声もそうだし」


「そうだけどさ〜」


「あとメイクもしちゃって…すっかり女の子ね、お姉ちゃんは嬉しいわ〜こんな可愛い弟がいてくれて」


なんだ、嫌味か?元々女装させたのはお前だろうが。…まあハマっちゃった俺も悪いような気がするけど。


「まあ、ほら、上がってみんな待ってるよ」


そう促されて家に入った。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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