第11節 助っ人
アミ視点
【同時刻】
「お前らなんで手組んでるんだよ!」
「別に協力しているわけではないさ。たまたま互いの宿敵が同じだっただけ。たまたまね」
「奇遇ですね。まさか部族と同意見になるとは思ってもいませんでした」
こいつらわざとらしい。どんだけうちのことが好きなんだよ。
炎や氷を避けて、飛んでくる岩を避け続けるなんて無理ゲーだろ。ふざけんなや。
「てか。お前こんなところにいるよか、戦場行って来いよ」
「あの王国は死にました。部族をいつまでたっても殲滅しようとしないとは、馬鹿げています」
「あっそ」相も変わらずの腐った根性で良かった。
デロルが急にミレットに向かって、氷柱を乱射した。それを巧みに避けて
「協力関係ではなかったのかね」
「協力関係とは名言していませんよね。私としては、両方手に取れたら良いなと考えていますので」
「それは残念だ」
三つ巴になるなら、こっちとしては非常にありがたい。なにせ、2人相手はただでさえ骨が折れるというのに、タイマンはうちより強いミレットと魔法を使えるデロルの両方を相手にするとなると、骨が折れるだけじゃすまないからな。
「今から最初に負けた奴が雑魚ってことでいいか」
「ああ、構わない」
「それはいいですね」
2人が不敵にほほ笑む。それぞれが狙いを選びながら距離を保ち歩く。
──何かがやってくる。
上を見上げると、何かが落ちてきた。うちら3人の中心点に土煙をあげて着地した。まだ敵がいるのかと警戒していると
「元気でしたか」
聞き覚えのある声だった。この世界に来て初めて話して、仲良くなった人だから忘れるわけがない。
「まじかよ」
乾いた笑い声を出して、返事をする。
土煙が薄れて、クロノさんの家のみんなで考えた学校の旗が見える。蝶やら猫やらそれぞれが好きなものを寄せよった絵。
紫色の髪を翻して顔をこっちに見る。うちの目を見ながら彼女が話す。
「アミさんお久しぶりです」
「セシル!」
走って抱きつきに行くと、頬っぺたを両手で挟まれた。
「なにぅ」
「勝手に出ていったことに関して何か言う事はありませんか?」
唇を尖らせ、むくれた表情をしている。これは怒っているな、とすぐに謝る。
「今回は許してあげます」
「あいがとー。どうやってきたの」
「それはあとで説明します」
セシルは両手を離して、デロル達を見た。
「デロルさんがなんでここに…」
「それは何度も聞かれましたねぇ」
「あとで説明するから、とりあえずあそこにいるクソコスプレ女をどうにかしてくんね?」
指で猫耳の生えた女を教える。
「彼女が如月さんを」
「クソとは失礼だな。あと、僕は別に如月くんを殺したりも騙したりもしていない」
ミレットが首を横にゆっくりと往復する。
何、困った感出しているんだこいつ。ほんと腹立つな。
「わかりました。アミさんはデロルと戦うんですか?」
セシルは生唾を飲んで聞いてきた。
「1度勝ったからって別に油断しねぇよ」
肩を叩いて安心させる。安心したかわからないけど、頬を緩めた。
「あなたなら、大丈夫ですかね」
「でーじょうぶだ」
この場から避ける。元々居た場所に氷柱が刺さっていた。
「お喋りは終わりましたか」、とデロルは右目を下げて睨みつけてきた。
「落ち着きがねぇな、モテねぇぞ」
「やはりあなたは気に入らないですね。さっさと君から潰すことにする」
セシルの肩を叩いて「またあとでな」と言う。




