表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サマー・HSS・マタステイシス  作者: 川上アオイ
第2章 女子高校生とマタステイシス
51/98

第23節 フラグ

 ナミタはもう吐くものがなくなったのか、ただ空気を吸って吐いてと過呼吸気味に、なっている。


「ナミタ、辛いだろうけど動ける? みんなと合流しよう」

 自分の口を手で拭って「行ける」、と弱々しくも言ってくれた。


 私達は、村をゆっくり歩いた。肝心なときに走れなくなったら大変だと、判断したのとナミタの体力を考えて、この行動をとることを考えた。


「ここどこだよ」

「たぶん、ここ市場だと思う。あそこに魚屋のおじちゃんの看板が落ちてる」

 ナミタが指さした場所には、完全には燃えていないけど、何か書かれた看板があった。

「ここが市場なの?」


 燃えて、姿が変わった市場と記憶上の市場を、照らし合わせると全然違っていて戸惑った。


「すぐ近くに、集会所があると思う。みんなそこにいるはず」

 目には、涙が今にも零れそうなほどたまっていた。ナミタは涙をこらえながら言ったのが、私には理解できた。

「        」

 前から男の声が聞こえた!


 身を伏せる。足音と声の音がどんどん近づいてくる。

 私は荒くなる息の音を手で、抑える。

「     !」

 ズタボロのマントを着た男達が、過ぎ去った。

「あいつらが犯人…?」

「わかんねぇな。てか、さっきの奴もマントしてたけど、流行りなのか?」

「出身がわかるのを防ぐためにああやってマントかぶってるの」

 ナミタは立ち上がりながら淡々と言った。

 あれじゃあ人との違いなんてわからない、と内心思った。


「周り気をつけて急ごう」

 また歩き出して、十字路になっている道を真っ直ぐ進む。

 右には、さっきの部族が歩いていた。左を向くと、マントをかぶった人が目の前に立っていた。

「「え?」」


 私とマントの人は、だらしない声が出てた。

 アミが、マントの人の股関を蹴りあげる。

「走るぞ!」

 アミの後ろをついて走る。

「待て!」

 部族の人が大声で叫ぶと、何人か後ろで倒れている部族の人の周りに集まった。


 3人私達の後をついて来ている。

 徐々に、距離がつまってきている。

「くそ! うちが、こいつら潰すから先行け!」

 アミは立ち止まった。

「アミ!」

「こいつらくらい余裕だわ。また後で会おうぜ」

「わかった。誰か呼んでくるから、それまで待っててね」

 ナミタを連れて、私達は走った。


「君たち!」

 前に、市場で会ったことがあるお兄さんが立ってる。

「あっちで、アミが。私の友達が部族と戦ってる」

「なんだって? やっぱりアイツら、人を浚うために来たんじゃねぇかよ!」

 お兄さんは、アミがいた場所に走った。彼は一旦止まって、真っ直ぐ行けば集会所だ、と言って再び走りだした。


 言われたとおり真っ直ぐ行くと、武装した大人たちが立っていた。

「大丈夫か!」

「大丈夫です、あっちで友達が部族と戦っています」

「わかった。とりあえず、中で休みなさい」

 室内に案内にされると、中には村の人達が密になって、休んでいた。

──如月とセシル達はどこにいるんだろうか。


「セシル達どこにいるかわかりますか?」

 近くにいたおばあちゃんに話しかける。

「あっちの方にいるよぉ」

 おばあちゃんに言われた、おおよその場所に行くとセシル達がいた。パッと見た感じ家の子ども達はいる。


「セシル!」

「優花さん! ナミタ!」

 私と会うと、セシルは私達をギュッと、抱きしめた。

「良かった、ほんと良かった」

 耳元で泣きそうな声で言っていた。


「なにがあったの?」

「部族の人が、急に来訪してきました。最初は自分含めて村長代理の人で、話聞いてたら、村に火がつけられまして…」

「じゃあ、部族がやったの?」

「その時に、私と話した代表の人は否定していましたけど、何がなんだかわからないです」


「その話したって人はどこに行るの? その人に聞けば」

「その人も、こんな事態になったからか出て行きました。でも、村人の避難誘導を手伝ってくれました」

──何が狙いなの。もしかして、別の人がやったの?

「そういえば、如月見当たらないけど」

「え」

 セシルは周りを見ている。

 様子から見て、如月はさっきまでいたんだろう。


「如月連れ戻してくるよ」

 アイツ何やってんだよ、と内心毒を吐く。

「優花さん!」

 腕を掴まれ、振り返る。セシルの目力で一瞬怖気(おじけ)づく。


「ど、どうしたの?」

「い、いえ。何故か今止めないと離れていきそうな気がしたので」

「なにそれ。部族の人も実は良い人なんでしょ?すぐ戻るよ」

 セシルの手を掴んで微笑む。すると、セシルは私の手を握り返した。

「3人で、絶対に戻ってきてくださいね」


「うん。絶対!戻ったら、いっぱいご飯食べよう」

 セシルの手を離して、集会所から出る。

 今は、アミと会って如月を回収すること考えないと。

「よくよく考えたら」

 走りながら、さっきの発言を思い返す。

──死亡フラグみたいだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ