第20節 種明かし
「さて、何から聞きたい」
ジェームスは、両手を組みながら言った。
「聞きたいことが多すぎるって、急に言われてもビックリするだけだっつーの」
アミは髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。
ジェームスはため息をついた。
「俺もお前について聞きたいことがあるから。先に聞かせてもらうが」
お茶を飲んで話を続ける。
「お前らは、日本から来たというのは聞いたが、なんでこの国じゃなくて別の場所に飛ばされたかわかるか?」
「わかるわけねぇだろ」
「私にもさっぱり…」
「そうか。普通は召喚した人のところに飛ばされるらしいが、何かがあって別々になってしまったと、あのオヤジ。国王から聞いた」
──この人、国王のことあまり尊敬してないんだ…。
「そっかぁ。もしそのなんかが起きなきゃうちらは、ここに飛ばされてたってわけなんか」
「そう考えると、イムル村付近に飛ばされて良かったような。良くなかったような気がするね」私は殺されそうになったし
「でも、なんでうちらなんだ? うちらは、学生だぜ?」
「それは、運らしい。俺もカリフォルニアの大学通ってただけだ」
「運なんだ…」
ああ、とジェームスは言った。
「まさか、まだ転移してる奴いるわけないよな?」
「わからないな。ただ100年前は、4人だったらしいから、その転移した時の魔力量によって違うらしい」
「100年前からやってたのかよ」
「100年間魔力を貯めて、転移を行っているんだってよ」
「わざわざ、100年かけてご苦労様だねぇ」
テーブルに置かれたお茶を飲むと、紅茶と風味が似ていて美味しかった。
「なんでそんなことしてるの?」
「異世界の文化を模倣して、国の繁栄するのが目的だ。この世界で、ラーメンだって、刀だってみたことあんだろ?」
「だから、ラァミェンとかクロノさんの倉庫に、刀があったの!?」
「そういうことだ。ビックリだよな、異世界があったなんてさ。しかも、俺らの世界の技術をマネているなんて、クレイジーだ」
「そういえば」私は腕をまくって「この跡ってなに?」ジェームスに見せた。
「俺もあるぜ」
ジェームスの左腕にも、黒い手形みたいな痣があった。
「ちなみに、その痣が薄くなってるだろ?」
「そうそう、初めて見た時より薄くなってるかも」
「ここにいられるまでの時間だ。おおよそ残り2ヶ月だな」
「えええ!?」
「まじかよ、おい!」
アミがジェームスの胸ぐらを掴んで、揺らす。
「ホントだ。リアルだ」
「じゃあ、あと2ヶ月間うちらは何すればいいだよ」
「もう俺が、アメリカのこと教えたし、お前らも対して武器作れるってことできないから、お役御免だな」
私が手を挙げると、ジェームスはこっちを向いた。
「つまり、転移させた目的は私達の世界の技術を取り入れようとしてたの?」
「そういうことだな。まぁ技術がここは100年前で止まってるから、プログラミング教えたところで、蒸気機関や導線すらないからおじゃんだ」
「なんか可哀想だね」
「ああ、それを王様に伝えたら、残念そうな顔してたな」
ジェームスは、口元に手を当てて笑う。
──こいつ、そうとう性悪だな。
「じゃあ、2ヶ月間私達は自由にしてて良いってこと?」
「まぁそうだな、一応話聞かれるけどすぐ終わるから安心しな」




