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サマー・HSS・マタステイシス  作者: 川上アオイ
第2章 女子高校生とマタステイシス
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第18節 豪華絢爛

 私達は、食事を終えてアンダルシア城に向かった。

 遠くから見ても大きかったけど、近くに行くと見上げると首が痛くなるくらい大きかった。

 白い塗装にいくつもの窓、三角柱の屋根がところどころあって、ネズミの国の城みたいだ。


「でっか」

「でけぇな」

「大きい」


「こらこら、3人とも行くよ」

 私達若者3人が城を見上げていると、クロノさんに呼び出されて進む。

 クロノさんが納品を済ませて、城内に入ると、数々の装飾品が飾られていて、床にひかれているマットすら、輝いていて、豪華絢爛(ごうかけんらん)、という言葉が当てはまっている。


「まじで、絵本みたいな城の中だな」

 アミが上を見ながら、言った。

 私もつられて、上を見るとシャンデリアが何個も並んで設置されている。


「確かにね、ここまで綺麗だとちょっと緊張するよね」

「スマホの充電があれば撮れたのにな」

「インスタ映えしそうだよね~」


「おい、歌川」

「なに?」

 後ろから声をかけられて、振り返ると、甲冑(かっちゅう)を着た男が立っていた。

「ジェームス?」

「よく覚えていたな」

「さっきと、服装が違くて驚いちゃった」

「本当は今日非番だったんだけど、呼び出されたんだ」

「お気の毒だね…」

 ジェームスは、笑った。


「誰のせいだと思ってんだよ」

「え? 王様?」

「歌川、早く来いよー」

 アミ達はいつの間にか先に行っていたようだ。

「ごめん、もう行かなくちゃ」

 ジェームスの返答を待たずに、アミ達のところまで走った。


「ああ、また後でな。謝りすぎだぞ、ジャパニーズ」


「え?」

 ジェームスは、背中ごしから手を振って、歩いて行ってしまった。

 アミの隣まできて、走るのをやめた。息を整えながら歩いていると、アミが「おい」、と言った。

「あいつ友達か?」

「王国に来た時に、助けてもらったの」

 ナミタが「こいつ、財布すられてたんだよ」、と嫌味っぽく言った。

「ナミタは、そんなジェームスの姿見て惚れたんだよねぇ」

「うっさい! ばか! ブス!」

「3人とも静かにしなさい、控え室入ったら着替えてね」


 クロノさんに怒られて、私達は黙々と長ったらしい廊下を歩いた。

 私達の前には、長蛇の列が行進している。どうやら私達が一番最後らしい。

 男女別の更衣室に、メイドの人に案内された。

「アミ、メイドいるよ」

 耳元で、話す。

「すげぇな、しかも可愛いな」

 ドアを抑えているメイドは私達を見て、ニッコリ笑った。

──ファンサ最高か???


 更衣室の中に入ると、やっぱり室内は豪華だ。部屋の(すみ)にたくさんのドレスが置かれている。その周りに、たくさんの婦人(ふじん)が群がっている。

「これは、私達は残り物になりそうだね」

「バーゲンセールに群がるオバサンみてぇだな」

「ふふ。失礼でしょ」


 ドレスのバーゲンセールみたいな群がりが収まり、私達はドレスを選んで、メイドさんに着るのを手伝ってもらった。

「アミめちゃくちゃ似合ってんね」

 アミはベージュ色のドレスを着ている。手足が長いから、様になっていた。

「ナミタは、着替えないの?」

「どうせ、絵描いて汚れるからこの服でいく」

 普段よりか大人っぽい服装だから、失礼にあたらないと思うが、せっかくドレスが着れるのなら、着てみればいいのに、と思った。


「お前は、意外と似合ってんな」

「そうかな、ありがとう」

 水色のドレスを選んだけど、私は骨太だからドレスが似合わないと自信がなかったから、()められると素直に嬉しい。

 しかも、あのナミタに褒められたから尚更(なおさら)

「ナミタも変わったねぇ」

「ニヤニヤすんな、キモイ」

「ええー、褒めただけじゃん」

 ナミタに抱きつくと、すぐに手で払われた。

「うざいキモイ」


「失礼いたします」

 メイドさんは頭を下げた。

「アミ様、優花様、ナミタ様。クロノ様が別室にてお待ちしておりますので、ご案内いたします」


 私達は、控え室から出て、メイドさんに案内された部屋に入ると、正装に着替えたクロノさんがソファーでくつろいでいた。


「おお、似合っているよ」

「なんですか、ここ」

「アンダルシア王の計らいで、個室を用意してくれたようだ」

 部屋には、ソファーが4つとテーブルが置いてあって、ご丁寧にケータリングまで用意してくれていた。


「なんだよ、そのこれでチャラみたいな」

 アミがぶつくさ言った。

 まぁまぁ、と言ってなだめる。

「如月達どうしてんだろうね」

「それなぁ」

「今頃行けば良かったって言ってんじゃね?」

「でも、今考えると私達の内の誰かが残んないと学校がまわらなかったよね」

「あー、確かに」

「如月に感謝だね。お土産買っていってあげよ」

「そうだな!」


 ノック──。

 クロノさんが、「どうぞ」、と言った。

 ドアが開いて、メイドさんが

「国王がお呼びです。お移動のほどよろしくお願いいたします」

と、告げドアを閉めた。

──とうとう王様と会うのか…。

 緊張からか、手汗が止まらない。

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