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実食。

五話くらい更新します。

 釣りあげた魚と果物や天然の葉野菜のサラダなどでご飯を作ろう。


 ご飯を食べたらお風呂も入りたいしタオルとかも何故かクーラーに詰めたことがあるらしくデータが残ってたので……たぶん父さんが適当に詰めた物がいくらかあるんだよね。なのでタオルとか石鹸は合成できる。石鹸なんかは素材を少し変えたりしても面白いかもね。


 ピンクのウインドウを指で撫でながら作れる物をみていく。手帳やボールペンも作れるな。チョコや飴も調味料レベルなら作れるか。マヨネーズとか一本で一ヶ月生きれるからか小さいのしか出せないな。まあ素材を集めて作ればいいんだけど。前世で使っててクーラーに入れてない物はこれを応用して作らないと駄目だな。流石に家具とかはクーラーに入れてないしね。入りませんね。お箸とかは意外と入れてる。他はお酒とか飲み物も色々入ってるな。牛乳は調味料扱いか魔力で少しなら作れる。でも原材料があれば作り放題だ。ジュースのペットボトルとか何かに応用できそうだなぁ。火炎瓶とか。


 寝床も一から作らないとだし、まだやることいっぱいあるな。早くご飯食べないと。主食が無いなあ。パンの木とか芋とかならあるかも知れない。データには芋らしき物が入ってるから塩で茹でておこう。森で収納できてたらしい。植えたら増えないかな?


 かまどを石で作り上げて……炭で調理できるようにしよう。木を少し燃やして上質な炭のデータを取ったら直接木材から炭を合成できるんだよね。なので文明が近くにあれば枯渇しそうな植物由来の燃料が山ほどある。そもそも木が枯渇したのは産業革命で木炭を使いすぎたからだし、私一人が私用に使って枯渇するはずもないか。その結果石炭やそこから作るコークスが主流になったんだよね、確か。蒸気機関が資源枯渇を生んだんだねえ。生活に使う(しば)も取れなくなって一般の人たちは困ったらしい。


 うーん、そのうち石油とかも探すべきかな? 温泉掘れるなら石油もいけるよね。まあ産業化を進めるのはなんかね。私はスローライフしたいからやめとくかな。


 この世界の人のためにならない気がするし。文明の発展は本当に人を幸福にするのかって言うと悩ましいよね。食料さえ十分でリソースを食い尽くすほど人が増えなければ幸福にはなれるんだよね。前世の地球人は増えすぎた。


 戦争は嫌なものだけど人が増えすぎたらリソースの奪い合いが起こる。それは避けようがないんだ。誰だって飢えたくないんだから。まあこの世界が今どうなのかは分からないけどね。こんな魚が釣れるなら人同士が争う必要がなさそうだけど。


 私一人スローライフするなら全く問題はない。


 さて、この小角浜ヒラメなんだけど……大きい魚ってだいたい大味なんだよね。だから少し怖い。


 まあ食べる物はたくさん手に入ったけどね。でも魚や肉はどうしても食べたいよねえ。


 インフォメーションさんに頼んでヒラメをいくつかの(サク)にしてもらう。冊と言うのは刺身にする前のブロックの状態だね。……お醤油やワサビも合成できたし刺身食べてみよう。クーラーに調味料入れすぎくらい入れてたんだな。データが残ってるのは助かるけど。素材は最悪、空気からでも採れる。


 インフォメーションさん、脂の乗ってる辺りを刺身にしてお皿に盛ってね。クーラーボックス一つでお皿も作れるしお刺身も切れるとか凄いよね。皮とかも自在に剥げる。分厚いみたいだからこの皮を(なめ)してみるのも面白いかも。それもクーラー頼みだけどね。とりあえずみりん干しとか作ってみるかな。みりんもクーラーに入れてるよ……。お皿はガラス製にしてみた。お皿とか割れてもクーラーに入れたら直せるのがいいな。


 さて、ヒラメのお刺身だ。……うん?


 うん。


 ぜんぜん大味じゃない。コリコリしてるし脂も甘い。あ、そういえば熟成もクーラーがしてくれるんだっけ。一旦このお刺身を収納して熟成して取り出し。もう一口。


 もうね、お醤油の香りと魚の香りと、追いかけてくるような旨味と脂の甘さの爆弾。コリコリの食感なのにさっくり噛みきれる適度な噛みごたえ。


 これは美味ですわ。なにかよく分からないけどエネルギーも感じる。これは魔力の味なのかな? 現実世界では味わえない美味さだね。


 煮付けとか作っておこう。せっかくだし卵も一緒に煮付ける。メスだったのか。魚はメスが大きいことが多いよ。アンコウとか比率がおかしいからね。オスが寄生虫くらい小さい。実際メスに寄生するし。


 あ、鍋は取っ手の取れるタイプの物が何故か入ってたのでフライパンもある。ほんとなんでもクーラーに突っ込んでるな!


 こう言うのクーラーに詰め込んだのはたぶん父さんだな。横着なとこあったしね。でも欲しいけど入ってない物もあるんだよね。釣具はタックルケースやロッドケースで運ぶのがほとんどだからそんなに入ってないんだよね~。まあ構造が簡単なら作れるんだけど。


 何故か花火とかサバイバルナイフのデータもある。そう言えば子供たちと無人島キャンプとかしたことあったなあ。どこの子たちか分からないけど父さんが友達を家族連れで誘ってた。なので子供向けのゴムボールや水遊びの道具はデータがあるし作れるな。大人向けの浮き袋とかは自作かな。長靴があるからゴムのデータはある。


 花火で火薬の構造が分かるから爆弾も作れてしまうなぁ。作りたくないけど。戦争なんて嫌だよねえ。でも避けられないなら準備は早めにしておかないと。私一人の今の段階だと気にすることはないんだけどね。無敵だから。他の人にはいつか会えるんだろうな。


 煮付けとかシンプルな塩焼きとか串に刺して炭火で皮を炙って醤油を垂らしたり、とにかく量が多いし美味しいので、今日はヒラメ尽くしにした。芋も美味しかったよ。茹でてから塩を振って食べたらわりと甘かった。サラダはチシャみたいなのがあったからドレッシングをクーラーで合成したオリーブオイルと醤油とりんご酢で、フライパンを使って作ってみた。ラードとかトマトとかあるとなお美味しくできるんだけどね。トマトとかは地球と植生が違うから世界中に存在しない可能性と、逆に森の中とかですぐ見つかる可能性はある。手作りソースはフルーツを使うと美味しいよ。


 そしてお魚料理なのでレモンチューハイを開けた。ストロングのやつ。アルミがあんまり無かったから缶はリサイクルしないとね。余った魔力でアルミを複製しておこう。ボーキサイトの鉱脈とか探さないと駄目かも。しかもこれ合金なんだ。マンガンとかも必要らしい。


 お酒は飲める方だがだいたい安い酒しか飲まない。ビールはドライなのよりラガーが好きかな。何本かライムだのピーチだのマスカットだののチューハイを複製してちびちびやりながら刺身をおつまみにする。うん、めちゃくちゃ幸せだわ。


 なんかお酒には魔力回復効果があるらしいのでアルミを補充するためにもクーラーに魔力を注いでおく。今日はもう寝るだけだし。明日は台所回りとかしっかり作り直さないとね。あ、温泉掘っておかないと。その前に空を飛ぶ練習はしておいた方がいいかな。今日は飲んでしまったから明日にするしかないか。お湯だけ作って体を拭いておこう。お湯は普通に沸かさないとダメかな。高温の石とか入れたら爆発してしまうかもしれないし。まあ石を熱して鍋に入れて鍋料理とか作るのあるけどね。熱だけを移動できないから少しずつ温めるしかない。これもやりようはありそうだけど。残った炭は火が着いたまま収納。暖房とかに使えそうだし再利用して火種にもできるな。


 しかし私この世界の生き物にほとんど会ってないよね。ほぼ植物。あとヒラメ。結婚は無理そうである。


 さて、アホな事を考えてないでベッドを作ってもう寝てしまおう。


 シーツは下着や服の素材を合成して作る。袋も作って中にやはり合成したスポンジを入れておく。


 リストに乗ってたから作ったけどスポンジってどこから出てきたんだろう? 単独では入れてないはずだ。食器洗い用でもないし。洗い物はしてないしな。ほとんど紙の食器で済ませて燃やしてたから。


 燃やすのも許可がいるんだよねえ。個人の土地でも。まあこの世界ならいらないだろうけど。分からないけどね。


 スポンジ……何かのケースに入ってた可能性は高いな。この世界の素材で布団を作るなら綿花とか絹とか羊毛とか鳥の羽でいいやつないか探しておかないとね。胡椒に当たる植物とかはあったし、現地の人に教えることができるな。


 今回は木製ベッドにウォーターベッド(長靴に使われているゴム製)スポンジ入り敷布団に掛け布団。夏も近いようだし毛布はいらないけど作るなら靴下素材の毛布になりそうだな。臭わないよ?


 明日は温泉を集中的に作って、お昼からは磯まで釣りに行こう。なんか開発も楽しいし釣りも楽しいし、やっぱりスローライフは最高だね!






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