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耳と目。

 誤字報告有り難う御座います。


 これで二十万文字超えました。お付き合い有り難う御座います!


 まだまだ長いけどよろしくお願いします。




 情報が早めに来て助かったよ。早急に龍鱗川沿岸の偵察に行かないと。


 リッタ様にあそこはうちの領地宣言したからね。しかしイストワール王家なかなかやるな。


 男爵の罪は間違いないけど男爵が負けても自分達が咎められないよう言い回しを工夫してるし(男爵が手を抜いたからユーミ帝国が開発してるけど問題だよね、とは言ってるがユーミ帝国の開発が問題とは言ってない)、状況をいちはやく知った王族の手柄にもしてる。


 リッタ様たちをこちらに回すことで王家は手は打った形になってる。たぶん二人の動きはまだ非公表。だけどこれ、男爵家としてはなんとしても一当てしたい形になっちゃったね。それでリッタ様の半分謝罪形式の報告か。


「王家さすがだね」


「そこまでは理解できてるのね」


「どうかな?」


「まあ、お互い利益の出るところを探るために僕と兄の派遣ではあるわけですね」


「そっか。じゃあ展望室行ったら釣りにいかない? まだみんなサビキやってるよね?」


「うちのユルさがバレちゃうわね~」


 もうバレバレでしょ~。釣りにいくよー。対策は小角に任せる。正直小角族の水や風の精霊を使った捜査の方が速いし手が多い。精度も高いし隠密性も抜群だ。いいなあ。


「私たちもいい耳や目がほしいよね」


「だから小角族を雇えばいいのに」


「サウラルと戦うなら雇ってもいいけど、守り難くなったら本末転倒なんだってば」


「そういわれてしまうとそうだけど、あんたも言ってるように小角族自体の責任もあるのよ?」


「小角族に全く被害が出ないなんて想定はしてないよ。そうなったらそうなったで私には責任負えないもん。私が勝手にやるぶんには痛いのもしんどいのも私だけで済むんだから」


「あんただけで済まさせやしないから」


「へへーん、私のためにできることがどれくらいあるやらねー」


「このやろう、いつか泣かせるから」


「野郎じゃありませーん。ね、リッタ様」


「え、あえ? そ、そうでしたね」


「その反応ひどくない?」


 リッタ様はなにか思い付いたらしくカンポス様と話しはじめる。放置されたのでリンヤに抱きついたりわちゃわちゃする。やーめーなーさーいー、とか言ってるけどやめませんー。反撃された。わちゃわちゃ。髪をわさわさするのはやめろー。一応女の子だぞー。


「一応でいいのね?」


「完璧に女の子だよ! ガールだぜ!」


「こちらではラグラ男爵は放置の方向にしても大丈夫なんでしょうか? 止めることもできなくはないですが」


「それで王家の心証悪くするくらいならいらないよー。対処は最悪私一人でできるんだって」


「それはいざとなれば小角族全員収納して一人で男爵軍に突っ込んだりできるということですか?」


 あん?! クーラーのスキルバレてる?!


 まあ実際最悪のケースではそれでカタをつける気でしたけど。うん、動揺したからバレたなこれ。うーん、バレても無敵なんだけどね。


「リンヤー。どうしようね」


「抱きつくなイケメン。ほれるやろ。どうでもいいんじゃない? あんたは遊ぶのが仕事よ」


「甘やかしすぎー。リンヤ愛してるよ」


「やめいそのイケメン意識したイケメン表情!」


「カッコいい……」


「おいリッタ、戻ってこい。お前は男だ」


「はっ!? あや、ユーミさんも女ですから!」


「そういえばそうだがそうじゃない」


 四人でわいわい言いつつルルとネイコの先導で、展望室に着いた。このあとは昼食会にしようか。久しぶりに私のレシピで作ろうかな。ジルたちに任せても美味しいの出てくるけど焼きや煮物にパターン絞られるからなぁ。


 展望室、ここは凄い綺麗なんだよね。海が一望できるんだ。


「うわ……」


「おほー、こりゃいいや。可愛い子デートに連れてきたいなー」


「兄さん! でも本当にすごい。風で白波が立ってるのはたまたまかもしれないけど、エメラルドグリーンに白が映え、空の雲の白と溶け合い、天地がひとつの美しい絵画のよう……」


 うわ、美少女が風を浴びて空に見惚れてるシーンがものすごくハマってる。完全な一枚の芸術品だわ。美少年なのが残念だね。別に残念ではないか。カンポス様もイケメンだし、この二人を並べて写真一枚欲しいシーンだね。少し曇ってるのも一体感がある。ふつくしい。


「人間の男でもいいわね」


「リンヤも恋とかするの?」


「あんまりしないわね。今はユーミに夢中よ」


「モテる女はつらいぜ」


 リンヤとは本当に仲良くなったなー。お、ルルとネイコもなかなかいい絵になってる。黒と白の使用人服のルルとピンクのワンピースの小さな妖精ネイコが風に髪を流されて、エメラルドグリーンから青に溶ける景色にバッチリ一体化してて、これはいい絵だわ。高く売れそう。インフォさんにセンスがあれば絵に残してもらうのに残念ながら無理らしい。このスキルの敗北は珍しいな。


 いつまでもこの美しいシーンに浸っていたいけどナブラが見える。メタルジグを投げたくなってきた。一度昼食に戻ってから釣りだね。雨の降りだしくらいが抜群に釣れるんだよね。


 料理はなににしようかな。ご飯を使って天丼風皿盛りバターライス丼とかをメインで、スープはカレー風にすると変わってるから面白いかも。


 小角族が作ってるネギとか収穫がもうできはじめたらしい。ホウレン草みたいな葉野菜もいろいろできはじめて、小角族たちは大歓喜だよ。そのまま次も植えるらしい。輪作大丈夫かな。肥料をまいとかないとね。その辺りはネリンたち農業組にやってもらおう。小角族の問題ではあるけどね。


 収穫物はもらえるから協力するのは問題ない。なんでも四角四面にするのは嫌いだ。だからやり過ぎるけどね。


 他の皿は大きい鯵のタタキをサラダにしよう。ちょうどよく鯵釣ってたな。もう一品は鯵のハンバーグもいいな。荒く切った鯵のミンチと小角ネギのみじん切り、軽く塩を入れて包丁だけでこねて固めて整形し、しばらく置いておく。これを焼くんだけど別のフライパンに油、フルーツのジュース、塩、ネギのみじん切りを入れてしっかり煮詰め、火を止めたら胡椒を合わせてハンバーグにかけて仕上げる。できた端から収納していけば温度が下がらないから全品熱々で出せる。最後はクーラーに入れてた大きいアイスをくりぬいて皿に果物(桃とか)を砂糖水で煮たコンポートを冷やしたものと合わせてフルーツのソースをかけて出す。


 四人でご飯を食べながらお話だ。全部私が作った……アイスは別だけど、それを説明しながら並べる。二人とも貴族らしくないはしゃぎようだ。途中からはホタテさんとかブリ婆ちゃんとか使用人たちも混ざった。コピーできるものはして、できないものは追加で作っていたらいつの間にか宴会になって釣りは明日になった。外はもう雨になってるし、少し寒いからいいんだけどね。


 泳げるような暑さになるのは、そう遠くないらしい。楽しみだね。






バーリ「毎日宴会だのう」


アーリ「いい国よねえ」


ネリン「毎日樽が飲めますしねえ」


バーリ「どこから出てるんだろうな?」


アーリ「なんか山の木とかから作ってるらしいわよ」


ネリン「森を刈ってきましょう!」


アーリ「農業担当なら緑を大事に!」


バーリ「森を刈って酒を飲んで緑の手で再生して刈って……これが永久機関じゃな……」




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