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ミナミナの状況。

 ぼちぼち書けてますのでストック二十話キープしてます。



 ミナミナ獣人自治国から来た三人の獣人を迎え入れる。一人はちょっと奴隷になってるけど延々攻撃してくる鳥頭だからどうしようもない。今もぎぎぎ……とか唸ってるからたぶんこちらに攻撃しようとして隷属の首輪が絞まってる。なんか可哀想になるレベルでおバカ。外したら攻撃されちゃうしなー。悪いけど鬱陶しい。放置しよう。


 リンヤ、ホタテさんも交えて会談を始めよう。


「普通に話を聞かせてもらえるかな? こっちも南大陸の情勢が無関係ではいられないからさ」


「存じております。ミナミナは現在戦時中であり、食料補給のため北方との交易を画策し、此度我々の派遣となりましてございますごあー」


「で、あるか」


「ふーん、間違ってないね。今のところ少し小角族の食材も足りてはいないけど、交易すると言うなら取り扱える物が無くもない」


 この場では当然ホタテさん入れてるよ。うちに資源なんて、私のクーラーの中の物しか無いからね。まあそれもなかなかの量ではあるけど。


「ミナミナの争乱に巻き込むつもりはありませんが、サウラルはこちらまで来ないと言い切れません。ナンテンの支配も半魚人の調略に目的があると見えるのですごあー」


「うん、まあ来ても問題ないよ。敵対するなら戦うから。私の力は分かるでしょ?」


「はあ、いや、本当に理不尽なまでの力というべきでしょうか。ごあー」


 この人は分かってるなぁ。人情で道を踏み外すタイプに見えるけど、別に戦局が見えてなくはない。申し訳ないけど足を引っ張るタイプにも見えるけど。


「ぐぎぎ……」


「んで、なんであんな馬鹿連れてきたの?」


「実は小角湿原側がこれほど発展しているなど露ほども思っていなかったのです。小角湿原は危険地帯でしたので戦力としては優秀なあの鳥頭も連れてこざるを得なかったのです、ごあー」


「であるか。御使いにより発展するなど、そうはあり得ぬ話なのだ」


「あー、それもそうかぁ。確かにカイバシラだって作りたての集落だったもんねぇ」


「うむ、本来ならヒバシラまでは歩き通し。戦力無しでは死に絶えよう。魔物も本来ならばもっと多いのだ」


「私のせいってことかあ。まあ事実だけど、あれはどうなの?」


「えーと、申し上げにくいのですがいざとなれば……絞め上げて、ごあー」


「食べるの?!」


「いや、躾することもできたかなと、本当に戦力としては使える男なのですが、ごあー」


「ハーチアってそんなに強いのかな?」


「水中で水魔法を使わせたら一流ね。そもそも魔法で力仕事できるメンバーに選ばれてるのよ?」


 うーん、そう言われるとリンヤのいう通りな気もするね。ただハーチアって水中だと鱗をダイビングスーツみたいにまとってるからイメージとしては……テッポウウオだったけど。


「相性もあったコン。完全鳥獣人は水に弱いなんて私も初めて知ったのですコン」


「まあ未知の土地だったと」


「うかつでしたごあー。さすがに御使い様がいるとまでは予想できませんでしたごあー」


「うん、それは分かる分かる」


 しかしあの鳥頭どうしようかね。鳥って大人になるとなかなか懐かないんだけど、獣人だから全く無理とも思えないんだよね。そんなのこの虎のギムレットさんも連れてこないと思うし。まあ獣を懐かせる手段といえば餌付けだよね。幸い今は宴会してるし。


「ギムレットさん、メアリーさん、清酒だけど良かったら一献どうぞ」


「お、いただきます! これもいい酒ですなごあー!」


「ウチもお酒大好きですコン!」


「くあー! くあー?」


「モヒートも飲む?」


「の、飲む? 飲みたい。飲むくあー」


「はい」


 ちなみに鳥獣人は翼と腕が別々にあるのね。頭はまんま鳥なのでくちばしだ。一口目は味を覚えさせる。鳥の懐かせ方を獣人にやったら効果は高そうでしょ? いや、普通に人間並みの知能があるなら私もそう接するけど、ことあるごとに攻撃してくる相手に普通に接しろというのはそれ自体が拷問だし。殴られっぱなし。嫌だねぇ。


「くあー! くあー!」


「もっと飲む?」


「飲む! くあー! うまい!」


 やばっ、一口飲むたびに右に左に首を振るさまが昔飼ってた十姉妹(じゅうしまつ)や鶏を思い出させる。


 十姉妹はヤマカガシに食べられたんだよねえ。そのヤマカガシは爺ちゃんの怒りに触れたので鳥かごごと水に沈めて殺された。スッキリしてしまった私は冷酷なのかね?


「くあー! くあー!」


「もう攻撃しないならもっといろいろ飲ませてあげるよー?」


「しない、くあー! しない? しないくあー!」


 やべ、可愛い。鳥を飼ったことのある人にしか分からないだろうけど可愛い! 獣人なのが、えー、これはペットにはいいかもね。とりあえず懐かせよう。


「まあうちも奴隷ばっかりだからねえ。忌避感はあるんだけど、雇い入れてもいいかなあ?」


「この調子なら大丈夫でしょう。ユーミ様さえよろしければ、雇い入れてくださってもよいかとごあー」


「もう逆らわないならお酒も飲ませるよー?」


「逆らわないくあー!」


 ……これ、鳥語天然だ! 雇わざるを得ないね!


「んじゃあこの子は雇うとして、ミナミナの情勢は気にかかるよね」


「宰相として仕事しようかしら。戦争というか紛争になるのかもしれないけどそこはどっちでもいいわね。勝ち目はあるの?」


「お恥ずかしながら、ほぼありませんな、ごあぁ」


「我がユーミ帝国の助力が必要かな?」


「なんで偉そうなの?」


「そういう空気かなって」


「負けるとなれば、小角首長国にて受け入れる用意はしておくべきか」


「さもありなん」


「なんで古語なのよ」


「そういう空気かなって」


「で、あるか」


「で、あるよ」


 ホタテさんに合わせてみたのよ。


 これ、助けに行くなら行くけどね。どうすっかなー。そもそもあんまり関係ないのは事実なんだよね。ちょいと行って一週間くらい敵を払うくらいならするけど、絶対それで終わらないでしょ。小角族さえ滅ぶなら滅びろと思ってるんだよ? 他人にそこまで気を使えないよ。まあ小角族は全力でサポートするんだけどね。『ツンデレを発見しました』ツ、ツンデレちゃうわっ!


「とりあえずさ、私のスローライフの邪魔はしないでほしいかな」


「分かってるわよ。貴女は出会った頃から厭世的な隠者だと思っていたの」


「んえ? そう? いや、確かにそうかぁ」


 リンヤにはそう思われていたのか。世の中が嫌いなわけじゃないよ。自由にしていたいだけで。


 うーん、まあ今やるのはどう考えても食料確保か。戦争なんてそちらでやってほしいもの。それで死ぬ人がいる?


 逃げるタイミング間違えたね残念、私はそうとしか思わないよ。神様じゃないもの。いや、神様でも。あんたたちができないのに勝手に戦うなら、救う責任なんて誰にもないよね。まあ一方的な虐殺とかは気分が悪いけど、わざわざ行って助けたりは普通にしないよね。


 もちろん逃げてくるなら自立できるまで付き合ってもいい。ご飯も住むとこも提供するしね。今回は私が合成したお酒とか釣った魚の干したのとか持ってかえるといいよ。お金はまあモヒートをもらったからいいや。


 移民って争いの原因になるし、そうなったらさすがに南大陸に行かないとダメかも。邪神とか魔神とかマジでないわー。






ハーチア「やっとお酒飲めるぅー!」


バーリ「つまみが帰ってきた」


ベリー「火加減は任せて!」


エハル「あ、収納からユーミ様が作ったバーベキューセット出しますね? メイレンさんを薪に」


ハーチア「おとなしく飲ませて?!」


メイレン「薪はいや。縛る」


エハル「乗るんじゃなかったー!」


マーベル「意外とお調子者だな……」




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