ユーミ城改善。
奴隷商で雇って来た人をまとめておく。十五人一気に増えるとわけわかめ。ワカメも好きだよ。無人島の主食だった。小角族に食べさせたら普通に食べてた。ワカメはおいといて。
まず魔法やスキルで力仕事ができる五人。
水魔法使いのハーチアは半魚人の女の子。見た目は普通の少女だね。耳にヒレが付いてるけど。
風魔法使いのルベリア(ベリー)はエルフの女性。魔力が多いらしい。大魔道士らしいね。
もう一人風魔法使いのカンセルト(セルト)は人族の男。身体強化で力も強い。
身体強化スキル持ちのバーリはハーフドワーフの男性。自分の何倍もの物を楽々運ぶ、スキルとしての身体強化は圧巻だ。スキルは魔力を使わないしね。ほとんど力仕事では疲れないらしい。釣りに連れていきたいね。
収納スキル持ちのルエハリン(エハル)はハーフエルフの少年。収納スキル持ちで奴隷が何人かいた。彼はどうも偽物を掴まされて身を持ち崩したらしい。人生経験が浅いのかもね。そのうち商人のグループにいれる予定。
次は礼儀ができる人、というか、家事ができる人が四人。
執事、剣術スキル持ちのジルアスチア(ジル)は人族の男性。四十代半ばのシブメン。いかにも執事な人だね。スキルも凄いけどなんでもできる。どうも身を持ち崩した貴族に勤めていたので代わりに身売りしたらしい。もったいない。その貴族はそれにより持ち直したみたいだね。
執事で修繕スキル持ちのレイシロル(シロル)はダークエルフのイケメン。実はジルとそう変わらない年らしい。ダークエルフってことで南の大陸のサウラル帝国に負けて売られたそうだ。別に性格はダークじゃない。見た目は肌が小麦色の可愛い少年だ。
メイド、裁縫スキル持ちのネイコはなんと妖精。20センチしか身長がない蝶の羽根の女の子だ。可愛い。スキルでぬいぐるみを作って動かしたりできる。ただそんなにぬいぐるみの力は強くない。本人もね。布類の修繕ができるので私が留守のときは皆が助かりそう。
メイドで暗器スキル持ちのルルビア(ルル)はハーフエルフの女の子。元ノーゼリア貴族の子らしい。暗器スキルで雑巾とか取り出す。暗器スキルはストレージの小規模なもののようだ。大量には持てないらしい。政争では父もハーフエルフだから目を付けられて追い落とされたそうだ。正確にはクオーターになるのかな。耳は尖ってないし見た目は人族と変わらない。ノーゼリアは人族至上主義者が強くなってるようだ。いずれそっちも潰すかね。
次が農業の知識が深い三人。
土魔法使いで緑の手という植物が元気になるスキル持ちのエイネリンカ(ネリン)はドワーフの女の子。今回はドワーフとエルフが多い。南の大陸のサウラル帝国に負けた国の人にドワーフが多かったらしい。サウラル帝国にもいつか喧嘩を売るよ。まずは悪いけど小角族の地盤を固める。
土魔法使いのブリッケリム(ブリック)はハーフジャイアントなので身長が三メートルもある。とても力持ちだし土木関係を任せられそうなので雇った。見た目はオジサンだけど十五才らしい。自嘲してた。かなり気が優しい種族のハーフのようだ。
次が植物魔法使いのメイレン。なんとハーフドリアードらしい。珍しい種族だ。肌は普通に白い。緑とかじゃなかった。植物魔法とかも珍しい。一度植えた植物が歩き出したのは驚いた。髪は葉っぱに見える緑。
最後に商人が三人。
商品鑑定スキル持ちのマクロアーリ(アーリ)はドワーフの女性。戦争で負けた国の人だ。商品に限って真贋や良し悪しが分かるらしい。
収納スキル持ちがもう一人、コルネスシア(ネシア)はエルフの女の子。やはりサウラルとの戦争で負けたらしい。今回雇った中ではかなり高かった。計算もできる人だし商人として十分生きていける人だ。解放されなくてもいいとか言われた。なぜだろう?
最後が人物鑑定スキル持ちのマーベリンズス(マーベル)人族の男性だ。若くてイケメン。金髪に茶色の目。私の鑑定をして、買われるならここしかないと思ったらしい。スキルバレしたので雇わざるを得なかった。気を付けないと駄目かもね。まあ嘘尽より珍しいスキルだという。持ってるのがバレると私みたいに恐れるので本当は秘密なんだとか。まあ暗殺されそうだよね。最初はやる気なさそうだった。
ここまで来ると色々ユーミ城を作り直さないと駄目だよね。ハーフジャイアントのブリックとかいるし。まあ農業開発担当なのでいつもは小角首長国の首都カイバシラにいてもらうんだけど、農業製品をカイバシラから輸入するからね。力仕事もできる彼に来てもらうと助かる。
ちなみにインフォさんは一度に人が増えたのでネタ翻訳を諦めたらしい。『ちょうど良い翻訳がなかっただけです』反論された。
本質的な話としてインフォさんは人間の頭の中の情報も読めるし原子を融合して別物質を作ることも本来は可能らしい。その辺りは私の持つスキルではないと判断されているようだ。魔力による原子製造はできるしね。それを許しすぎると際限なく作ってしまうからこれは駄目、人の心を読むスキルも人を信じる私には必要ない。それは正しい感覚だと私は思う。そのせいでピンチに……陥らないよね? どうやったら陥るのかむしろ見てみたい。既に超チートだ。
さて、それでは開発の再開だ。奴隷のために働く女皇帝です。奴隷より働くと評判が……あんまり良くないな。私は純粋に楽しみたいんだけど。仕事を奪うなと言われても私も楽しい分しかしないからね。そのうち奴隷虐待の形のひとつに、労働をさせず一日遊ばせてご馳走を食べさせる、というのが加わるかもしれない。そんなに働くの好きなのか、とは思うけど。
この世界の人は働かないと食えないから働きたい遺伝子とか持ってるのかもしれないね。仕事の振り分けとか嫌なんですけど、と言ったら執事のジルがやらせろと仰る。リンヤ宰相も彼を内務相に取り立てる気らしい。外交は人物鑑定持ちのマーベルさん。本人は働きたくないと最初は嫌がってたけどね。嫌な労働はしなくていいと言ったらやると言った。どっちやねん。やる気出たらしい。
まあなんだかんだいってみたとこで二十人に満たない国だけどね。今は小角族関連以外では仕事はあんまりない。
ジルたち家令四人はさっそく生活環境を整えて大使をお迎えするべく動き出した。力仕事組は畑仕事をお手伝い。農業組はそれに指示を出していく。商業組はまずは野菜と魚の取引についてホタテ首長と話し合い。
私は住み処としてユーミ城を改築しつつ小角湿原に治水作業に行く。あ、水洗トイレは中に浮きを入れたり改造してる。そのうちウォシュレットに?
連絡用魔道具欲しいなー。耳がない。戦争に使える物だから出回り難いのかな。いいじゃん帝国なんだし。ブリ婆ちゃんに頼んでみよう。知らないって言われた。酒寄越せと言われたので帝国始動のお祭りをすることにしたよ。奴隷たちも祭りに強制参加。鬼のような雇い主だね! お酒は強制しないけどね。