開発してまーす。
次とその次が釣りが入ります。今日はもう一話だけ投稿します。
うーん、可愛い王子様が外交官で小角湿原に来るよ。この場合領事になるの? 大使になるのかね? イストワール大使館は作っておこう。
うーん、私はもっと小角族に馴染みたいんだけどなぁ。実際カイバシラ集落としか今は交流無いんだよね。もちろんブリ婆ちゃんとホタテさんが小角族代表なのは理解してるんだけど。万を超える小角族を引き入れないと私の一人相撲になるんだよね。
「外交官の受け入れに一月時間を頂けますか?」
「一月?」
お、リンヤさんから突っ込み。私の思惑は理解してないぞ。これはどう判断するべきかな。できればリンヤの意見も聞きたいか。
「こちらとしては現在でもユーミ女皇帝に色々と貢献いただけてますので、こちらの要求を飲んでもらう意味もありますから構いません」
要求? なんか要求してくるんだろうか?
ん? リンヤさんはこっち睨んでるね。まあ話は後だよ。この際外交官の引き入れは問題ないでしょ?
ああ、一ヶ月もあると私が開発しきってしまうから力を見せる意味が弱くなるとお考えなわけね。でも十分な要塞は作れるけどね。実際に見せた方がインパクトはあるだろうけど後から来る人には分からないよね。
ん? 私がなんか勘違いしてる?
「(ユーミとリッタ王子の婚約はかなりメリットあるんだけど、面白いし)そうですね、では表立っての外交官派遣は一ヶ月後として、先発隊二名とその護衛の派遣を許可します。後はリッタ王子様の努力次第ですね」
「頑張ります!」
お、なんか話は終わったらしい。なんかエシルさんが頭を抱えてるけどあんた話に入ってきてないよね。ラングさんはそもそも話を聞かずにブルーさんたちとギルド運営について話し合ってるね。あちらはあちらで政治問題か。
「やはりSランク一人分の収益の増加は国全体に波紋する力となります。リート子爵とも話し合わなければなりませんが……」
「まあそういう政治的な部分は子爵に任せるにゃー。ギルド運営に直接口出しするようなことは控えてほしいにゃー」
「それは国際ギルド法もありますから。ですが商取引は直接の交渉は所属国に優先権がありますので……」
「大量の巨人素材は軍から使いたいって事にゃー? それはまとめて卸す先ができた方がこちらも捌けて助かるにゃー。今回得た素材の量は量的にも金額的にも国家軍隊くらいじゃなきゃ回せないにゃー」
あー、巨人百体単位で丸ごと持ち帰ったからそんなの確かにそれを個人商会で取引するのはキツいか。もちろん何社かに分ければ行けるけどギルドの手間が半端じゃなくなりそう。
思ったけどこういうギルドでは収納持ちを確保しておかないと辛そうだね。その収納持ちを調略したら物資丸ごと奪えるから戦争とかになったら収納持ちを引き抜きしたり殺したりとかの争いが起こりそうだね。まあバックアップは当然してるんだろうけど。
ん? これ、私の存在のメリットがめちゃ高いね。どんな手を使っても手に入れたいところだろう。私にも調略がかかるかな。それはそれでちょっと楽しそうだけど。ラグラ男爵とか来たら思いっきり虚仮にしてやろう。一応リッタ王子にどこまでやっていいか聞いておこう。戦争になっちゃうからな。男爵くらいボコしてもいいけど、後ろの伯爵が出てくると面倒臭そうだしね。
「それで聞きたいんだけど、貴族が個々に相談に来たらどうしたらいいかなー?」
「(相談。貴族が? ああ、そういう)そうですね、できれば丁寧に対応をお願いしたいところですが国家としての利益を考えれば貴族より我々王族との交渉を優先するということでお断りいただいてもいいですよ。できるだけ丁寧にお願いします」
「はは、丁寧にな」
ん、エシルさんが入ってきたな。
「うーん、巨人を撫でるくらい丁寧にするね」
「こわ、女皇帝こわっ」
「エシル。もう。えーと、そんなに派手にならないです?」
「全然問題ないと思うよー」
「そうね、私も近くで見てただけに彼女のスキルならなんの問題もないでしょうね。お掃除もできるでしょ」
「そこまでしてもらうのは心苦しいですので、野良犬を追い払うくらいでいいです」
こういう言い回しが貴族的だなぁ。その野良犬ってどこまでが野良犬なんだろ。でもかなりこちらに譲歩してるね。クーラーボックスの力を正確に把握してたりはしないだろうけど、物凄い力なのは話で理解した感じかな。
そんな感じで王子様との会談?は終わったよ。王子様のプレッシャーが凄かったね。見た目は乙女ゲーのヒロイ……じゃなかった、ヒーローみたいだけど、ちゃんと為政者やってるなぁ。
王子様二人は龍鱗川沿岸と小角湿原南端に来てもらったら少しは分かるか。
小角族をその間にまとめておいて……。そっちの方が揉める気がするんだよね。貴族はまあ遠いしどうにでもできるでしょ。小角湿原はそれだけで天然の要塞だしね。
水の流れとか凄い悩ましいけどね。堀をたくさん掘ってるけど、溢れる時は溢れそうだね。埋め立ても必要だし……クーラーボックスで土木作業ばっかりしてるのはどうなの? 釣りに行こう。
開発もしていきまーす。山をもう一個くらい削ってこようかな。ちょっとその辺で山を一個取ってくるねー、とか近所のコンビニに寄って足りない調味料買ってくる主婦の感覚で山を取ってくるなよって思うよね。生態系ぶっ壊すってレベルじゃないよね。環境変わるわ。まあ埋め立てとか開発すればどうやっても環境は変わるからね。どう人間に有益で生態系に影響を与えないか、むしろ小動物や魚が増えるように整えていけるならそれがいいよね。
土砂崩れとかは気を付けてるよ。人が通らないとこを選んで谷ができるまで掘ってるからね。まあ小角湿原北の山脈は人通り全く無いんだけど。海路で貿易してるみたいだからね。小角族からは角もそうだけど茸とか薬草とか薬を中心に取引してるんだけど、これが軽量で高値な消耗品だから貿易には凄い使えるんだよね。
なので森の開発をするなら近所の森より北の山を二、三個削った方がかえって影響が少ない。谷を作ると表面積は広がるからそこに植林して茸とか菌糸もばらまけば栽培地みたいにできる。
そうそう、このクーラーボックスのスキルには裏技があるんだよ。つかこのスキルが裏技だけど。
種とかね、質の良い種、例えば甘い植物の種ならより甘い種を選別できる。科学より凄い分析ができるんだよね。種にダメージを与えずに遺伝子レベルの選別ができてしまう。つまり品種改良が原始的な手法に頼らずにできるんだね。二年くらいで相当選別した種を増やせるよ。もう果物や野菜やお米を選別していってるし。収穫量も増やしていけるし冷害なんかの環境や害虫にも強いのを選べるよ。
遺伝子組み換えもできてしまうんだけどそれはしていない。神様のスキルだからやってもいいかも知れないけど急激に環境が変わるのも問題起こりそうだし。食料が増えるとそれを食べる存在も増える。この世界なら魔物が増えるんだよね。
なんでもそうなのかもしれないけど一方を立てたらもう一方が立たないんだよね。バランス感覚が大事だよ。
夜に二話目を投稿します。