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お姫様。

 恋愛要素も薄めです。一万PV突破、有り難う御座います。夜にもう一話載せます。




 王子様と呼ばれました。


 じゃあ私もお姫様、大丈夫ですか、とか返すべき? いや、私は女帝です、とか紹介したら笑えるかも? 事実、うん、事実だけど。実績ないけどね。


「あ、申し訳ありません、あの、その、女皇帝様でしたね!」


「うんそれそれ。お姫様はどこの子かな?」


「あ、僕は男です! こう見えても二十二才です!」


「にじゅうにっ?!」


 いや、性別は分かってるけど年はビックリだわ。女子高生に見える。わたわたして可愛いのに。その年の男性なのに金髪のふわふわ感半端無いですね。そういえば魔力が高いと若く見える世界だった。


「年に驚かれたのは初めてです」


「普通は性別にビックリするよね。ごめんねー、性別は分かってたから。王子とか言われたからつい、ねー」


「あ、申し訳有りません。こちらも分かっていたんですが、つい。お店に来てる女の子たちが王子様王子様言ってたので……(一瞬、身バレしたかと思ったんだけどね……)」


「ん? まあよく言われるからいいけど。あ、うちの個室で皆で一緒に飲もうよ。賑やかなの好きなんだ」


「本当ですか? えと、うちは三人ですけどいいですか? なら……(上手く接触できてラッキーかも!)」


「あ、いいよいいよー。流石に十人とかなら入れないけど。あはは」


「で、では連れてきますね(見れば見るほどイケメンだなぁ。声も低いし。よく見ればかなり綺麗な女の子なんだけど)」


 いちいちなんか間があくのが気になるけど、いい子っぽいし大丈夫かな。一応パンツルックなのに後ろ姿が女の子だよ。どうなってんのあの脚線美。お尻も丸いし。思わずエロ親父視点になっちゃったよ。普通は手とかに性別や年齢が出るんだけどあの子はそこも女の子だよ。辛うじて服装からと喉仏が見えたから分かったけど。遺伝子仕事してないな。人のことは言えないけど。


 あー、こっちでも謎の王子様ファンクラブできたりして。そのまま「謎の王子様ファンクラブ」ね。私を見かけた女子たちが作って正体がバレて性別がバレてからなぜか規模が大きくなってエリが管理してた私にとっても謎のファンクラブだ。


 流石にもう若くないしないかなー。まあ魔力が高まってからお肌とか綺麗になってるけど。嬉しいんだけど男前度が上がってる気もする。泣いてなんかない。胸とかは成長しないのに……。魔力を貯める器官とかが胸にあったりはしないらしい。


 おっと、ぼんやり立ってたら三人来たね。お姫様と護衛に見えるな、あれは。二人ともゴツい。


 一人は長身で無精髭で軽装で大型のナイフとか装備してるから一見斥候職(スカウト)に見えるけど、体幹はブレないしこっちにいつでも攻撃できる気配。身形(みなり)は崩して冒険者(ぜん)としてるけど、分かる人には簡単に分かるだろうってくらい実に騎士っぽい。もう一人も横幅が広くて温厚そうだけどどっしりとしてるから盾職の騎士かな。どうしてこの三人なの? 凄い目立ちそう。


「よ、よろしくお願いしますっ!」


「はい、エスコートするね」


「ぷぷっ!」


「エシル。なぜ笑いますか」


「いや、笑うだろ。どう見ても王子が王女をエスコートしてるシーンじゃね?」


「グプッ、し、失礼であるぞ、エシル」


「まあ私は自覚はあるからいいよ」


 はあー。可愛くなりたい……。うーん、この王女君みたいに可愛く……あ、でも男になりたいわけじゃなくて……。あれ?


 ま、まあいいか。王女君をエスコートしよう。


「えと、私はユーミだよ。女皇帝だよ」


「はい、存じてますユーミ女皇帝様。僕はリッタと言います!」


「(あ、名前も可愛いわ)よろしくリッタくん。あ、そちらの人は」


「おお、失礼。私はラング。ヒーラーをやっております」


「ヒーラー様ですか。もしものときはよろしくお願いします」


 まあインフォさんが気紛れを起こさない限り、もしもはないんだけど『もしもはありません』ないらしい。


「いえいえ、お気軽にお呼び下さい、陛下」


「あ、こっちも普通に呼んでください、ユーミでいいです」


「ではユーミ様、いつも奢っていただき有り難う御座います」


「冒険者は儲けたらパーッとやらないと経済が回りませんからね」


「宵越しの銭は持たないってやつかい。女皇帝なのにしっかり冒険者だな。おっと、俺はエシル。宜しくな」


「もう、失礼ですよエシル」


「うっす、よろしく」


「うっす、って、ぶふっ」


 ウケた。定番の低音ボイスである。奇襲で男言葉を使うと女の子に特にウケがいいんだよね。


「おっと、この部屋ね」


「し、失礼します!」


「女皇帝が王子様をエスコートの図」


「誰が王子……って、あれ?」


「……リンヤさん、なぜバラしました?」


 え、この子が王子様なの?! 王女様っぽいわけだよ! 王族だからこの髪のふわふわ感か。魔力も高いしいいシャンプーを使ってるんだろう。普通の冒険者なんかみんな、髪とかベットリだし。そこのエシルさんとか、固めてんのかってくらいベットリだしね。


 いや、この人はポマードかなんかで固めてるのか。冒険者っぽく見せてるんだな、これは。護衛の騎士様なのか。二人とも騎士なら納得の姿勢だわ。


「ふうん……納得した」


「す、すみません、一応お忍びというか秘密でして」


「うん、分かってるけど。そっちの二人が体幹ブレないしなんか騎士っぽいとは思ったけど」


「はあ、見破られてましたか……」


 そもそも王子様、髪がフワフワなので貴族なのは絶対バレるから。王女様感があって逆にバレない感じ?


 とりあえず席に着いた。ブルーさんとスルメさんはギルマスと真偽判定官だからすでにバレてるんだろうな。バラしてるのかも。


 リンヤの知り合いならこれからの計画のことは話しておきたいけど、王族かぁ。絶対協力してくれないだろうな。貴方の国を属国にしたいです、とか。この美人が泣くのも見たくないなぁ。まあ酷いことはする気もないし、しないけど。


 小角攻めを違法にして厳しく取り締まってくれたらそれだけでいいし……最悪男爵だけ、男爵に協力してる伯爵も潰しておければいいかな。それならこっそり上層部を誘拐監禁とかできるけど。クーラーボックスで。なんだそのクーラー怖い。


 まあ無敵だし壁のむこうから誘拐とかできるからね。位置さえ分かればだけど。話の展開はリンヤに任せるかな。


「じゃ、宰相、よろしくね」


「はーい。じゃあ王子様、外交窓口よろしく」


「えっ、あれ? リンヤさんが宰相です?」


「はーい、リンヤ宰相でーす。よろしくね?」


「あ、はい。では」


 ん、フワフワしてて可愛いなあとか思ってたけど、急にキリッとなったね。王子様の空気になったわ。


 やるぞこの子。さっきまでのふわふわ感とは桁が違うプレッシャーを感じる。いつものは冒険者モードなのかな? 失敗してお姫様になってるけど。


「えーと、どうしようかしらね。まずは西、開拓済みの龍鱗川沿岸西から東までの領有権を主張するわね」


「龍鱗川沿岸ですか? 一応は小角湿原までイストワールが領有を主張しているのですが」


 うわー、そこは譲らないのかぁ。多分北のノーゼリア王国も湿原の領有権主張してるんだろうなぁ。


 これは面倒くさそう。






 政治の話って需要あるか分かりませんが多いです。




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