王子様。
うーん、これでダンジョン巡りラストです。そう言えばカウントしてなかったけど今日でユーミ暦15日だよ。いやー、流石に獣ダンジョンと巨人ダンジョンは深いから二日ずつはかかったね。
今は巨人ダンジョンの中だよ。フロストジャイアントとかファイアジャイアントとかサンダージャイアントとかクラウドジャイアントとかアクアジャイアントとかいう、十メートルくらいの大きな巨人たちが攻めてくるよ。
そもそもダンジョンの中だと巨人が動き回るには狭いし動きも読みやすいし、脚を壊してやるとだいたい動かなくなるんだよね。大きいってことは脆いってことでもある。案外小さな力で折れちゃうね。自重が支えられてない感じ。……私の今の力が電柱をへし折れるレベルなんだけどね。
頭とか高いから直接狙えないけど即死させなくても動きが止まれば終わる。クラウドジャイアントとかアクアジャイアントとか不死身に見えてちょっと熱してやったら爆発したり蒸発したよ。私の雷魔法がかなり強くなってきたなぁ。
ただのデカい的だねって私が言ったらリンヤ先生は微妙な顔をしたよ。でも私も一応ここまで戦ってきて強くなっちゃったからね。
無駄に強くなったよ。クーラーのスキルで無敵だから要らないのにやたら強くなったよ。もう普通に貴族に喧嘩売れそう。
いいんだよ、いずれこの世界最大の魚を釣るんだから力は無くちゃ駄目なんだし。この世界最大の魚はバハムートって言うんだって。どんな魚だろうね? 楽しみだ。
百メートル超える魚とか釣れるのかな? 何万トンあるか分からないよ。ジンベイザメとか釣った人いたかな? でも楽しみだ。釣り上げたら雷のモリを撃ち込んで船に縛り付けて運搬するんだ。クーラーボックスに入らないし。分割したら入るけど、もったいなくない? まあ剥製にするつもりはないけど、骨とかは飾ったりしたいよね。
巨人ダンジョンの最下層20階。うーん、深かった。食べられるものはなかったよ。骨とか皮が手に入ったけど、巨人の皮とか着込みたくないよね……まあ私が着る必要ないけど。売り払います。
この暮空のスケイルメイルがかなりいいものでスキルなしでもかなり魔法を防いでくれるし拉げたりしないで衝撃を吸収してくれる。私はクーラーを使ってたんだけどリンヤさんにもこの鎧を作ってあげたら試してきたらしい。
討伐証明に魔石とそれらの素材を売ってたら自然にSランクになってた。やっぱり収納スキルは美味しいね。大量の素材を持ち込んだから値崩れ起こしたよ。
ギルドでまたパーティーしようと提案したらまたギルドが休みになった。さてさて、他所からアクセスなかったようだし、一旦帰って小角族と遊んだら今度は直接ラグラ男爵領にいってみよ。
ぶっちゃけ治安悪いし汚いらしいからいきたくはないね。
あ、そういえば自動収納設定してた山賊や人殺しの類いがけっこう入ってたのでいずれは家を買って、そこで動けない状態にして出してから隷属の首輪を着けてギルドに持ってこようと思う。今回はクーラーに入れっぱなし。なんか戦わずして勝つっていいよね。面倒がないよ。真偽判定官もいるから取り調べも楽々だし。家を買うお金はあるけどいい家を選びたいからまた今度。小角湿原に住むからどうせその家には住まないんだけど。
まあ頭のいい悪人が真偽判定官の追及をのらりくらり躱すのを見るのも楽しそうだよね。取り調べには顔を見せよう。
さあ、いつもの酒場だー。また貸し切りにしてもらったら無表情に見えた執事風のウェイターさんがめっちゃ笑顔で迎え入れてくれた。金払いいいからね。この5日で二回くらい来たし。
私が来る前の客も来た後の客もタダ飯とあって喜んで食って飲んでするから、少し払う額を増やそうかと思ったけど十分に儲けは出ているらしい。まあ十万グリンも出したら日本円だと三百万円くらいだし(物価がいろいろ違うから一概にいえないけど)、飲食店の一月の売り上げとしても多すぎるね。まあここは冒険者が入れる店にしては高級店みたいだけど。それでも4回来たら確かに十分だろうね。払いすぎてるように見えるけど、貸切ってけっこうお店の負担は増えそうだし、注文量も半端じゃなくなるし素材を改めて買いに行ったり、手が回らないだろう。他のお店に無理に人を回してもらったりしたら余分にお金もかかるはずだ。忙しい分ボーナスも出したりするんだろうし。この世界だと光熱費は意外と安いから人件費がネックになりやすいよね。
あ、灯りとか火は錬金術で作った道具で魔石を燃料にするタイプみたいだよ。灯りの魔道具とかコンロの魔道具とかあるね。燃料に使った魔石は飴みたいに溶けてなくなる。こういうとこ進んでるなぁ。冒険者は炭鉱仕事の役割もあるんだね。食料も燃料も取ってきてくれる冒険者はかなりいい働き手だね。
小角湿原にはダンジョンないのかな? 聞いたことないけど。
「小角湿原は小角族がいて魔力を浄化してるからダンジョンは産まれにくいつの」
「へぇー」
「まあ湿原は食料や素材は多いにゃあ」
あ、今日も真偽判定官のスルメさんとギルドマスターのブルーさんは来ているよ。この人たち仕事しないのかな。高給取りらしいけど。何故奢られに来るのか。
「払っても良いつの」
「いや、それは必要ないけど、夕方で仕事切り上げて大丈夫なの?」
「この時間は依頼帰りで休みたい奴等が多いし、だいたい大口の冒険者だから収納持ちがついてるにゃー。そういう冒険者は素材が痛まないし大量で処理に時間もかかるから帰ったらまず飲みに来たり休むし、ユーミがお大尽したら皆こっちに来るにゃー。タダ酒最高にゃー」
「まあいいんだけどさ。私って有名になってる?」
「なにいってんだっつの。もう一般市民でもリートじゃみんなしってるっつの」
「そこまで?!」
「まあこのお店を中心に地域経済にかなり貢献してるからねぇ。物価も上がるどころか下がってるらしいし」
「へぇー」
売れる所に物は集まるからかな? 幾らでも売れるとなれば大量輸送する収納持ちも来るから安くなるのか。……他の地域で物価が高くなってるならいいね。誰か絡んで来そう。
「一旦は高くなるけど素材が増えて高級装備が出回れば冒険者の質は上がるし、最終的には物も溢れて安くなるはずにゃー。イストワール王国中が救われるにゃー」
それならそれでいいけどね。小角族を襲うメリットも減るし。小角族の防衛ももう一度見ておかないと。
「おっと、トイレ行ってくる」
「へーい」
「男子トイレつの?」
「女子だわ!!」
全く失礼しちゃうわね! まあ今の格好ってデニムの上下着てるからほとんど男装だけど。あ、デニム素材はデータあったから上着は合成したよ。なんか長身でデニムの上下だと遠目に見たら男にしか見えないだろうね。スケイルメイルは収納してる。こう言う早着替えみたいなこともできるからクーラーボックスは便利だよ。
「おっと」
「きゃっ!」
ありゃ、考えごとしながらトイレを出たらぶつかっちゃった。ちなみにきゃっ、とかいったのは相手だよ。私はいわないね。みなまでいうな。
ん、相手はいつかの美ショタ君だ。ふわふわな金髪に碧眼で女の子のように可愛い。手を取って起き上がらせる。私は自分がたまに間違えられるから男女判定は間違ったことないけど、この子は普通の人には女の子に見えそうだなぁ。私と逆だね。あはは。
「大丈夫?」
「あ、王子様」
誰が王子やねん。
ユーミの戦闘力はあんまり意味がない(クーラーが無敵だから)なのでぱっぱと終わりました。釣りの話は書きたいんですけどね。




