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女皇帝の冒険。

 ストック尽きたので一日一更新でいきまーす。




 さあ、宴を始めよう!


 まずはでっかい蟹の脚を折ります。ぱきゃー。もりっと飛び出した蟹肉からもわっと湯気が上がる! うまっそー!!


 このカニは脚が華奢な女の子の腕くらい太いよ。横幅も普通のタラバガニの倍くらいはあるね。これは脚が六本だからヤドカリの仲間だね。異世界タラバガニだよ。小角深海蟹(こづのしんかいがに)というらしい。獲りに行きたいけど深海は面倒臭そう。なので買っていこう。お金はいっぱいあるしね。


「どうやったら目立つと思う?」


「既に目立ちまくりにゃけど、地元のギャング潰したり近郊の山賊潰したり英雄みたいなことをすれば嫌でも目立つにゃー」


「情報がもらえるなら潰してくるよ」


「……こいつはまだ隠し技があるにゃね」


 ニヤリと笑うギルマスブルーさん。なかなかに勘がいいね。話さないけどね。


 リンヤが絡むと目立たないから一人でいった方がいいらしい。まあどうせまとめて収納して檻に取り出すだけだけど。なんかスキルを封じる首輪とかないのかな。


「スキル封じの首輪は強い魔力を込めたその首輪を嵌めるとその魔力レベル以下のスキルは使えなくなるっていうのがあるよ」


「基準がよく分からないけど」


「まあ私が全力で込めたらデミゴッドもスキル使えないくらい? 盗賊とかならもっと簡単だろうしギルドにストックあると思うよ」


「あるにゃー。盗賊用なら特別に五十くらい売ってやってもいいにゃー」


「ギルドも商売だからね。幾ら?」


「一本一万でいいにゃよ」


「じゃあ明日にでももらいにいくねー」


 首輪をもらいにいくと言っただけだがブルーさんはふひひ、と笑った。顔は可愛いんだけどほとんどやくざ者だね。この世界にはポーションとか回復魔法が出回ってるから向う傷とかはないけど。ちなみに隷属の首輪は通しナンバーがメーカーで振られててゆく先は厳重に管理されている。違法コピーしたら真偽判定官に答えなくても死刑になる。国を滅ぼすまではする気はないしさっきも言ったようにギルドも儲けないとね。


 蟹に(かぶ)り付く。はむー。ハムスターになりそうな美味しさはむー。もぐもぐ。お、白ワインあるじゃん。あ、甘いし香りも好きだ。かにー、白ワインー、かにー、白ワインー。永遠に飲めるね。


「うまいにゃー」


「最高つの」


「うん、いいね、蟹。ユーミ蟹釣ろうよ」


「蟹は流石に網で獲るかな~」


 ザリガニ釣りとかあるけど深海の蟹は難しそう。上海蟹こと渡り蟹はじいちゃんが網の罠で獲ってたわ。実は上海蟹は日本にいっぱいいる。まあそれは獲るとして。


 収納スキルで一定気圧で空気を取り出して、発散したり水に溶けた空気を収納して二酸化炭素を分解して酸素を二割になるように取り出し続けたら多分深海も余裕だけど。あとは蟹を収納するだけ。でも歩いて深海まで行くのは面倒臭そう。


 海老もバリバリー。食べるのは私に任せろー。もぐー。うめぇー。肉厚なのにジューシー。凄く美味いもぐー。


 食べてたら下の階の冒険者が上がってきてお礼を言って去っていく。何人も来るね。私と懇意にしてると得すると思われたらしい。シメシメである。彼らはメシメシかも知れないが。まあ私がいる時なら飯くらい食わせてやろう。実はダイヤもたくさん残ってるし。


 明日は冒険かな~。ダンジョン突破してから街中散策してみようかな。


 それは置いといて海老もぐー。蟹はむー。白ワインごくー。肉もがつー。


 食べた食べた。


 そして翌日、ユーミ暦10日が来た。


 泊まりましたよお高い宿屋。布団はふかふかだったけど羽毛っぽかったよ。ダンジョンで採れるのかな? まあリンヤの案内で潜ってみるよ。魔法とか槍を鍛えていきまーす。最初は初心者ダンジョンだってさ。この辺りに四つもダンジョンあるんだね。他は獣ダンジョンとか異形ダンジョンとか巨人ダンジョンだってさ。全部制覇するけどね。


「とりま体を守るスキルは入れるとして、回避とか感知は鍛えて、普通に戦っても奴はつえーぜ、になりましょう!」


「はい、りんやせんせー!」


 これも釣り理論だよね。無敵だから冒険しちゃ駄目とかつまんないよね。楽しまないと。


「はい、ゴブ来ましたー」


「緑で小さいから河童かと思ったよー」


「河童は湿原で出るんじゃない?」


「出るの?!」


「それよりほら、ユーミ、感知できてないよー」


「おっと、感知感知」


 感知とか訓練なのに忘れてるし。スキル頼みじゃ駄目だよね。インフォさんはいいんだけど。『女皇帝のユーミさん、頑張ってください!』運動会のアナウンスか!


「来たよー、まずは接近戦だね」


 おっと、ゴブリン来ました。初魔物かも。魔物らしい魔物はだけどね。


「うおりゃー」


「死ねゴブギャー!!」


 インフォさん、ゴブ語翻訳いらないよ。『山盛り入れろってことですね』誘いちゃうから! とりあえず槍で突いてみた。


「真っ直ぐ突くより下から斬り飛ばすようにしたら次にすぐ動けるよー」


「ああ、抜けなくなると困るやね」


 ゴブリン退治でも学ぶことはあるなぁ。でもやっぱりちっとも心痛まないや。暴れる魚の胸ビレに包丁を突き込む方が心が痛むね。


 おっと、ゴブリンが消えて魔石になったよ。


「ダンジョンではこのように魔物はドロップアイテムを残してダンジョンに食われます。人間もタグとかダンジョン吸収防止スキルとかをかけておかないとなくなるよ」


「怖いねそれ。回復とかできる?」


「死んでも死体を引き上げることはできるねー。放置して十時間とかになると消えるから動かさないと駄目なんだよね」


「蘇生とかあるの?」


「伝説のスキルだから今は持ってる人居ても二人かな~。国とかに隠されるから分からないけど」


 そう言えばこの星には宗教施設は祠くらいしかないらしい。神様が実在してる上に教会とか作るなと神に言われてるそうだ。


 まあ実在する神様にしてみたら祈られまくったらうるさそうだよね。


「次のゴブ行きまーす」


「餌だゴブグワワーッ!!」


 槍でさくーっと斬り上げます。脂で刃が鈍ったら槍は鈍器にするといいらしい。まあこの槍は自動で汚れを落とすようにできるけどね。クーラーボックスで無敵の槍にしてますよ。


 確か【設定】槍の汚れ収納。ダメージの収納、反転して取り出し。だったかな。なので壊れないし汚れないし圧縮してるから重さもバッチリ、木でできてるのによく斬れるよ。作用反作用をまとめて相手に叩きつけてるようなものだからね。鉄骨を叩き折れるらしい私の腕力で叩きつけたらゴブリンが可哀想な結果にしかならないよね。


「この槍だとエルフを殴っても死ぬ!」


「こっち向けないでね!」


「ダンジョン叩き壊す!」


「埋まるから!」


「食らえゴブギャーーー!?」


「じゃまー」


 うーん、なんか神様の槍を振り回してる気分だよ。見た目は木の槍。周りに初心者冒険者がポツポツいるけど目を丸くしてるね。一振りでゴブ砕け散ってるよ。


 流石に初心者ダンジョンだと敵が可哀想かな~。


「はい、じゃあ雷魔法鍛えようか~」


「あいよー」


 魔法はまだ静電気です。ごめんなさい調子こきました。






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