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女皇帝デビュー。

 おはようございます。

 ユーミです。女皇帝始めました。夏になったしね。


「それはかき氷」


「そういえばあるんだねかき氷。誰が始めたんだろう……」


「御使い様でしょ?」


「だよね」


 冷やし中華じゃなくて良かった。私以外の御使い様がいろいろやってるので私は知識チートしなくても大丈夫です。お金も幾らでも稼げるからね。あ、宝石は炭素が余ってるのでダイヤを幾つか作ったよ。お金には困る予定がないね。


「たのもー」


「はい、いらっしゃいませー。にゃー」


 取って付けたような猫語! 素敵! たぶん他の御使い様がやらせてるのね! ちょっと御使い様見つけて殴ってこないと!


 どうせ御使い様が猫獣人は猫語とか決めたんだろうなあ、と、いうわけで見事に顔まで体毛に覆われた完全猫獣人の女の子が受付ですが語尾はにゃーのようです。


「あ、リンヤ様、にゃー。お帰りなさいませ。にゃー」


「私にはにゃーはいいわよにゃー」


「移ってるにゃー」


 私も移ったにゃー。さて、お約束の冒険者登録である。


 説明しよう!


 冒険者ギルドは冒険者たちが登録してそれを組合で管理する組織である。冒険者が悪さをすると賞金首になるから気を付けろ。まあ賞金ランキングで海賊王目指してもいいけど虚しいからいいや。


 冒険者ランクはレジェンド(L)からS、Aと続き、一番下はFらしい。登録には100グリン必要なんだって。だいたい三千円くらいっぽい。物価が滅茶苦茶だから分からないけど。あんパンくらいのパンが10グリンとかするし魚が一匹メーター級ので3グリンとかあるし。港町だからかな?


 んで、冒険者は自己責任なのでランク幾つの仕事を請け負ってもいいけど助けを求めても助けてもらえないことを頭に置いて行動してにゃーと言われたにゃー。まあ楽かもね。それと依頼を受けても向こうが断ってくることもあるから護衛とかは面接が必要らしいにゃー。依頼主に嫌われるとその依頼主の依頼が採集等でも受けられなくなるので荒いのが普通の冒険者だけど依頼人も来る冒険者ギルドの中には荒くれは少ないらしいにゃー。


 ぶっちゃけ人が足りないにゃーのでどんどんランクアップさせているらしいにゃー。試験はないけど依頼は一つ上のを、FならEを3つこなさないと駄目らしい。


 にゃーは飽きました。ちなみにDランク依頼なら1つでEになれるんだそうで。金なら一枚銀なら五枚ルールみたいな感じかな。ギルドカードと冒険者タグは持ち歩く、死んだ冒険者のタグは回収するとその冒険者のお金が1割もらえるけど真偽判定官にかからないと駄目らしい。殺しは無理だってことね。まあ殺しても言わなければ大丈夫らしいけど。気に食わないからと殺してる冒険者は多いけど現行犯やタグを持ってきてお金を盗ろうとしたら死刑だってさ。バレてから逃げたら賞金首だね。ちなみにタグを拾った相手の冒険者の肉親も死んでるか、いないと半分はギルドにいって半分はもらえるらしい。ギルドとしては遺族の捜査費用もかかるからこのバランスなのは仕方ないんだってさ。実力のある(お金持ちの)冒険者は親戚(自称)が多いんだけどね……嫌な世の中よね。


 お金を貯めたいなら賞金首を狩るのが私には楽そう。賞金首や殺人犯を収納するように【設定】しておこう。町を歩くだけで大儲け! とはならないだろうけど。スラムはたくさんあるらしいから歩いてこよう。ただの荒くれ者も退治退治。貧乏で追い詰められただけの人も多いのがなぁ。まあ犯罪者は犯罪者だけどね。


「あとは薬草採取とかの講習もあるにゃー。魔物退治は自己責任でどうぞにゃー。狩った魔物の素材が依頼にあればお金と昇格ポイントを貰えるにゃー。買い取りもあるけどそれだけだと安めにゃー。商人に直接売ったら高いけど騙されたり、そうじゃなくても相場よりは安く叩かれるにゃー。ギルドなら昇格ポイントが貰えるからお得です。はぁ」


 にゃーに疲れたらしい。可哀想に。おのれ御使い様! 御使い様を狩ろう! 駄目らしい。


「賞金首の御使いもいるけどね。にゃー」


 思い出したように言わないで欲しい。もっと本気出して!


「じゃあこれは登録用紙にゃー。真偽判定官さんお願いします。にゃー」


「はいにゃー」


 なんか後ろから八才女児ならぬ小角族女性が現れた。猫語で。


「貴女は小角族ですにゃー」


「そうでしたつの」


「うちの小角族と違う!」


 町の小角族は小角語を喋るの? 猫語しゃべってたけどいいの?


「私はシティー小角族ですつの。野良小角族とは違うんですっつの」


 そうなの?と言う目でリンヤを見ると遠い目をして頷いた。元の世界のチベットに生息する狐のような目だよ。おのれ御使い様!


「リートでは小角族狩りはないのかな」


「ありませんっつの。もちろん保護はされてますつの。真偽判定官のスルメですっつの。よろしくつの」


「よろしくお願いしますにゃー」


「貴女は人族ですにゃー」


「そうでしたにんにん」


「そんな語尾はないにゃー。あ、私は受付のシニアンですにゃー」


 関係ないけどお姉さんはアビさんらしい。うちにもカツオノさんとエボシさんがいるけどたぶんインフォメーションさんの酷い翻訳シリーズだと思う。アビ、シニアン! カツオノ、エボシ!


 まあそれはいいか。お金になりそうな素材を売っていくよー。


「じゃあ登録と同時に龍鱗暮空魚の鱗を50枚ほど」


「龍鱗暮空魚っ!?」


「50枚?!」


「そうつのにゃーにんにん」


「混ざってるわよ」


 リンヤに突っ込まれたよ。この鱗はどうやらかなりの大金になるらしい。まあお金いらないけどもらっておこう。野菜とか買っていこうかな。


 それで龍鱗暮空魚はレジェンドクラスの魔物魚らしい。丸ごと持ってきてたら例の金なら一枚システムでA確定だったらしい。鱗だけだけど真偽判定官さんが居るからB決定だって。よし、絡んでこい!


 誰も絡んできませんでした。なんか頬を染めてるショタ少年はいるけど。イケメンイケメン騒いでる女子がいるけど。女だと分かって逆に燃えるとか危険な声が聞こえるけど。厳つい兄さんが縮こまってるのは何でじゃ? あんなイケメンに生まれたかった、とか喧嘩売ってるよね?


 まあ真偽判定官さんがいるので「それは俺が落としたんだなー」とか言ったら賞金首に即落ちだよね。お金をそのまま持っていくことにした。派手にやらないとユーミ・カワハラ・フィッシャーガール様の名前が拡がらないからね。あ、もちろん登録はユーミ・カワハラ・フィッシャーガール、職業は釣り人兼ユーミ帝国女皇帝にしておいたよ。出身もユーミ帝国。無人島を領有しています。そういうことにしている。真偽判定は当然白だよ。潔白だよ。


 領有してる人が他にいるかは知らんがな。どうせ領地の境界なんか世界の何処に行ったって戦争のネタだし。「平和的に最終的に解決」って言葉さえ当てにならないのが外交なんだよね。同盟結びました、その日に後ろから攻撃します。これが普通だし。三枚舌外交なんて謎の言葉があるくらいだよ。


 まあそれは置いとこう。シニアンさんには冒険者の多い酒場を聞いておいた。テンプレートな展開が真偽判定官さんのせいで起こらないんだもん。普段はいないらしいのに。ちぇー。


 なので、お金をばら撒いて名声を稼ぐとこから始める。酒場に行ったら女皇帝の奢りじゃー。飲め飲めー、を、やるつもり。ついでにお金になりそうな魚を全部売ったらランクもAになったよ。


 スキルも収納とテレポートと伝えているのでAランク余裕でした。商人の護送とかで大金を貰える組み合わせでギルドとしても嬉しいらしい。まあ荷物全部詰めてびゅーんって跳ぶだけで安心大量輸送できるんだから当然っちゃ当然だね。


 儲かったのでばらまいてこよう。その前に、と。


「今から奢るよー。酒場についておいでー」


「女皇帝様の奢りつのー! みんな仕事やめていくつのー!」


「仕事はしてね!」


 ああ、そうだった。小角族ってドワーフ並のお酒呑みだったわ。都会派(シティー)小角族もそうらしい。


「まあギルドも客がいなかったらやることないんでしょ。連れていきましょ」


「そうしようか」


 そういえば名声を拡げるのが予定だった。宰相仕事してるね。


 ちなみにリンヤ宰相は銀色の髪に青い目のハイエルフさん。エルフより高性能なので期待は大きいね。


「高性能? かもね」


「じゃあギルド員も全員奢るよー。仕事はギルマスにさせておきなさーい」


「酷い、にゃー」


 あ、なんかギルマスいたらしい。ギルドマスターは身長は低いけど痩せマッチョな、赤い髪の猫っぽい耳の人間顔の女の子だった。ケモ度は1だね。受付のシニアンさんは2から3だ。よく知らないけど0が人間で5が獣が喋るだけらしいよ。エリが言ってた。






 今日も読んでくれて有り難う。夜もあげますね。

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