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冒険者ギルド。

 ユーミ暦九日。皆さんおはようございます、ユーミ帝国初代最終女皇帝、ユーミ・カワハラ・フィッシャーガールでございますわ。おほほほほ。女皇帝って除光液っぽいよね。除光帝です。どうでもいいね。


 ユーミ帝国では住民を募集しておりません。現在変なエルフが宰相を務めております。


「変なエルフて」


「釣り人はエルフ大好きだよ。お安いし頑丈だから」


「なんの話よ!」


 まあ釣り人ネタは置いといて、今日は山の素材を使ってクーラー移動型拠点を作ります。


 まずは取り出しました岩を半径10メートルくらいの半球型に固めて、密度は核に耐えれる程度にして、そもそもクーラーで幾つか設定して無敵の移動要塞にします。作ってみるとめちゃくちゃ広いな。


 入り口はなくていいかな。二酸化炭素をクーラーで分解して、トイレとかも浄化してもらおう。


 じゃあ【セット:秘密基地】を作ろう。【設定】臭いや汚物は収納して分解、攻撃的エネルギーは物理も魔法も収納、外側で敵対的に使われたスキルは分解、二酸化炭素は分解して炭素は素材で収納、熱を一定に保つように外気を収納、取り出し。内側に熱が伝わらないように岩の中は真空にして中は宙に浮くようにエネルギーを収納。外から動かそうとする力は全て収納。


 これで行けるかな? リンヤに攻撃してもらったら悉く魔法は通じないことが分かった。


「個人スキルって一人で最高幾つくらいあるの?」


「五つくらいある人もいるわよ」


「多いね。私もクーラーがバレないように三つくらい用意しようかな」


「収納と回避テレポートでいいんじゃない? 攻撃は回避自動テレポート設定しておいて」


「それでもう無敵すぎだけどね」


「どちらにしても無敵だし」


 ちなみにリンヤ宰相にはクーラーのスキルは教えてある。朝はアジさんに槍を教わってリンヤに雷魔法を教わってるよ。万能型じゃなくて予定通り槍と雷で戦うスタイルでお願いしてる。


「まあテレポートは余程のことがないと発動させないことにしよう。収納持ちだけなら普通だし。攻撃型スキルはヤバいから全部かわせないと駄目だけど」


「最悪分解しないとだけどね」


 つまり普段は雷と槍で戦う収納持ちの冒険者でいくわけだね。いざとなったら全力だすけど。雷には感知魔法もあるらしい。不意打ちに対応してついテレポートスキルを使っちまったぜ、とやるんだね。


「中々に格好いいしクーラーが収納スキルなのは間違いないから真偽判定官も分からないと思う」


「真偽判定官?」


 なんか【嘘尽(うそつき)】と言うスキルがあって嘘はバレるらしい。そのスキルも一万人に一人くらい持ってるんだって。スキルの名前がエリが考えてそうな名前なんだよね……。収納とかは普通の名前なんだけど、月に狩でガッカリとか血に解でケッカイとか当て字的なのが多い。インフォさんの謎翻訳の可能性もあるけど。ちなみにアジさんのスキルは水場で重力を部分的に反転できる【海天(かいてん)】というスキルらしい。海の水を空に浮かしたりできるんだって。水魔法と相性がいいらしい。スキルは魔力使わないからね。そう考えると血解とか凄いチート。


「あえて言わせてもらおう、あんたが言うなと」


「だね!」


 無敵だもんなあ。まあ嘘が分かったりはしないんだけどね。記憶や記録から情報を抜き取るのは駄目らしい。まあ本とか書類とか存在を推測できれば半径25メートル以内なら自在に盗めるから同じことなんだけどね。誘拐も拷問も思いのままだし。このスキルって実質不可能はないんだよ。プログラム次第だけど。


「まあのんびりスローライフするためのチートといえばそうなのかもしれないわね」


「だね~」


 さっきから私、不思議な植物モンスターみたいにダネダネ言ってるな。まあいいけど。


「じゃあ拠点も用意したし、イストワールに行こうか」


「だね」


「だねだけで通す気だね?」


「だーねー!」


 面倒臭くなったんだね。まあ馬鹿なことやってないでギルド行こう。今回はホタテさんはお留守番することになった。まずは私が様子見でいく。皇帝でいくから小角族との関わりは匂わせたくないからね。


「今回は海からリート子爵領に行くよー」


「船があるの? まあ船がないと龍鱗川を越えられないか」


「スキル使うのだよ。腕をずばあー」


「ぎゃああああっ!? いきなり腕を斬らないで!!」


 リンヤは持っていた短めの剣で腕をすっぱり裂いた。すぐに水魔法で治したけど。ポーションメイクという水の回復魔法らしい。回復力はそこそこだけど瓶に詰めたら売れるので覚えたら食いっぱぐれがないそうだ。ハイエルフの秘伝らしいけど。


 私はそもそもポーション作れるからね、自在に。ブリ婆ちゃんがエリクサーの素材を教えてくれたので収納してきてあげたら作ってくれたので成分解析して自分で幾らでも作れるようになった。なので山の素材でポーションからエリクサーまでいろいろ蓄えてるよ。いやね、このチートに不可能の文字はないからね? ほかにはドロタさんにスケイルメイルを作ってもらって暮空魚の鱗で変換して暮空のスケイルメイルとか作ったよ。小手とか脚絆が派手派手になった。


「流石にそこまでチートだと人質取るしかないかぁ。だから小角族はペットで絶滅してもいいスタンスで行くわけね」


「そうだよ。小角族のことなんてなんとも思ってないんだからね!」


「ツンデレって真偽判定官にはバレるけどね」


「気を付けるわ。それでその大量の血はどうするの?」


 撒き散らした血をリンヤはスキルで固めて丸いお椀のような船にした。うーん、痛そうだからほかの方法にしてほしいね。魚の血を使うとか。


「あー、その手があった」


「次からは言ってね。竿を貸すから」


「魚をダイレクトにくれない辺りが好きだわ」


 釣りをするチャンスを逃すはずはないじゃないですか。まあ船になるほどの血を魚から得るのは大変そうだけどね。あ、血解だと血抜きとか簡単らしい。いいね。クーラーもだよ。


 さて、血の船と言う些か気味の悪い、しかもリンヤの血という気持ち悪い船で移動します。


「気持ち悪いは酷くね?」


「いきなり腕を裂く人は酷くないの?」


「だね」


「移ったね!」


 二人でダネダネ言いつつ船釣りしながらリート子爵領へ向かう。小船だけど幾つか船が出てるね。群れをなすように運航しないとシーサーペントとかクラーケンに襲われるらしいよ。クラーケンてこの世界だと烏賊らしい。いつか釣りたいね。


 途中、岩喰いと言う巨大なメバルっぽい魚(60センチほど)とか(しん)の鯛ならぬ()の鯛と書いて、魔鯛(1メートル40センチの大物)という魚が釣れたよ。またメーター超えだった。嬉しいけどね?


「もうすぐ着くよー」


「お刺身にしたよー」


「うしろでなにやってんの?!」


 いや、クーラーで一発調理したよ。流石に血の球体の船に座るとか嫌なので立ったまま解体した。


 そうこうしてるうちにリート子爵領に着いたよ。典型的な日本人の考えるヨーロッパって感じで、石畳に石造りの家がたくさん並んでる。どうも建築関係も魔法でやってるっぽいね。リート子爵領は豊かな方らしく、下水とかも整ってて比較的綺麗らしい。少し外れると街中に山賊みたいな汚れた人たちがうろついていたりリアル山賊がいたりするそうだ。拐われるから気を付けろと言われたけど私がどうやったら拐われるのかね。って言ったらそりゃそうだと笑われた。


 冒険者ギルドは海の近くにあるみたいだね。ダンジョンもあるそうだからちょっと覗いていこうかな。釣りもできるらしいし。やがて着いたギルドはやっぱり石造りだ。大きな酒場みたいだね。扉は普通の両開きの木の扉だ。窓も木の枠だね。ガラスも普通にあるみたいだ。近代的かも。


「はーい、ここがリート冒険者ギルドでーす」


「たのもー」


「喧嘩を売ったら駄目だよー」


 まあユーミ女皇帝の鮮烈なるデビューのために騒動を起こす相談はリンヤとしてるんだけどね。マッチポンプこそギルドの花!






 いつも読んでくれて有り難う御座います!






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