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釣りエルフ。

 エルフは優秀!

 さてさて、港予定地に来ました。今はただの入り江だけど。なにを釣ろうかな。やはり入り江の磯だから……烏賊とかも釣れそう。


 鯛とか根魚も良いけど回遊魚も釣れるよね。比較的浅いから港の方は埋め立てして沖に土地を広げないと駄目だなあ。入り江の外を港にしてここは首都までの海道も作らないと駄目かな。スキルが本当に便利だなぁ。地図を書くように都市を作れるって凄くない?


 さて、今回の釣りはアジングで行かせてもらおうかな。ロッドはルアーフィッシング専用7フィート(210センチと少し)スピニングロッド、仕掛けはこれ!


「小魚?」


「これをつけるの? これだけ?」


 ラインは1・5号ナイロン、リールは同ラインの150メートル巻き。ルアーはアジング用超軽量メタルジグ5グラム!


 見た目はシラス、釣果は抜群の便利なウェポンだよ!


 根魚からアジまで魚を食べる魚なら何でも食らい付いてくる。針は一本丸針がお尻についてるだけ。メタルなボディは細い小さな棒でカラーリングは鰯の青からピンクまでさまざま。


 ちなみに魚は赤色を認識できないのでピンクは黒っぽく見えるらしい。


 針も口に一本毛針が付いてるのや三股針が付いてるのもあるよ。餌釣りより必要な動きが多いからゲーム性の高い釣りなので選んでみた。


 今回はなにが釣れるか分からないのでラインは太めだよ。アジ狙いなら半分の0・8号を使うと良い。


 リールの使い方をリンヤに教えて何度かルアーを投げてただ巻きして見せる。ただ巻くだけだけど、ルアーというのはそれで綺麗に泳ぐように設計されている。下手なテクニックを使うならただ巻きで巻くスピードだけ変えてみた方が釣れたりする。


 初心者でも分かりやすくて魚も綺麗で楽しい釣りなんだよね。お、一匹早速来た!


「おお、おっきいの来たね!」


「おー、尺アジだあ。本当にスレてないなこの海!」


「釣りって奥がふけえなー。おっと、タモ持つぜ」


 タモを持つときに偏光グラスを掛けるルールが浸透し始めている。このまま抜けるけど掬ってもらおう。釣りはコミュニケーションだね。


 抜くと言うのは魚を竿だけで引っ張りあげて水から抜いて釣り上げることだよ。手返し良く釣るのがアジングの楽しさでもある。手返しというのは投げて揚げて投げてを繰り返すことだね。速くできるのを手返しがいいって言うんだよ。要するにテンポがいいってこと!


「うお、釣り上げたばっかりでもう投げるのか!」


「速くやらないと私が全部釣り上げちゃうよ~?」


「わ、私もやるぞ!」


「おお、オレもお! クーラー出しといて!」


 釣りニートが慣れすぎな件。クーラーをそのまま開いてまるでクーラーのように使います。クーラーだがね。


 しばらくするとクーラーにポンポン青いアジみたいな魚が釣り揚がっていく。名前は磯黒小鯵だって。前世の地球にはいない魚ばっかりだよ、当たり前だけど。日本で釣れる普通の鯵に似てるけど。


 異世界でルアーが通じるのかと思うかもしれないけど基本的に魚は小魚とか海老とかを食べてるからね。その小魚の動きを綺麗に模した日本産のルアーなら異世界の魚も騙せるというわけだね。


 魔力を込めてやった方が美味しそうに見えるのか、込めたら殺気を覚られるのかどっちだろ? やってみると込めすぎは駄目だけど少し込めた方が挑発にもなるみたいだね。やり過ぎるとスレそう。


「よっしゃー、また来たぜ!」


「こっちも!」


「はいはいどんどん行こう~!」


 バシャバシャとアジやサワラっぽい魚もあがる。色々釣れてくる磯だなぁ。根魚も試してみるかな。


 お、前に釣ったカサゴモドキだ。確か暗磯(くらいそ)大口魚。なんでも釣れるの凄いな。やっぱり全然スレてないし、この世界の魚は魔物だから攻撃的なのかもしれない。


「よーし、五匹目だよ!」


「うげえ、リンヤに負けてる! 初心者に負けられない!」


「頑張れニートくん!」


「ニートくん言うな! おし、食った!」


 忙しくなってきたので私がタモさんで二人の魚をかわりばんこに引き揚げる。なんか大きな群れが回ってきてるな。潮がいいみたいだ。


「お、おっきい! ひゃっほう!」


 リンヤがめちゃくちゃハマってる。60センチ近いセイゴっぽい魚を釣った。大きいからなかなか寄らないようだ。ドラグを少し弛めてやる。


「おお、おお!」


 キリキリ鳴るドラグが緊張感を煽ってくれるんだよね。楽しい!


 しばらく格闘して釣り上げたリンヤ。名前は小角浜青鱸(こづのはまあおすずき)(セイゴサイズ)と出た。いいねー。


「おおお、よっしゃーっ!」


「分かる分かる、大物嬉しいよな!」


「おめでとう~!」


 ビギナーズラックだね。手返し良く投げて小魚の群れの位置とかを外しても構わずに投げていたのが逆に「襲われて群れから逃げ出す小魚」を演出して大型フィッシュイーターを呼んだんだ。


 カツオノさんは少し慣れてきたから「小魚のいる所に魚はいるはず」と狙って行ったけど、それで小魚が散るとそちらを大型魚が追いかけて散ってしまう。


 むしろナブラ(小魚の群れ)の脇を通すようにした方が釣れてくる。ついついナブラを狙っちゃうんだけどね。


「かあー、奥ふけえよ!」


「いえーい、ビギナーズラックビギナーズラック!」


「釣りは楽しんだ者が偉い! いえーい!」


「へいっ!」


「おおお、オレももういっちょー!」


 リンヤとハイタッチ。仲間が釣れても嬉しいのが釣りだ。カツオノさんはもう釣りの魔力に取り付かれたね。リンヤもハマったな、これは。シメシメ。


 釣り仲間増えて嬉しいです! 私ももっと釣りたいな~!


 一人だけタックル(装備)チェンジ(変更)。9フィート(2・7メートルと少し)のジギング用スピニングロッド、ルアーも大型狙いの普通サイズのメタルジグ。ショア(おかっぱり)ジギングだ。


 お、大物を釣られて悔しかったんじゃないんだからねっ! わ、私も釣りたいとか大物を狙おうとか思ってないんだからねっ! 嘘でーす。悔しいでーす。


「あ、ずっちー!」


「セコいぞプロのくせに!」


「ふはは、どんな手を使おうが、最終的に、勝てばよかろうなのだー!」


 プロじゃないですぅー。まあ小角族に魚を提供して物々交換してるからほとんどプロみたいなものだけど。


 でも三人ですっかり場を荒らしたので魚がスレてそう。場所を移動して沖合い深めを狙って少し棚を落として釣るよ。ああ、ズルいのは自覚しているともさ!


 魚には生息している棚(魚の生息している水深が棚のように分かれている)がある。その時の気象条件や気温なんかでも棚は変わるんだけど、今回はナブラから逃げてきた魚を待ち構えている大型が深場にいると推測して少し深めを探るよ!


 ……えーと、結果はボウズ(釣果無し)でした。くやちぃー!! 二人は喜んでたからいいか。






 読んでくれて有り難う御座います!


 好きなキャラいたら教えてね!

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