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防衛エルフ。

 正直、ユーミが楽しくなくなったら世界は終わりますね。




 なんか気が合うのでリンヤさんと遊ぶことにした。まあ砦を作ったりでアドバイスももらえるしね。


 実はホタテさんと同じくらいおばあちゃ……あだだだだ! こめかみを拳でグリグリされる。


「エルフグリグリ」


「一部地域では梅干しといいますいだだだ」


「梅干し美味しいよね」


「あるの?!」


 あるらしい。梅があるなら梅酒漬けないとね。氷砂糖も合成できるね。桃とかもブドウもあるし、なんか人間もいるんだから当然かもしれないけど植生が似てる。


 さて、本日はエルフのリンヤさんと砦を造ってから釣りに行きます。ユーミ暦八日、皆様おはようございます。ユーミ帝国初代最終女皇帝、ユーミ・カワハラ・フィッシャーガールです。我を崇めよー。いや、崇めないで下さい。崇めたら泣きます。


「いい声で泣くと小角の少年たちが喜んだり」


「発想がエロフ!」


「砦とか畑の区画をみっちり作ろうか」


「スルーした。うーんと、とにかく土地だけはあるよねえ」


「川まで百キロカイバシラまで百キロ、磯があるから港も欲しいね」


「百キロ四方が目標かあ。どれくらい広いのか見当が付かないなぁ」


「五キロで地平線だから二十倍?」


「星の大きさが前世の地球とあまり変わらないのかな。少し大きいと聞いたような。まあいいか、それじゃまずは第二防衛ラインとして首都を作ろう。一キロ四方だと小さいけど」


「何枚か壁で括っていけば? 水害対策の水路も張り巡らすわけだし」


「そうする。防衛には向きそうな土地だね」


「海から攻めるのは容易だけど、そこは港や軍港を作るしかないかな」


 ユーミ水軍も編成しないと駄目かな。釣りしかしなさそうだけど。海軍大将は漁師さんで。ちょうどブリ婆ちゃん家のハマチさん一家が漁師らしい。広場で計画を練っているとカツオノさんがやって来て聞いていた。


「オレは陸軍ニート隊隊長で」


「ニートが湧いた」


「まだニートなのかこのニート」


「今は釣りニートさ!」


「マジかよ、釣りニートくんなの?」


 リンヤさんとカツオノさんは年が近いのか。やはりおばあちゃ……あだだだだ!


「女性に年齢のことをいうのはこの世界では禁止だぞ」


「どこの世界でもそうですね」


「小角族は年寄り自慢もするぞ」


「ブリ婆ちゃんが一番だっけ」


 八百才とかもう歴史と言ってもいいよね。小角族は死ぬ前まで若いから年寄り自慢もするらしい。


 さて、どうやら今日はカツオノさんを入れて陸上防衛の拠点作りだね。堀と壁を作って門と跳ね橋を用意しよう。水が多い土地だから水攻め対策も必要だけどそれは堀をたくさん掘って下流に流せばいいかな。実際にスキルで造っていく。


 幾つも堀があれば埋めたり塞いだりされる前に迎撃できるしね。そのために壁はバリスタとか弓やボウガンを射やすい構造にしていこう。なんだっけ、砦の上に凸凹を作って隙間から矢を放てるようにしてるのね。


 あとは扉は燃えづらいコーティングして木の格子扉を上から落とす形にしよう。支えを引き抜いたら落ちるようにしたらいいのかな? ウィンチ使うのかな?


 こういうの名前とか知らないや。のこぎり型の矢狭間とか落とし格子とか言われてもよく分からないからリンヤさんに聞きながら作っていく。素材は山のようにあるってか山がある。


「城壁塔を作って監視体制を整えよう。後はわざと侵入させて矢を打ち掛けたり火を放ったりできる場所を確保しておこう」


「こういうの作っておけるのは最初に作る人の特権だね」


「普通はこんなに高速で建たねえと思うけど?」


「ユーミのスキルは築城に向くよね」


「スローライフを守るためのスキルなんだよ、たぶん」


「ニート御用達だな」


「ニート言うな!」


「釣りニートユーミ帝国だよ!」


「威張るな!」


「私も釣りしてみたいから早く城砦作ろう」


「ついでに造れてしまう城砦って……」


「スローライフのために城を造るなんてニートの鏡でしょうが!」


「威張ることか!」


「むしろ誇らしくない? 我らが要塞引きこもりニート女帝様、ばんじゃーい」


「待って、なんかそれは悲しい!」


 でもニートのあまり要塞を作ってしまうとか気合い入りすぎじゃない? 働きすぎるニートとか怖くない?


 この要塞は水攻めに逆に向きそうだなあ。敵を誘い込んで溺れさせる場所を作っておこうかな。一段低くして水を水路から落とし込めるように作ったら水抜きしておこう。ここも地下トンネル作って水を海まで流すようにしておけば臨時の逃げ道も作れるよね。楽しいね、これ。


「皇帝の一族しか知らない抜け道を知ってしまった……」


「工事が終わったら口封じのために殺しておこう。カツオノさんを」


「オレかよ! リンヤも殺せよ!」


「リンヤさんは宰相だからいいんだよ。カツオノさんはペットだから口封じ」


「酷くね?!」


 まあいざとなれば幾らでも穴を掘って逃げられるのでどうでもいいんだけどね。つか一人なら無敵だし。


 地下通路を迷宮にする計画を立てて遊び半分に壁を完成させた。スキルが凄すぎる。壁が一枚岩だからね。こんな隙間のない城壁どこの世界にもないよ。水攻めも効きまくりそうだね。排水路が必要になったけど。実戦の時は排水路に逃げ込めない作りにしないとね。格子で塞げばいいかな?うーん、格子の下に水を溜めるときのための重い扉を用意しないとね。一人がギリギリ通れるくらいの作りにすればいいかな?


 いざとなれば格子を壊して逃げられるかもしれないしそちらは外から土で埋められるようにしておこうか。排水のときは掘ればいいかな。


 これだけ立派に罠とか作っちゃうと最終皇帝にするのが惜しい気がしてきたなあ。


「小角族が住み着くんじゃない?」


「古代の帝国跡の要塞に棲む小鬼の一族って雰囲気ありすぎじゃない?」


「なんかかっけえな」


「エルフが語り継ぐんだね、あの要塞は恐ろしい所じゃ……」


「老婆感あるね」


「まだ若いですぅ。エルフだと若いですぅ」


 それ人間だと老婆って認めてるから。まあリンヤはめちゃお肌ピチピチだけどね。


「さて、一応仕上がったしおいおい足していくってことで、釣りに行こう」


「いよいよ釣りニートの実力を見せるときが!」


「このあと、釣りニートは釣りエルフにボコボコに敗れるのであった」


「ちゃんちゃん」


「まだだ、まだ終わってねえ!」


「始まってすらいないけど?」


「じゃあ釣りに行こうか。港予定地の磯に行こう。ついでに防波堤作ってもいい」


「建築関係が無敵すぎる」


「いいスキルだよなぁ、羨ましい」


 万能過ぎてちょっと困るけどね。さてさて、港予定で防波堤を造るとなると消波ブロックとか用意しないと駄目なのかな。山一つ分石材があるけど足りるかな?


 また山を切りに行かないとね。うーん、楽しい。






 いつも読んでくれて有り難いのですが、評価、ブックマークがないとこんなつまらない作品はいきていけないんです。お願いします!



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