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チート穴掘り。

 毎日三話くらい更新してます。今日はたぶん最後です。


 今回はこの世界の金属の話。




 いわゆる露天掘りだ。本当はこういう採掘は命がけなのだが、私の場合はチート穴堀りである。命なんかかけない。お腹空いたらご飯食べに帰る。


 ぐるぐると少し走りながら山を丸く削っていく。鉱石とかもかなりあるなあ。思ったよりも石炭とかボーキサイトとか銀とか銅とかミスリルとかオリハルコンとかアダマントとかルビーとかダイヤとか掘れてる。一ヶ所でいろいろ出るのが不思議だ。普通数種類だと思うんだけど何十種類と出るな。こんなものなんだろうか? 鉱山は持ってなかったから分からないな。魔法とか絡んでる可能性もあるけど。


 かなり高くなってる身体能力で何十周も走る。一周で二キロくらいかな? めちゃくちゃ足が速くなってるしタフになってる。ぜんぜん疲れない。マラソンかってくらい走ってるんだけど数十分ってところだ。息さえ切れないってすごくね?


 動物はいくらか鹿だの魔物だのが獲れてたけどもうほかは全部逃げちゃったかな。そろそろこれ以上掘ったら水が出るかなってとこで止めた。もう一個山を掘ってもよさそうだ。これくらいじゃ環境破壊にならないだろう。滅んだ生き物がいたらご愁傷さまだ。運が悪かったね。


 まあ環境破壊になったとこであんまり気にしないんだけど、ならないならならないに越したことはないからね。楽しくないし。楽しいが全てだ。


「おーい!」


「お、アジさんだ」


 渦巻き型に掘り進めてすり鉢になってる谷の中から上を見上げると、アジさんが笑いながら手を振ってる。戻るか。飛行スキルで一息に帰る。


「凄すぎて笑う」


「だよねえ。このスキルはチートだよ」


 チートとかも翻訳されているようで通じる。小学生とか言っても通じないけどね。チートとかはズルいで翻訳されてるようだ。


「派手にやったから強い魔物とかに見つかるかも?」


「それも収納しようかな」


「怖い」


 怖いといいながら笑っている。私が小角族を全部収納して角を売りにいっても仕方ないとか思っているんだろうか。まあしないけど。やったとこで楽しくもないしお金なら今の鉱石とかで既に一生遊んで暮らせるだろう。クリスタルも作れるし。


 ダイヤモンドなんかはまとめられるし、そうすると値段が跳ね上がる。ダイヤとか宝石は重さが倍になると値段は四倍とかに跳ね上がる。重さが倍になって値段も倍に、というのは鉄とかならそうなんだろうが、宝石は違う。1カラットを二個なら二倍だけど2カラット一個は四倍だ。


 宝石は大きいものには希少価値が生まれるので、三倍の重さなら値段は九倍とか十倍とかになる。大きすぎたらオークションにかけなければならないくらいだ。値段がつかなくなるから無限に稼げるわけじゃないけどね。例えば1トンのダイヤモンドを作っても誰も正当な値段では買えないだろう。売れないなら意味がないから安くするしかない。最後は需要と供給で値段がつくのだ。無駄に大きくする意味はない。しかし、この宝石を繋いで一つにできるのがとんでもないチートなのは理解できるだろう。


「これあげる」


「?」


「アジさんの槍をオリハルコンで作ってみたよ」


「すご……。有り難う」


「思ったよりもずっと軽いね」


「オリハルコンは軽い金属だ。それに柔らかく加工はしやすい」


「あれ、そうなの?」


 ミスリルやオリハルコンは希少金属だけれど、柔らかく加工しやすいらしい。その代わり魔力を込めると途端に硬くなり、鋭さも増す性質があるのだとか。物理攻撃ながら魔法やスキルも断てるそうだ。


 反対にアダマントという鉱物は硬く、重く、加工が難しいが、魔力を通しづらく魔力がない人向けの装備ができるし、武器に重さが必要な時はアダマントの方がいいようだ。


 なのでアジさんの槍も中にアダマントを入れて外をオリハルコンで固める。錬金術で状態回復や不壊(ふえ)の属性を加えないとオリハルコンは歪みやすいらしい。刃先はアダマントにした方がいいのかな?


「難しいもんだねぇ」


「うむ、帰ったらブリばあにすぐ不壊をかけてもらおう」


「壊れない武器ってめちゃ威力ありそう」


「うむ、岩も砕ける」


 壊れないってことは相手がどんなに硬くても殴り負けないってことだしね。力押しで押し返されるかも知れないけど。手も痛くなりそう。ある程度しなる武器の方が使いやすいかもね。まあ使い方とか技量次第かな。


「あ、アジさん槍を教えてね~」


「いいぞ。暇なら」


 アジさんは子供なので仕事をしてなくてもいいらしい。飢えてはいるが小角族は自由な民族性のようだ。のんびりしている。


 硫黄や石炭も掘れてるな。蒸気機関なら作れそうだけど、なんかスチームパンク好きじゃないからなぁ。のんびり城塞を作ろう。その為の準備はできたよね。


 小角族のみんなに相談せずにやってるけどそもそも小角族がうちにきたときになんにも相談されてない。突然に移住された感じだし。勝手にやってもたぶん怒られないだろう。


「やっぱり私って天神様の御使いとやらだから信用されてるのかなあ」


「うーん、あんまり気にしてないんじゃないか?」


「私が小角族を全員狩っても?」


「狩られるのは嫌だけど抵抗もできまい?」


「まあねえ」


「ならそれは自然なことだ。逆らう意味もない」


「ほうほう、サバイバルだねえ。いいよそれ」


 無駄に足掻かない。準備や鍛練はする。あとは自然に任せる。実にサバイバルである。それは好きだ。本来人間はこうあるべきなんだろうねえ。不幸でも嘆かない。結果でしかないから。幸福なら喜べばよい。楽しければ楽しめばよい。


 そうすれば、マイナスは無いしプラスはあるのだから無限大である。どこまでも幸福だ。不幸には抵抗も、準備や対応もするけど、なったら仕方ない。そりゃそうだ。災害なんか予知も予見もできなければ、徹底的に不幸でもあるけど抵抗できないし、だからこそ起こったことを嘆く必要はないんだ。次がないように考えて動いて、寂しければ誰かと肩を寄せあえばそれでいい。


 誰かにのしかかっても迷惑をかけるだけだし、自分一人を助けることは自分の最低の義務だ。その結果犯罪に手を染めるしかないとかなら仕方ない、そのときはまず誰かに頼り救ってもらう。その恩は必ず返す。直接じゃなくても。


 人は一人で生きられる。でも、一人で生きる必要もない。だから一緒にいてもいいし、その結果笑えるならそれでいい。辛いなら一緒にいなくていい。


 自由だな。気楽だ。


「もういいのか? 早くないか?」


「そうだねえ。西に磯があるみたいだし、一釣りしていく?」


「好きだな」


 時間があるので釣りに誘うとふふふ、と笑うアジさん。うん、一緒にいても窮屈じゃない人でよかったよ。友達だな。言わないけど。


 さて、磯でなにが釣れるかな。こちらの西の磯は深いようなので遠投すれば深海魚でもワンチャンスあるかもしれない。


 人生をゆるりと楽しみますか。時間はいっぱいあるのだから。なくても楽しむけど。あはは。







 ストックは四十話ありますが追加できた分だけ更新した方がいいのかな?


 読んでくださって有り難う御座います。


 アジさんが渋いショタ、カツオノさんがニート、ホタテさん280才可愛い、と思う人はブックマークや評価をお願いします!




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