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のんびり。

 ストックはもうなくなったのでまたしばらくお休みです。応援よろしくお願いいたします!



《side リンヤ》



 我らが女皇帝陛下は、慣れないことをしてお疲れのようである。無用な殺人をしてしまったとか言ってたから笑ってやった。戦争ってこうなんだよ、最初から。勝った方は命すらタダでいただく。それが許されてしまうのが戦争。そもそも殺す必要なかったのにカツオノのために汚名を着ようとしてあんな派手な技を使うのがおバカさんなのよ。いやー、遠目にでもエルフの目だからはっきり見えたのよねー。あれはない、けどまあ綺麗だったわね。


 ユーミは国際法がなんとか言ってたけどそんな法律この星に存在しないからね。ユーミの星が平和なわけだわ。戦争したらすべての国で貿易でも武力でもタコ殴りしていい法律が存在していれば、それは戦争はなくなるだろう。


 でもこの星じゃ現実的じゃない。飢えた人々が勝手に戦争を始める世界なんだ。未熟と言えばそうなのかも知れないけど、飢えた人を止めるのは不可能だ。ユーミも飢える苦しみは知っているらしい。今でも一人無人島でサバイバルしたいとか言ってるからね。子供なのか大人なのか判断に苦しむ。


 まあ子供な部分は私たちが甘やかしてやらないとダメだろう。今日もバーリやネリンやアーリを連れて酒をせがむ。ドワーフばっかりだ。


 ホタテさんたちもユーミに甘えているのはユーミの大人の部分を慰めているのだろう。なんかあの戦いが終わってからやたらホタテさんが遊びに来ているが、どうも仕事が増えたらしい。ユゲとキリという小角族の夫婦に仕事を任せて遊びに来ているようだ。


 確かユーミが仲を取り持ったんだったか。二人は正式に夫婦になった、のだが、どうもホタテさんに仕事を押し付けられているらしい。未来の小角族を担うのはお主らなのだ、とか言って。もちろん遊びたいだけである。


 まあ私もユーミとホタテさんがセットの方が楽しいけどね。仕事はジルがなんかめちゃくちゃ欲しがってるのでやらせてる。それでも仕事が少ないよー少ないよーとかホラーテイストで呟いているくらいなので安心して任せて遊んでいる。いや、普段はマーベルとかもいるし私も仕事しないわけじゃないからね。全く任せきりにはしてないよ。


「そういうわけで酒をくれ」


「どういうわけ?! まあいいけどさ。飲もうか」


「しゅわしゅわブドウのちゅうはいがいいのだ!」


「儂も!」


「ブリ婆さんまで飲みに来てるし……」


「小角浜からここまでなら水上を走ってこられるからのう」


「こうしてユーミ城には小鬼が住み着くようになったのじゃ……」


「怖いですねえ、怖いですねえ」


 ユーミは最近ホラーにはまっているらしい。だいたいジルのせい。あのおっさんもしっかり遊んでやがる。いいけど。


「また釣りをするかね?」


「だいたい釣ったしなー。リバイアサンやバハムートはまだまだ釣れなさそうだし」


「ドラゴン退治でもしてみる? 最近小角湿原の北で古竜が認められてるらしいよ」


「ヘエ、美味しいのかな?」


「ユーミのすぐ食べる方を考えるのは好きだわ。美味しいわよ、ドラゴン」


「休暇にドラゴン退治もいいかもねー。まあ釣りをするけど」


 やっぱり釣りかー。他には公爵領の空飛ぶ魚とか興味あるかな。ユーミが楽しそうにしてるのが私も好きみたいね。まあ今はのんびりしていたらいいかな。


 そういえばレイン、あの黒猫少年は妹をハグリットの施設に預けてここに出稼ぎに来ているのだけど、有料でユーミにもふられてるわ。も風俗?とかいいながら狐のメアリーや鳥のモヒートをもふってるわ。それをみてリッタ王子がぐぬぬと言うまでがテンプレね。


 アキハル様の漫画や小説も最近は輸入してるし、うん、最近のユーミ帝国はみんなで引きこもってお酒を飲みつつのんびりするのがブームね。端から見るとちっとも楽しくないけど仕方ないわね。疲れるときは誰にでもあるもの。


 ユーミも当分はのんびりするといいわ。私ももちろん付き合うわよ。


「そういえば釣りしてないなー。簡単に釣れるやつだと根魚かな。釣りに行こうー」


「そうね、たまには行かないとユーミじゃなくなるわ」


「私が私じゃなくなるって……実はすでに私は別人なのだよ」


「ハイハイ怖い怖い」


「ちぇー。まあいいや、ホタテさんも行くよね?」


「行くのだ。釣りデートなのだ」


「ラブラブねー」


 ユーミと釣りをするのは誰か、みたいな争いもたまに起こるからなー。釣りに行きづらいのかも?


 今回はハーチアとセルトと農業担当なのになぜか孤島の城に居着いてるメイレンがついてきた。あとは城で釣るのでルル、ネイコ、セルト、エハル、シロルもついてきた。多い!


 リッタ王子は仕事よ。あの人一応王子よね。ぐぬぬ言ってたけど。


「みんな陛下大好き。仕方ない」


「魚も好きですが陛下も好きなのです! 楽しんでほしいんです! 塩焼きは勘弁してください!」


「そうよ、陛下は一人にしておけないんだから。仕方ない陛下よね!」


「アキハルさまがルルちゃんはツンデレで尊いとかって言ってたよー」


「たまにはのんびりしたいぜ、俺も」


「意外と港湾は仕事がたくさんありますからね」


「内務はジルが仕事中毒で暇だけどな」


「ハイハイ、じゃあみんなで行くわよ」


 そしてレインやメアリーやモヒートも魚目当てで着いてくる。だから多い!


「魚食いたいにゃ。妹にも送りたいにゃ」


「妹も連れてくればいいコン。ここが一番安全で楽しいコン」


「くわー! くわー!」


「モヒートはなんかしゃべりなさいよ!」


 獣人も増えたわね。ユーミが獣好きらしいから仕方ないけど。森だとエルフと獣人はすみかを争ってたからなあ。まあここに争いを持ち込むことはないけどね。


 まだまだイストワールは北に問題を抱えてるし、南大陸も荒れてるし、ユーミ帝国が団結してるのはいいことよね。


 今日の釣りは根魚釣りだそうで、引っ掛からないような軽量で丸いおもりをつけて、針も一本だけ。餌は魚の切り身や海老ね。これで穴とかを探って釣るらしいわ。


「こういう穴とかでウナギが釣れたりするんだよね」


「ウナギって淡水魚じゃないのね」


「うん、海でも釣れるんだなこれが」


 海でウナギとか聞くとアナゴじゃないのかと思うけどウナギらしい。ウナギの蒲焼きはヒガン名物ね。最近では小角湿原に多いナマズとかをユーミが蒲焼きにしてたわ。ウナギの蒲焼きがあるって言ったらアキハルくんめーとか言ってた。まあアキハル様もユーミと同じ国から来たらしいからいろいろ被ってるみたいなのよね。チューハイとかはユーミが持ち込んだのが初めてらしくてアキハル様がぐぬぬって言ってたけど。


 異世界のお話も楽しいわよね。ユーミが元気になったらまた異世界のお話を聞きましょうか。本当にユーミ帝国は飽きないのよね。これからもよろしくね。






ユーミ「はあ、やっぱりのんびり根魚とか釣るのが一番だわ」


リンヤ「根魚って食べても美味しいわよね、まるごと唐揚げにしてもいいし」


ユーミ「海の魚って骨が柔らかいのが多いから軟骨唐揚げとか好きなら骨煎餅とか美味しいよ。大きいと骨が硬くて上手く揚がらなかったりするけど、上手に揚げると本当にスナック菓子の食感になるからね」


リッタ「料理上手な奥さん……」


リンヤ「ちなみにリッタ王子の出番は少な目よ」


リッタ「えっ!?」


ブリ「儂は多めで頼むぞい」


ホタテ「なぜブリ婆さんなのだ! 我と遊ぶのだ!」


ユーミ「ちょっと旅してくる予定。まあいつになるか分からないけど、よろしくね」


ホタテ「むぐぐ、グリグリグリグリ……」


ユーミ「腰はやめてー。久々に来たな小角グリグリ!」




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