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詞、紡ぐ場所。

Throwing line

作者: 蒼井托都

単純な作業だと思い込む

始めたらすぐに終わるさと

決め込んで腕を振り上げた

思い出一つ波に託す


全部 全部

消してしまえば

全部 全部

消えてしまえば

この痛み 全身から

解き放たれてしまえ!

そうするのは僕自身の筈で

そうするのは僕自身の為で

君という思い出なぞる日々さえ

思い出に出来たならいいのに


出来たならいいのに


単調な作業だと思い込み

始めたらすぐに終わるさと

一瞬で描いた軌道は

救いなんてくれやしない


全部 全部

消してしまえば

全部 全部

消えてしまえば

ほろ苦い 感傷なんて

解き放たれてしまえ!

こうするのは僕自身の筈で

こうするのは僕自身の為で

君という思い出辿る日々さえ

思い出に出来たならいいのに


出来るならもうしている


あの日 決めた

揃いの指輪

あの日 決めた

終わりの言葉

もう全部忘れたいんだ

解き放たれてしまえ!

そうするのは僕自身の筈で

そうするのは僕自身の為で

君という思い出縋る日々さえ

思い出に出来たならいいのに


どれだけ立ち尽くしても

まだ君は“ここ”にいるんだ






(C)Aoi Tact

何年も前の作品ですが、文字数が足りなくて大幅に加筆修正しました。

本筋はそのままで変えず、女々しさは増したかなと(なんつう説明


前職に勤める前一年間自宅警備員をしていた頃か、前職に努めていた頃かはっきりした時期は忘れてしまいましたが、

確か夏に近い時期に近隣の砂浜までぷらぷらドライブをした先で、海を見つめて佇む男性に遭遇しました。

ぼんやり歩いていて斜め後ろから近づいていく形になってましたが、

男性から思い詰めたような雰囲気を感じ、それ以上無神経に近づいてはいけないと本能が告げてきたので背後を通過しようと方向転換。

と、こちらが男性を認識した矢先に、目の前で海に向かって何かが投げられていきました。一瞬で、全力でした。

僕はその軌道を追いかけていました。

波に、海に吸い込まれていったものが何だったのか、僕には分かりません。

男性が何を思い、何を手放したか、その光景が暫く頭から離れなかったので、妄想の限りを尽くしてこちらの基となった詞を書きました。

仕事にまつわる何かだったり、友人との絆にまつわる何かだったりしたのかもしれませんが、恋に寄せました。


何かを手放した彼はすぐに振り返り、僕がいる方向へと歩き始めたので、何事も無かったようにすれ違いました。

ドラマのワンシーンを観ているようなリアルな瞬間でした。


今あの男性は笑顔で過ごせているだろうかとたまに思い出す記憶です。

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