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ハイハイしよう

 目が覚めると、知らない天井が見えた。

 木目なのだろうか、木材と(おぼ)しき板で作られた天井にはギザギザの線が入っていた。


 体を動かそうとするも、上手く動かせない。

 なんとか手を自分の目の前に持ってくると、まるっとした小さな手が見える。

 oh・・・なんともかわいい赤ちゃんの手だ。


 0歳スタートの転生なのね。

 ここから、本当にゼロから俺は新しい人生を歩むのだ。


 感慨に(ふけ)っていると、近づいてくる足音が聞えてきた。

 俺の前に現れたのは、これまたなんとも美人なお姉さんだった。

 栗色の長い髪とまつ毛が特徴的で、その目には優しさを湛えていた。

 お姉さんはおれを見ながら

「”#$%&’()=)(’&%$#”!”#$#!”#$%」


 さっぱりわからなかった。

 まずは言葉の勉強から始めないと…





 言葉を覚えるのは、正直余裕だった。

 四六時中聞いていれば嫌でも覚える。

 言葉を覚えるにはその国に行くのが一番である。

 そもそも歩くことはおろか立つことすら出来ないのだから、暇を持て余した俺はひたすら周りの言葉を聞いて言語習得に励むことしかできなかったのだ。

 習得がはやいはずだ。


 早く移動手段が欲しかった俺は、ハイハイを始めるのも早かった。

 この世界の平均は知らないけど、日本の赤ちゃんは生後7~8か月でハイハイを始める。

 その点、俺は4か月程度でハイハイをするようになった。

 意識が戻ってからずっと挑戦してたからな。

 周りの反応を見るに、この世界でもかなり早い方なんじゃないかな。


 移動手段を手に入れたことによって、出来ることは一気に増えた。

 家の中を徘徊したり、本を探して文字の習得を試みたり、寝たきりの暇な生活とはオサラバだ。

 ほんと暇だったからな…。

 刺激と言えば食事の時間だけだった。

 ちなみに俺の母親はあの栗色の髪の毛のお姉さんだった。

 どんな気持ちでおっぱいを吸っていたかは想像に任せる。

 ただ赤ちゃんの笑みにしてはだいぶ…いやかなり下卑た表情をしていたかもしれない。

 ぐへへ。


 さて、ハイハイが出来るようになって分かったことは、俺の家はそこそこ、いや、かなり裕福なようだ。

 まず家がデカい。

 屋敷と言って差し支えないレベルである。

 廊下に西洋風の甲冑が飾られていたのを見た時はビビった。

 家の中の情報だけだけど、どうやら中世くらいの文明はありそうだ。

 電子機器とかが登場するのは当分先になりそうだ。


 製紙技術もそこそこという感じ。

 家にはたくさんの本があって、勉強には困らなかった。

 20畳くらいある書斎を埋め尽くす本を見た時には、ワクワクが止まらなかったな。

 それから、ハイハイでは手が届かなかったが魔法の指南書みたいな本を見つけた。

 早急な二足歩行の獲得を目指さなくては。

説明回が続いて申し訳ないです。次回も説明会になりそうです…

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