表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷撃(らいげき)の冒険者  作者: シュウさん
62/71

街にて・・・

王都を馬車で出た俺たちは、

反乱軍に捕まる事なく、無事にタワバの街へと帰り着いた。


「「ただいま~。」」


「お帰りなさいませ、ライさま。」

「おう!お帰り。」

「お帰り、みんな、何か良い情報はあった?」


「ああ、朗報ろうほうは色々あるが、

一番は彼女だな、

こっちに、おいで~ポラリちゃん。」


ポラリちゃんが、パサラちゃんと手を繋いでやって来た。


「この子は?」


「反乱軍に誘拐されていた、ブラッディー・ベアの娘だそうだ。」


「なるほどね、ヤツらは典型的な悪だった訳ね・・・」

「本当に絵に描いたような悪人共ですわね。」

「でも、何でブラッディー・ベアに返してこなかったの?」


「ヤツらに呪いを掛けられてしゃべれないそうだ、

ルクア、解いてあげてくれるか。」


「まあ!こんな子供に何て酷い事するのかしら、

今、解いてあげるからね、『聖なる光よ戒めを解き放て。』

どうかしら?」


ルクアが白魔法を唱えると、

ポラリちゃんが白い光に包まれた。


「ポラリちゃん、何か話してみてくれるかな。」


「あ、あ、あ、喋れます!私、声が出ます!」


「良かった~、無事に解けたみたいだな。」

「ホント、よかったね。」

「良かった。」


「じゃあ、お父さんや、お母さんが心配しているだろうから、

ポラリちゃんを送り返しに行くか。」


「王様の方は、どんな感じですの?」


「ああ、リーナたちが、

王城の下働きしている人たちに聞き込んだんだが、

王様は自分の寝室で軟禁状態らしい、

部屋の周囲をヘナチョーコ侯爵が子飼いにしている、

傭兵たちが見張っているらしいが、

この連中が、かなり横柄なヤツらみたいで、

城の衛兵や働いてる人たちから相当嫌われているから、

城に入ったら、ほとんどの人が味方と考えて良いようだぜ。」


「じゃあ、いっその事、ポラリちゃんを送りがてら、

王様の救出作戦も実行した方が良いんじゃない?」


「そうだな、敵にS級冒険者が居なくなれば、

王様を助けるのは容易だろうな、

ただ、一つだけ気になる情報があったんだけど、

侯爵が凄い美人をいつも連れているって言うんだ。」


「ただの愛人では、ありませんの?」


「侯爵は、有名な恐妻家らしいから、

表立って連れ歩くなんて考えられないそうだ。」


「そうだな、私も侯爵の奥方は知っているが、

侯爵はドMじゃないかと思える程の凄い奥方だぞ。」


「エルザさんが、そこまで言うんじゃ相当なんだな。」


「では、愛人じゃなければ、何ですの?」


「俺は、その女が今回の黒幕なんじゃないかとにらんでる。」


「そうだな、元々、

小心者の侯爵が反乱を起こす事自体が変なんだ、

誰かにそそのかされたとしか考えられんな。」


「と言うわけで、侯爵と一緒に居る美人には、

十分に注意するようにしてくれるか、

いつも、連れ歩いているところから見ても

何らかの能力を持ってると考えた方が良いからな。」


「「「「「了解。」」」」」


王都には、まだ顔を知られていない、

俺とリーナとパサラちゃんが馬車で日中入り込んで、

夜になったらルクアたちが潜入できるように手引きする事とした。


日が暮れてから、少し経った頃、

夜間の警備用出入り口に、近づいて来る者がある。


「何者だ!ここは警備兵以外近づいてはならない決まりとなっている、

そうそうに立ち去れ!」


「我こそは、正義の使者『青ドラ仮面』なり、

しいたげられし民の為に、ただいま推参すいさん!」

「同じく『ジャイめん』推参!」

「『黄ドラ』」


「何だ?お前ら、変な仮面付けやがって、

それ以上近づいたら敵対行為とみなして攻撃するぞ!」


「フライング・ハンマー!」

ドガッ!

「フッ、峰打ちだ安心しろ。」


「だ!か!ら!ハンマーには峰なんて無いって言ってんだろ!

あんな重い物を投げるなってんだよ、

警備兵さんの体が変な方向に曲がっちゃってるじゃんか!」

ライはアイテムボックスから回復薬を手早く出して、

倒れている警備兵さんに飲ませた。


「ふ~、体が戻ったから大丈夫だろう。」


「良かったね助かって。」


「お前が言うな!」


ライたちが騒いでいるうちに、

パサラが出入り口のかんぬきを外して、

ルクアたちを招き入れた。


「変わったデザインの仮面ですわね。」


「ライが作ったんだ。」


「リーナが仮面を付けているのに気が付きませんでしたわ。」


「どう言う意味だよ!」


ポラリちゃんも、パサラちゃんとお揃いの『黄ドラ』を付けている。


「みんなも一応付けるか?」

他のお面は戦隊ヒーローっぽいデザインにしてあるので、

エルザさんはレッド、ルクアはピンク、フローラはグリーンを渡した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ