まだ王都にて・・・
宿の食堂で朝食を食べながら、
酒場のオヤジさんから聞いた情報をリーナたちに話した。
「確かに、その男爵の屋敷が怪しいわね。」
「怪しい。」
「だよな、
だから今日はまず、その屋敷に行ってみようかと思う。」
「アイヨ。」
「分かった。」
俺たちは、
まず王都の冒険者ギルドに行って、
貴族区画でのクエストが無いか掲示板を見てみる、
するとちょうど、
貴族区画の下水道に、
誰かが飼いきれなくなって放流したと見られる、
ダークアリゲーターが巨大化して潜んでいるので、
討伐して欲しいとのクエストがあったので、
それを受ける事にした。
クエスト用紙を持って受付に行って、
「すいません、このクエストお願いします。」と提出した。
「君たち、このクエストはB級相当だから受けられないわよ。」
どうやら、俺たちの若い見掛けから低級と思われたようだ。
「いえ、俺はA級なんで大丈夫です。」
俺はギルドカードを差し出して言った。
「えっ、A級!?
しっ、失礼しました!
確かにA級冒険者ライさまと確認しましたので、
受付いたします。」
「いえ、俺たちを気遣ってくれたのは分かるので、
そんなに恐縮しないでください。
俺の事もライで良いですよ。」
「ありがとうございます。
では、ライさんと呼ばせていただきますね、
クエストは登録致しましたので、お気を付けて行って来て下さい。」
「はい、ありがとうございます。」
貴族区画の入り口に居る警備兵にクエスト用紙を見せて、
中へと入って行く。
「じゃ、まずはクエストを済ませるか。」
「アイヨ。」
「うん。」
気配察知を使うと反応があるので、
そちらに向かって行く、
すぐに見つけたので、
水魔法を使って水中から持ち上げて置いて、
パサラちゃんの『吸魂』で討伐した。
死体をアイテムボックスに収納してから、
男爵の屋敷を探す事にした。
あらかじめ下調べがしてあったので、
男爵の屋敷はすぐに見つかる、
確かに、
ゴツくて、ガラの悪い傭兵たちが屋敷の周りをウロウロしていた。
「よし!目的地が見つかった事だし、
さっそく殴り込みましょ。」
「待て待て待て!
証拠も無しに、いきなり殴り込めるか!」
「ちょっと言ってみただけじゃん、
監視みたいな、チマチマした仕事って嫌いなんだよね。」
「俺も、待つのは好きじゃないけど、
突入してから、『何もありませんでした』では通用しないからな。」
(俺的には、気配察知に時々、
人の出入りが感知される地下室が怪しいんだがな・・・)
「出て来た。」
パサラちゃんの声に、
屋敷の方を見てみると、確かに屋敷から下働きらしい少女が出て来た。
「よし、彼女に聞いてみるか。」
「賛成!」
「うん。」
「君、ちょっと良いかな。」
俺が、声を掛けると少女は振り返って、
最初、見慣れない俺に警戒の色を示したが、
一緒に居るリーナとパサラちゃんを見て警戒を解いたようだ。
「何でしょうか?」
「俺たちは冒険者ギルドのクエストで、
下水道の魔獣退治に来たんだけど。」
「ああ!噂になってるのを聞いた事があります。」
「それで君、
今、ヒョローン男爵のお屋敷から出て来たよね。」
「はい、そうですけど?」
「お屋敷って良く地下室とかあるみたいだけど、
そう言う場所で、何か変な物音とか聞いた事が無いかな?」
「いえ、ポラリさまのお世話に偶に入りますけど、
聞いた事ありませんよ。」
「ポラリさまって?」
「それが、可哀想な話なんですけど、
何でも日光に当たっては、いけないご病気らしくって、
ずっと地下室にいらっしゃるんですよ。」
「それは可哀想ですね、男爵の娘さんなのかな?」
「いえ、最近いらっしゃったのですが、
男爵様のお知り合いの、お嬢さんらしくって、
熊タイプの獣人のお嬢さんですよ。」
「そうなんですか・・・
あっ!余計なお時間を取らせてしまって申し訳ありませんでした。
ご協力、ありがとうございました。」
「いえ、碌にお役に立てませんで、すいません。」
少女と別れてから、3人で作戦会議をする。
「どうやら、ビンゴだったみたいだな。」
「そうね、人質とか最低よね。」
「助ける。」
300年にも渡って封印されていたパサラちゃんには、
監禁されているポラリ嬢に、何かしら共感するところがあるようだ。
「よし、ギルドに帰って完了報告してから、
今夜、救出作戦を決行するぞ!」
「アイヨ!」
「うん。」




