他国にて・・・
ビシバーシの街の入り口で通行許可証を見せたら、
普通に通して貰えたので、
そのまま、領主の城へと向かった。
城の門番さんに、
国境と同じようにエルザさんから貰った指輪を見せて、
領主様に確認して貰うと、応接室のような部屋へと通された。
お茶とお菓子を出してくれたので、
それを食べながら待っていると、
タタタタと足早に部屋へ近づいて来る足音が聞こえると、
ノックも無しに扉がバン!と開いた。
「ルクアとフローラが来たってホントか!?」
大柄な女性が部屋に入って来た。
(彼女がエルザさんなのか!?
やばい・・・ワープゲートの時の全裸ポージング女子だぞ、
もしかすると、あの時に顔を見られた恐れがあるな・・・
それにしても、獣人領のゲートは、ここの城に繋がっていたのか、
たぶん、ただの鏡と思われて、
王家から下賜されたとかだろうな・・・)
「エルザ、久しぶりね。」
「御無沙汰しておりますわ。」
「お前たち、今この国が、どんな状況か知ってるだろ!
とくにルクアは、ここに居てはいけない身分じゃないか。」
「もちろん、知っていますよ、だからこそ来たのだから。」
「アルビナ王は、ご存じなのか?」
「ええ、もしもの際は、
ただの冒険者として処理して下さいと、言ってきました。」
「そうか本気なんだな。」
「ええ、私もフローラも、あなたの力になりたいのよ。」
「2人とも、ありがとう。
正直、味方に優秀な冒険者が加わるのは助かるよ。」
「どういたしましてですわ。」
「そう言えば、フローラはS級に上がったんだってな。」
「そうですわ。
と言ってもパーティー仲間に恵まれたからですわ。」
「パーティー仲間と言えば、さっきから気になっていたんだが、
そこで右手で両目尻を下げて、左手の人差し指で鼻を上げている人物が、
パーティー仲間なのか?」
「ええ、何の意味があるのかは、さっぱり分かりませんが、
リーダーのライさまですわ。」
「ろうも、ライでふ。」
「ライ殿と申されるのか、
ライ殿、それでは話しづらいのでは無いのか?」
「らいろうぶでふ。」
「ちょっと!
ライ、失礼でしょ!」
リーナが馬鹿力で俺の手を引っ張った。
「お、おい、こらリーナ止めろ。」
俺の手は顔から放されてしまった。
「ライ殿、どこかでお会いした事が無いか?」
「いえ、初対面です!」
「そうか、ライ殿がそう言うなら、そうなんだな。」
(良かった・・・どうやらエルザさんは脳筋タイプのようだ。)
「あと、リーナとパサラが仲間ですわ。」
「よろしく!エルザさん。」
「うん。」
「そうか!2人ともよろしくな!」
「ライさまは、ロックマイマイやメタルドラゴンを倒しましたのよ。」
「何!?それ程の腕前なのか!
今回の問題が解決したら、
是非お手合わせ願いたいものだな。」
「エルザは相変わらずね。」
「ザドス王が病に倒れたと伺いましたが、容体はいかがですの?」
「ああ、ナントナーク病とか言う、やっかいな病気らしい。」
「やっぱり。」
「やっぱりとは?」
「アルビナ国王も、
同じ病気になって命を落とすところだったのですわ。」
「偶然じゃありえないな・・・」
「そうね、2つの国の王が立て続けになんて考えられません。」
「それでアルビナ国王は、大丈夫だったのか?」
「ええ、ライたちのお蔭で『龍の涙』が手に入ったから、
今は元気になったの。」
「『龍の涙』は、まだありますからお分けできますよ。」
「おお!それは助かる。
父の場合、命に別状は無いようだが、
体が思うように動かなくて、今回の反乱を許してしまったんだ。」
「アルビナ王ですら、命を落とすところだったのに、
ザドス王の体力は凄いですね。」
「ああ、娘として20年付き合っているが、
病気になったのは初めて見たからな。」
「そりゃ凄いですね。」
「似てる。」
「ホント!?」
「どうしたんだリーナ?」
「うん、パサラちゃんがナントナーク病を知らないって言うから、
どんな病気か教えてあげたんだけど、
魔族領で、そっくりな病気があったんだって。」
「なんだって!?」




