帰途にて・・・
「あと、もう少しで王都に着くね。」
「ええ、思わぬアクシデントなどで、
多少は時間が掛かってしまいましたが、
無事に済んだのは、ライさん達のお蔭です。」
「私たちのパーティーに掛かれば、
どんな敵が出て来ても、一網打尽ですわ。」
「君たち、フラグ立てすぎなんだけど・・・」
「フラグって何ですか?」
「ルクアさま、フラグって言うのは、
その後の展開を起こす、魔法の言葉です。
たとえば、『俺、この戦が終わったら結婚するんだ。』とか、
『俺たちには、もっと強い魔物が出て来なきゃ、
相手不足だぜ。』などですね。」
ズズ~ン!
ライが言ったとたん、地震の様な振動が馬車を襲った。
「「「・・・・・」」」
3人はライの方を無言で見つめてる。
「い、いや、俺が言ったからじゃないぜ、
たぶん、ただの地震だよ。」
「大変だ~!ドラゴンが出た~!」
馬車が停まって、御者が大声を出している。
「「「・・・・・」」」
「すいません、俺の所為です。」
俺たちは、馬車から外に出てみた。
そこには、全身が銀色に輝く巨大なドラゴンが居た。
「まさか、メタルドラゴンなんて!」
「ルクア、ここは私たちが、
メタルドラゴンを引き付けますから、
その隙に、早く逃げて下さいな。」
「そんな!フローラたちを置いてなんて行けないわ。」
「ルクア、ここは私の言う事を聞いて下さいな、
あなたは、この国の王女なのですわよ。」
俺はリーナに小声で話しかける。
『なあ、リーナあれってさ・・・』
『うん、たぶん同じだと思うよ。』
「それでも、聞けないわ!
私は王女である前に、「あの~、お二人が盛り上がってるとこ、
申し訳無いのですが、たぶんアレ倒せるんですけど。」
「「え?」」
「ライなら、倒せると思うよ。」
「倒せるって、相手はメタルドラゴンですわよ、
魔法も打撃も効かない事から、
S級冒険者でさえ、追い払うのが精一杯ですのよ。」
「ところが、俺の魔法は効くみたいなんだ。」
「ライさまの魔法って・・・あっ!」
「そう、アレがね。
だから、ここは俺に任せてくれ。」
「ルクア、ここはライさまに、
お任せしますわよ。」
「大丈夫なの?」
「ええ、ライさまの魔法が変わってるのは、
知っていますでしょ?」
「そうね、フローラがそう言うなら分かったわ。」
「よし、そんじゃ、やってみるか、
リーナ、一応、尻尾で攻撃してきたら、
盾で防げるように気を付けててくれ。」
「アイヨ!」
「フローラは、ルクアさまを、
お守りして下がっててくれるか。」
「分かりましたわ。」
「行くぞ!でっかいトカゲ野郎!」
ライは、ドラゴンがフローラたちの方に行かないように、
ドラゴンの気を引きながら別の場所へと誘導した。
(翼が無いから、地龍ってヤツかな?
ドラゴンだから、一応、ブレスには注意か・・・)
ライは、ドラゴンの懐に入り込む隙を作るために、
水弾や風刃を次々と撃ち込んだ、
ドラゴンには全然効いてないが、煩そうにしている、
するとドラゴンが、ライに向かって口を開いた。
「来るな。」
ドラゴンの口からマグマのようなブレスが吐き出されるが、
あらかじめ予想していたライは軽々と避けた。
「今度は、こっちの番だぜ!」
ライは、ブレスを撃った余韻で、
動きが止まっているドラゴンの懐に入り込んで、
電撃パンチを叩き込んだ。
ピシャーッ!という音と閃光の後には、
体から湯気を上げるドラゴンが残されていた。
「死んだの?」
リーナがウォーハンマーで、ドラゴンをツンツンしている。
「たぶん。」
ライは、少し用心しながら近づいて、
ドラゴンをアイテムボックスに収納してみる、
無事に収納されたので、ようやくドラゴンの死亡が確認された。
その光景を見ていた、ルクアとフローラは唖然とした。
「まさか、本当に倒すなんて・・・」
「あのメタルドラゴンを一撃で倒しましたわ・・・」
「お二人さん、片付いたから王都へ急ごうぜ。」
「「え、ええ・・・」」
馬車には乗り込んだが、
2人とも、まだ夢やまぬ感じだ。
リーナが小声で話掛けて来た。
『ねえ、ライ、今度もアダマンだった?』
『いや、オリハルコンになってるな。』
『幻の金属じゃない!』
『またオッサンに武器作ってもらおうぜ。』
『そうね。』
「「ふっふっふっ。」」
「何、2人して、変な笑いしていますの?」
「いや、メタルドラゴンの素材が手に入ったから、
リーナの親父さんに武器を作って貰おうと思ってな。」
「どんな、素材ですの?」
「オリハルコンだって。」
「「オリハルコン!?」」
「オリハルコンと言えば、
幻の金属ですよ、まさかメタルドラゴンの素材だったなんて・・・」
「その武器は、私も貰えますの?」
「ああ、スピアが良いか?」
「ええ、お願いしますわ。」
「ルクアさまは、メイスですか?」
「えっ!?私も頂けるんですか?」
「一緒に旅したんだから、もう仲間も同然ですよ。」
「ありがとうライさん、
それなら、ありがたく頂きます。」




