島にて・・・
ライたちは、ようやく龍神島へとたどり着いた。
「じゃあ、俺は、ここで船底の修理をしてお待ちしてます。」
「ああ、頼むぜタブラン。
さてと・・・俺たちは、一体全体どっちに行けばいいんだ?」
「あちらの様ですね、ライさん。」
ルクアさまが指差す方向に、『海龍王あちら』の矢印看板が立っていた。
「分かり易くて、良いですわね。」
「海龍王って、親切だね。」
「・・・・・。」
ライたちは、看板の矢印に従って歩いて行った。
「あの、洞窟のようです。」
(おお、ここは俺考案のアノ魔道具が登場だな。)
「パパパパ~ン!懐中魔電灯~。」
「あら、その魔道具は、タナーカの街の冒険者に流行ってましたわ。」
「これって、ライが考えて作ったんだってさ。」
「まあ、便利そうな魔道具ですね、
ライさんて、すごい発明家なんですね。」
「いや~、それ程でも。」
(地球の知識の受け売りだが、悪い気はしないな。)
「では、俺を先頭に行きましょう!」
懐中魔電灯を点けて、洞窟に一歩踏み込むと、
洞窟の壁自体が発光して奥まで明るくなった。
「うわ~、明るい!魔道具いらなかったね。」
「ちょっと、リーナ!
ラ、ライさま、私には少し暗いから、
ライさまの魔道具が欲しいですわ。」
「・・・俺は、後から付いて行きます。」
俺は、懐中魔電灯を消して殿についた。
洞窟を奥まで進むと、大きな地底湖が広がっていて、
潮の香りがするところを見ると、海と繋がっている様だ。
「あそこに、何かあるよ。」
岩で出来た台座の上に、石版の様な物が乗っている。
「なになに、『海龍王に願う者よ、その資格を示せ。』だって、
どう言う意味かな?」
「そちらの、黒ずんだ部分に、血を付けるのだと思いますわ。」
(エルフのフローラは、長生きしてるだけあって物知りだ。)
「ライさま、今、何か失礼な事を、お考えになりませんでしたか?」
「いや、気のせいだろ。」
ルクアさまが、懐刀で指先を傷つけて、石版に血を付けてみる、
すると、石版が光を放って、
地底湖からブクブクと泡が発ってきた。
「王家の血を引く者よ、古の盟約に従って、願いを叶えようぞ。」
地底湖の中から、青く美しい鱗を持った龍が現われた。
「うお~、ちょ~かっちょいい!
これこそ、本物の龍だぜ!」
「海龍王さま、アルビナ王国のルクレツェアと申します。
父の病を治すために『龍の涙』を、お与え下さい。」
「うむ、良いぞ。」
「えっ?頂けるのですか?」
「うむ、『龍の涙』なら、いくらでも有るからな。」
海龍王さまは、水晶玉の様な物を、たくさん持っていた。
「それが、『龍の涙』なのですか?」
「そうだ、この玉の中に入ってるのが『龍の涙』だ、
そもそも、『龍の涙』とは何か知っておるか?」
「いえ、存じ上げません、不勉強で申し訳ありません。」
「いや良い、『龍の涙』とはな、
簡単に申せば龍の力が凝縮した物じゃ。」
「龍の力ですか?」
「そうじゃ、我々龍族は戦いが好きな種族なのだが、
300年前に勇者イチローが世界を統一したことによって、
大きな争いが起こらなくなった。
我々は、時どき、溜った力を解放しないと、
心に支障をきたして、破壊の限りを果たしてしまうのだ、
だから、10年ほど措きに玉に力を封じるのよ。」
「なるほど、分かりました。」
「しかし、『龍の涙』を与えるのは良いが、
この玉を割るのは至難の業であるぞ。」
「そうなのですか?」
「うむ、何せ我の力を封じておるのじゃ、
簡単に壊れるようでは、その役目を果たさんからのぉ。」
「それは、そうですね、
どうしましょう、困りました。」
「あの~、海龍王さま、質問しても良いですか?」
「なんだ、小さき者よ。」
「『龍の涙』って、熱とか冷気には強いですか?」
「うむ、何物にも影響されないから、万病に効果があるのだ。」
「やっぱりそうですか、ありがとうございます。
フローラ、物を急速に冷やす魔法はあるか?」
「ええ、風と水の精霊魔法を複合したものが、ありますわ。」
「なら、出来るかな・・・
海龍王さま、一つ確かめてみたい魔法があるので、
『龍の涙』をいただいても宜しいでしょうか?」
「うむ、我も見て見たいから、構わんぞ。」




