まだまだ王都にて・・・
「それは、なりませんぞ!
いくら、ルクレツェア様が冒険者を経験していたとは言え、
S級とA級冒険者が仲間に居たとの事ではないですか、(チラ)
城の兵士を連れてでは、とてもじゃないが安心できませぬ。(チラ、チラ)」
(あの、オッサン・・・)
「あの~、俺たちで「やってくれるか!ライよ!!」」
「おじ様、まだ早すぎます!」
「うむ!?そ、そうか。」
「それは、なりませ「また、そこからかよ!」」
「分かりました、領主さま、
ルクアさまは、うちのパーティー仲間であるフローラの、
親しい友人であります。
『龍の涙』を手に入れて、王城へと帰り着くまで、
俺たちが護衛します。」
「おお、頼めるか!」
「フローラとリーナも、それで良いな?」
「もちろんですわ、ライさま!」
「アタイも良いよ!」
「すいません、お世話をお掛けします。」
ルクアさまも、目途が立ってホッとしている様子だ。
「して、主治医殿、『龍の涙』は何時までに、
持って来れば良いのだ?」
「そうですな・・・王の容体から鑑みるに、
半月以内には服用して頂きたいですな。」
「ルクシア共和国までって、どの位で往復できるんですか?」
「普通に馬車で行くとなると、約1か月だな、
馬を乗りついで急いだとしても、二十日は過ぎるであろう。」
「それじゃ、間に合わないじゃない!」
「ええ、だから今回は龍籠を使います。」
「龍籠?」
「そうです。
龍籠とは、浮龍の下に人が乗れる籠を付けて、
空を飛んで運んで貰うのです。
龍籠を使えば、ルクシア共和国まで十日で往復できます。」
「おお~っ!龍に運んで貰うとか出来るんだ、
それは、今から楽しみだな!」
「ちょっと、ライ!遊びに行くんじゃ無いのよ。」
「そんな事は分かってるさ、
でも今から気を張っていたら、帰ってくるまで持たないぜ、
いつも通りが1番なのさ。」
「ライさまは、時間に限りのあるクエストで、
何が一番大事かを、ご存じなのですわね、
確かに、焦って普段と違う事をするのは危険ですわ。」
「へ~、そうなんだ。」
「では、ライさん、
旅で必要な物は、こちらで揃えますから、
明日の朝に王城まで、お出で頂けますか?」
「はい、それは構いませんが、
他国の王女さまが、いきなり行ったりしても大丈夫なんですか?」
「はい、各国の王城には、通信用の魔道具があるので、
事前に連絡を入れて置きます。」
「おお!そんな便利な物があるんだ。」
「はい、勇者イチローが作ったとされてますが、
今では製造方法が失われているので、
現存している物は、大変な貴重品となっております。」
「もう作れないんじゃ、貴重ですね。」
(勇者イチローが作ったんじゃ、電波的な仕組みを利用してるのかな?
ルクシア共和国から帰ってきたら、見せて貰おうかな。)
「領主さま、話し合いの方は、これぐらいで良いですか?」
「うむ、ライたちには、明日に備えて帰って貰って良いだろう。」
「分かりました、それでは明朝伺いますので、
今日は失礼します。」
「はい、明日から、
暫くの間、よろしくお願いします。」




