まだ王都にて・・・
「ところで話は変わるけど、
フローラ、あれからエルザと会った?」
「いいえ、自国で問題が起きたって言って帰ったのだから、
まだ、あちらに居るのでは、ありませんの?」
「ええ、私、エルザにちょっと頼みたい事が出来て、
エルザが今現在居ると思われる、
ザドス王国に使いの者を出したのだけれど、連絡が付かないのよ。」
「エルザに頼むって事は、かなりの問題なのね?」
「ええ、S級冒険者ぐらいの実力でなくては・・・
あっ!そう言えば、フローラが行ったタナーカの街で、
ロックマイマイが討伐されたって聞いたけど、
あれって、もしかして・・・」
「ええ、私たちのパーティーですわ!」
「助かったわ!それなら、フローラたちに頼めば・・・
そう言えば、フローラ達は何で王都に居るの?」
「私たちは、領主さまの護衛で来ましたの。」
「ああ!ギルバートおじ様と来たのね。
それじゃ、明日は一緒に王城に来るの?」
「ええ、お伺いする予定ですわ。」
「それなら、おじ様にも話しておくから、
明日、王城に来た時に、少し私の話を聞いて貰えるかしら?」
「ええ、領主さまの了解があれば、
問題無いと思いますわ。」
「じゃ、お願いね。
では、ライさん、リーナさん、また明日お逢いしましょう。」
「「よろしく、お願いします。」」
「フローラ、エルザさんっていう人は、前に話していたS級冒険者の人か?」
「そうですわ、傭兵の国と呼ばれるザドス王国出身で、
今、訳があって国に帰ってるらしいんですの。」
「そうなのか、S級の力が必要ってんじゃ、
かなりの問題なんだろうな、
フローラの友達の頼みなんだから、なるべく聞いてあげるとして、
すべては明日になってからだな。」
「ええ、そうですわね。」
「そうね。」
次の日になり、
領主さまが指定された時間に合わせて、お迎えにあがり、
護衛をしながら王城へと訪れた。
「さすがに王城は大きくて美しいな!」
茶色の煉瓦で統一された王都の街並みにあって、
ひと際白く輝く王城は、大きく、そして美しく映える。
「そうね!」
「街造りから計算してますわね。」
王城に着いたら、控室のような所で待つのかと思ったら、
ルクアさまが現われて、
領主さまと一緒に、王様の元まで行くように言われた。
「俺たち、礼儀作法とか知りませんけど、大丈夫でしょうか?」
「私の父は、その辺は気にしないから大丈夫よ、
ね?おじ様。」
「ああ、王は若い頃に、
ルクレツェア様のように冒険者も経験してるから、
礼儀には寛大だぞ。」
「それは、助かります。」
王が療養している部屋へと着いて、
まず領主さまが、王様と、お話しする事となった。
「おお王よ、そのように、おやつれされてしまわれて、
何とも御労しい事よ!」
俺も覗いてみた。
「ゴブ!?」
「ゴブ?」
(王様!痩せちゃ駄目でしょ!彼らにソックリじゃないですか!)
「い、いえ、ゴブなに、おやつれされて御労しいと・・・」
「ライ、不敬罪で処刑されたいのか?」
「と、とんでも御座いません!
この重苦しい空気を、少しでも軽くしようと、
ちょっとしたゴブリン・ジョークを挿んだまでです。」
「うむ、それなら良いか。」
(良いのかよ!)
「して、主治医殿、王の容態は・・・?」
「はい、王は不治の病と言われている、
ナントナーク病を患われて居られます。」
(名前だけ聞くと、病状が軽そうな病気だな・・・)
「なんと!ナントナーク病と申すか!?」
(領主さま、ナントが被ってます。)
「はい、残念ながら間違いありません。」
「なんと言う事だ、よりにもよって、この病とは!
主治医どの、本当に、この病を治す事が出来んのか?」
「世間では、不治の病と言われてますが、
本当は一つだけ治す方法が御座います。」
「なに!それで、その方法とは!?」
「海洋の国、ルクシア共和国の沖に浮かぶ、
龍神島と呼ばれる島に住むという、
海龍王が持つ『龍の涙』で癒されると言われています。」
「では、優秀な冒険者を(チラ)雇って採りに行かせれば(チラチラ)
良いのではないのか。」
(何か領主さまが、めっちゃ、こっちをチラ見してるんだけど・・・)
「はい、優秀な冒険者は必要ですが、それだけでは無いのです。
海龍王と交渉できるのは、
王家の血を引く者のみと定められているのです。」
「何ですって!?では、私が行くしかないのかしら!?」
(ルクアさま、セリフが、めっちゃ棒読みなんですが・・・)
なるほど、やっと俺たちが呼ばれた理由が分かって来たぞ・・・




