王都にて・・・
領主さまの予想通りに、
その後は襲撃も無く、無事に王都へと到着することが出来た。
そのまま、王都にある領主さまの館まで、お送りして行くと、
明日の登城の際にも、
護衛に付いて来て欲しいとの事だった。
「王城でも、危険があるのですか?」
「いや、城の中では危険が無いと考えて良い、
それとは別に、ライたちが必要となると思うのでな。」
「そうですか・・・?
分かりました、お供いたします。」
「うむ、頼むぞ。」
領主さまは、館に滞在しないかと誘って下さったが、
フローラが王都に居た時に、使っていた宿に泊まりたいと言うので、
領主さまには丁重にお断りを入れて、
俺たちも付き合う事にした。
(領主さまの館じゃ、はっきり言ってリラックス出来ないもんな・・・)
「こちらが、私たちのパーティーが使っていた宿ですわ。」
「『鹿の骨亭』・・・
ここって、タナーカの街にある『馬の骨亭』と、何か関係あるのか?」
「そのような話は聞いたことが無いので、
関係無いと思いますわ。」
「そうか、馬・・・鹿・・・
何か腑に落ちんな・・・」
俺たちは、宿に部屋を取って、
装備や荷物を置いてから、
食堂で軽く飲みながら食事をする事にした。
「フローラ!フローラじゃないの!?」
そんな時、フローラに声を掛けて来る者が居る、
俺は、そちらに目をやって、クワッ!と目を見張った。
「神だ・・・神が居る!」
俺は、両の目から、
止めどなく溢れ出す涙を堪えられなかった。
『その頂は、何人たりとも寄せ付けぬ、
処女峰の如く聳え立ち、
その稜線は、清楚なる美しさの中にも、
香り立つ色香を漂わせている。』
~~~世界的な乳の権威として知られる、エーロー・ライ氏語る。~~~
「ラ、ライさま、何で涙を流してますの?」
「ライ、その跪いて、
胸の前で手を組み合わせるポーズには、何か意味があるの?」
どうやら、こちらの世界では、神に祈るポーズが違うようで、
俺が乳神さまに感謝の祈りを捧げていたのに、気付かれなかったようだ。
「いや、ただの癖だ気にするな。」
「どんな癖なのよ!」
「ライさま、紹介いたしますわ、
彼女は、私が王都に居た時に、
パーティーを組んでいたルクアですわ。」
「ルクア、
ライさまと、リーナは私の、
今のパーティー仲間ですわ。」
「初めまして、ルクレツェア・アルビオン・アルビナと申します。
よろしく、お願いしますね。」
「えっ!?アルビナって・・・」
「ええ、ルクアは、ここアルビナ王国の王女ですわ。」
「「王女さま!」」
「フローラのパーティー仲間なら、
私の友人も同じですから、ルクアと呼んで下さいね。」
「冒険者のライです。
ルクアさま、よろしくお願いします。」
「同じくリーナです。
ルクアさま、よろしくね!」
「ルクアは世界でも指折りの白魔法士で、
『白の聖女』とか『神乳の聖女』とか、
呼ばれてますわ。」
「まあ、フローラったら冗談ばっかり。」
ルクアさまは、フローラの腕を軽く抓って怒ったふりをしている。
(やっぱり、可愛い人は、怒り方も可愛いな・・・)
「いだだだだだっ!
千切れますわ!千切れますわ!」
「またまたフローラ、ルクアさまは身体強化も使って無いんだから、
そんなに痛くないだろ?」
魔力の流れが無いので、身体強化はしていない筈だ。
「それは違いますわライさま、確かにルクアは身体強化していませんが、
彼女は白魔法の達人です。
ライさまは、人が筋肉の能力を一部しか使って無いのを、ご存じですか?」
「もちろん知ってるぜ、
筋肉のスペシャリスト、略してキンニクストの俺には常識だぜ。」
「キンニクストって、何か筋肉が仕事をしていない様な呼び方ですわね。」
「何と!言葉のマジック!?」
「それは、とりあえず置いておきまして、
ライさまも、ご存じの通り、
筋肉の能力を100パーセント使ってしまうと、
体が耐えられなくて壊れてしまうので、
脳が制御しております。
しかし、ルクアは優れた治癒魔法士なので、
常に自然と、自分の肉体で壊れた組織を瞬時に癒しているので、
筋肉を100パーセントつかえるのです。」
「おお!それは、キンニクストとしては究極の夢だな!」
「そんな訳で、ルクアは見た目通りの、
唯の、お嬢様って訳ではありませんの。」




