まだ旅にて・・・
フローラと連れ立って、
多数の気配を感じる場所へと着いたライは大声を出した。
「おい!そこで隠れているつもりのヤツら、
いつまで待ってても馬車は来ねぇぞ!
大人しく投降するなら命だけは助けてやるが、
出て来ねえなら大規模魔法を叩き込むぜ!」
「おのれ!
ばれては仕方が無い、もの共!掛かれ!」
木々の影から、30人ほどの者たちが躍り出てきた。
「相手は、たった2人だ、早く始末してしまえ!」
「相手との力量差も分からないんじゃ、
大したヤツらじゃ無いな。」
「そうですわね、私とライさまを相手取るには、
人数が一桁足りませんわ。」
敵は魔法や攻撃を仕掛けてくるが、
俺やフローラの魔法障壁は全て跳ね返している、
逆に、俺の電撃パンチや、フローラの精霊魔法が、
次々と敵を無力化していく。
「まさか、これほどの手練れの護衛が付いているとは!
いかん!皆の者、引け!」
「逃がす筈ねぇだろ!」
「まったく、ですわ。」
俺は多数の水弾を、フローラは多数の風刃を放った。
一瞬で、逃亡を企てた、残り僅かになっていた敵は全てが無力化した。
アイテムボックスからロープを取り出して縛りながら、
一応、自害を警戒して猿轡も噛ませて置いた。
死んでしまった者は、所持品だけ回収してから、
魔獣に始末して貰うために、森の中へ投げ込んで置く、
作業が終わったので、フローラに赤い煙が出る矢を放ってもらい、
馬車隊の到着を待つ事にした。
「あいつら、大した事は無かったけど、
連携が取れた攻撃をしていたから、ただの盗賊とかじゃ無いよな。」
「そうですわね、魔法の腕前も、そこそこの物だったので、
何らかの訓練を受けた者たちですわ。」
「領主さまが、何か知ってそうだったから、
聞かせてくれるかな?」
「そうですわね。」
暫くすると、馬車隊がやってくるのが見えた。
「ライ、フローラ、怪我は無いか?」
「はい、2人とも大丈夫です。」
「そうか、それは良かった。
お前たち!襲撃者共を馬車に積み込め!」
「「「はっ!」」」
領兵たちが、縛ってある襲撃者たちを、
空の馬車に乗せていった。
「なるほど、あの馬車は襲撃者を積むために用意してあったのか、
と言うことは、領主さまは今回の襲撃を予見していたのですね。」
「そうだ、そのために腕利きのライたちに依頼したのだ、
そろそろ、今回の事情を話しても良いと思うので、
ライも、私の馬車に乗り込んでもらえるか?」
「分かりました。」
馬車が走り始めて少しすると、領主さまが語り始めた。
「今回、私が急遽、王都を訪れる事となったのは、
王が急病で、お倒れになったからだ。
王の病状は思わしくなく、
王城では、あちらこちらで次の王の話題が上がってるらしい、
王の父親である前王は、私の父の兄に当たり、
つまり、私は王の従弟なのだが、
私が王の息子である、王子を次の王に望むのを、
良しとしない者が居るのだ。」
「なるほど、その人物が今回の襲撃を企てたのですね、
その人物が誰か分かっているんですか?」
「ああ、今回の襲撃の黒幕は、
王の弟君で在らせられる、クロマーク公爵だ。」
「名前が悪いよ!
前王、もっと考えて名付けろよ!」
「襲撃者共を取り調べても、恐らく黒幕までは辿り着けぬだろうが、
良い牽制にはなると思うので、ライたちの働きには感謝するぞ。」
「ありがたき、お言葉です。」
「恐らく、もう襲撃は無いと思うが、
一応、王都に着くまでは警戒を続けてくれるか。」
「はい、分かりました。
領主さま、一つだけ確認して置きたい重要な事があるのですが、
よろしいですか?」
「うむ、何だ?」
「前王さまが、領主さまの御父上の兄と言う事は、
お二人は似てらっしゃったのですか?」
「ああ、前王はアゴ髭が無かったが、父とソックリだぞ。」
「髭が無い!?
あの~、それで前王さまは、王城に居らっしゃるのでしょうか?」
「いや、前王は5年前に病で亡くなられた。
原因不明の病で、急に「海〇王に俺は成る!」と仰られて、
謎の実を「その話は、その辺までで止めて置いて下さい!」
うむ?そうか?」
(ふ~っ、前王さまは居ないのか。)
「あの~、では、王さまは、
前王さまに似ていらっしゃるのですか?」
「いや、王は私に似て筋肉質だぞ、
若い頃は、共に戦場で暴れたものだ!」
「そうですか!
それさえ、お聞きできれば、安心して王都へ迎えます!
ありがとうございました!」
「そうか・・・?
何か良く分からんが、それは良かった。」




