旅にて・・・
ロックマイマイの討伐に対する、
お褒めの言葉と、かなりの金額の報奨金を頂いたので、
領主さまに、お礼を言ってから帰ろうとしたライたちに、
領主が話しかけた。
「ロックマイマイに関する事柄は以上なんだが、
私からの新たな仕事の依頼の、話を聞いて貰えないだろうか?」
「どの様な仕事でしょうか?」
「じつは、急遽、
王都まで行かなくてはならなくなったんだが、
事情があって、実力がある冒険者の同行が必要なのだ、
今回、ちょうどライたちとの縁が出来たので、
依頼しようと考えてな。」
「そうですか、俺は良いのですが・・・」
と言ってから、フローラたちを見ると。
「私は、
久しぶりに王都で暮らす友人に会いたいので、よろしいですわ。」
「アタイも、一度、王都の武器屋を見てみたかったから良いよ。」
「との事なんで、依頼をお受け致します。」
「おお、助かるぞ!
出発は、3日後の朝になるので城まで来る様にしてくれ。
使いの者に、ギルドにクエストを依頼して置くように言いつけるので、
後で顔を出して登録しておいてくれ。」
「分かりました。」
それから俺たちは城を後にして、
旅に必要なものを、
ベテランのフローラに聞きながら揃えて周り、
ひと通り、必要と思われる物は揃った様なので、
ギルドに登録に行く前に、宿の食堂で一休みする事にした。
「フローラは、暫く王都に居たんだよな?」
「ええ、そうですわ、
ある理由によって神と呼ばれる女性と、
世界に3人しか居ないS級冒険者の女性と、
3人でパーティーを組んでおりましたわ。」
「へ~、S級って、やっぱり凄かった?」
「ええ、ライさまたちに分かりやすく説明しますと、
S級ともなれば、先日のロックマイマイを一人で倒せますわ。」
「あれを、一人でか!」
「やっぱ、凄いね~。
でも、フローラはA級なんだから、その内に成れるんじゃ無いの?」
「いいえ、A級とS級の間には大きな差がありますわ、
私は、自分の実力を把握してますから、
今後もS級には、手が届かないと分かりますの。」
「フローラでも成れないのか・・・」
「ええ、でもライさまなら、経験を積めばS級に成れると思いますわ。
ライさまには、彼女と通ずる物を感じますので。」
「そうか、じゃあS級冒険者を目指して頑張るかな。」
「そうよ、アタイも協力するよ!」
「私も、今までの経験で教えられる事は、
ライさまに、お伝えしますわ。」
ギルドでクエストの登録を済ませて、
3日後の朝に領主の城を訪ねた。
城の入り口には、何台も馬車が停まっていて、
領兵(領主お抱えの兵士)たちが、
慌ただしく準備を進めていた。
「なあ、フローラ、空の馬車が1台あるみたいだけど何かな?」
「さあ?途中の街で、
王都への、お土産でも購入されるんじゃないかしら。」
「なるほど。」
「おお、ライ、フローラ、リーナよ、来ておったか。」
「おはようございます。領主さま。
本日より、お願いします。」
「おはようございますですわ。」
「おはよう領主さま!」
「うむ、3人とも頼むぞ。」
馬車で移動する間は、ライが御者と共に御者台へ座って、
気配察知で周囲に気を配るようにして、
フローラとリーナは、領主の馬車に乗り込んでの護衛となった。
タナーカの街から王都までは、
馬車で1週間の旅路となるが、馬車での旅が初めてのライは、
見る事、聞く事初めてばかりで新鮮だった。
5日目までは、大した問題も無く、
時折、現れる魔獣も領兵たちが容易く片付けていた。
状況に変化があったのは、6日目の午後だった。
山道を進む馬車隊が、
山間の森に近づいた時に、ライが声を上げた。
「みんな!停まってくれ!」
馬車隊が停止すると、馬車から領主が顔を出してライに尋ねる。
「ライどうしたのだ?」
「ここから、少し進んだ場所で、
大勢の者が、待ち伏せている気配があります。
このまま、皆で進んで混戦になると、
思わぬ危険を呼び込む恐れがありますので、
リーナを護衛に残しますから、
領主さま達には、こちらで待機していただく事にして、
俺とフローラで制圧に向かいたいのですが、いかがですか?」
「やはり、来おったか!
ライの立てた作戦で構わぬが、
話を聞き出したいので、何人か生かして捕えてくれぬか?」
「了解しました。
リーナ、領主さまを頼むぞ。
行くぞ!フローラ。」
「アイヨ!」
「分かりましたわ!」




