またまたまた街にて・・・
「分かりましたこと?
以上の話を鑑みますと、
私の結婚相手は、ライさま以外に考えられませんのよ。」
「だが、断る!」
俺は、ギルドの練習場から逃げ出した。
「逃がしませんことよ!」
と言う訳で、
ようやく、冒頭の部分へと繋がる訳だ。
フローラの執拗な追跡を何とか躱して、
常宿に帰り着いた俺は疲労困憊していた。
何しろ、相手は一流の冒険者なので、
自分の持ちうる能力と、魔導具をフルに活用しての、
薄氷の勝利と言えるであろう。
「あ~、今日は、もう何もしたくね~、
良いや、もう寝るとするか。」
身体的にも、精神的にも疲労していた俺は、
夕飯も食べずに、深い眠りへと落ちて行った。
一晩、ぐっすりと休んで、
スッキリとした気持ちで部屋のドアを開けると、
目の前にフローラが立っていた。
「何で居るの?」
「ギルドで聞いて、
ライさまと同じ宿を取ったからですわ。」
俺が、そのまま、ドアをバタンと閉めると、
「ライさま~、ここを開けなさい、
開けないとドアを、ぶち破りますわよ~。」
俺は、この宿が気に入っているので、
ドアを破壊などすると追い出される危険が考えられる為、
仕方がないからドアを開けて外にでた。
トイレに入ると、
「ライさま、私との結婚を認められないと、
ここから出しませんわよ、トイレットペーパー投げ込みますわよ、
水魔法で上から放水いたしますわよ。」だし、
食堂では、
「はい、ア~ンですわ、
妻たる私が食べさせてさしあげます。」といった具合だ。
「いい加減にしろ~!
そんな事で、俺が折れると思っているのか!」
「あら、分かりませんわよ、
こういう一つ一つの積み重ねが・・・」
カーン!カーン!カーン!
突然、街の鐘が鳴り響いた。
「何だ?」
「ライさま、ギルドの非常招集です!
直ちに向ますわよ!」
「非常招集?
分かった行ってみるか。」
フローラと一緒にギルドに着くと、
そこには、冒険者たちが溢れかえっていた。
少しするとギルマスが出て来て、
大声で話し始める。
「静かにしろ~!
今から、説明を始める。
先ほど、草原にクエストに出ていた冒険者から、
この街の方向に向かって、ロックマイマイが進んでいるのが、
確認された。」
「マジかよ!」
「ウソって言ってくれ~!」
「おれ、家族を避難させなきゃ!」
冒険者たちが騒いでいる。
「ロックマイマイって、何か可愛いらしい名前だな。」
「ライさま、ご存じありませんの?」
「何が?」
「ロックマイマイは、災害指定されている、
S級魔獣で、討ち漏らせば街が滅びますわよ。」
「マジか!!」
確かに、冒険者たちが大騒ぎするのも納得できる。
「お前ら、静かにしろ!
本来なら、領主様が中心となって討伐隊が編成されるんだが、
あいにく、この辺の領主会議に行かれているので、ご不在だ、
だから、俺が代理で陣頭の指揮を執るから心得ていてくれ、
いいか!この街を守り抜いて、みんなで美味い酒を飲むぞ!!」
「「「「おう!」」」」
冒険者たちは、手に手に武器を取って、
街の入り口へと向かった。
「俺たちも、向かうぞ。」
「分かりましたわ、お供致しますわ。」
街の入り口には、若者を中心とした義勇兵も集まっているようだ。
「ライ!」
「おう、リーナも行くのか。」
「当たり前でしょ、アタイたちの街なんだから、
自分で護らなきゃね。」
「そうだな。」
「みんな、聞いてくれ!
俺が今回の討伐隊の指揮を執る、
冒険者ギルドの、ギルドマスターを務めるガンツだ!
義勇兵の皆は、連携攻撃の妨げにならない様に、
冒険者の指示に従って行動してくれ、
魔法職の者は、攻撃魔法と治癒魔法の役割分担をしっかりして、
魔獣の攻撃射線に入らないように十分注意すること、
前衛の者たちは、無理な攻撃はせずに、
魔獣の進路を変えることに専念してくれ、以上だ!
いいか、お前ら、
絶対、生きて帰ってくるんだぞ分かったな!
それでは行くぞ!!」
「「「「「おう!」」」」」




