またまた街にて・・・
「今度は、これだ!」
俺は、水魔法の水弾を放つが、
フローラの魔法障壁に跳ね返される。
「水魔法も効きませんわよ。」
「でぇ~い!」
俺は、豊富なMPに飽かせて、
跳ね返されるのを承知で、次々と水弾を撃ち込んでいく、
たちまち練習場には水溜りが出来始めた。
「そろそろ、頃合いかな?」
俺は、水魔法を撃つのを止めて、
フローラに向かって走り始める。
「ビックリする程の魔力量ですけど、
もう、打ち止めかしら?」
フローラは、俺がMP切れになったと思ったようだ。
俺は、フローラの近くまで行くと、
足元の水溜りに向かって、電撃パンチを撃ち込んだ、
水溜りの中をピシャーッ!と稲妻が走っていく、
フローラの足元まで走ると、
フローラが「ガッ!」と声を発して倒れ込んだ。
俺は、すぐさまフローラの元に駆け付けて、
容態を見た。
「ライ、フローラは大丈夫か?」
ギルマスが訪ねてきたので、
「はい、気を失っている、だけみたいです。」と返答した。
「まさか、本当にフローラを破るとはな、
ライよ、本当にお前は、いつもビックリさせてくれるのう。」
「ホント!特に、最後の攻撃よね、
なんか、ピカッ!って光ってたけど、あれは魔法攻撃なの?」
「ああ、フローラは強敵だったから、
俺も、奥の手を使わざる負えなかったんだ。
二人とも、
俺の秘密を打ち明けるから、内緒にして置いてもらえるか?」
「おお、良いぞい。」
「ライが隠したいって言うなら、
アタイは誰にも話さないわ。」
「ライ、良いのか?」
ギルマスが聞いてくる。
「ああ、オッサンたちなら信用できるから、
話して置いたほうが良いと思うんだ。」
「お前が良いなら、俺も良いと思うぞ。」
ギルマスの了解を得たので、
「最後に使った、俺の魔法だけど、
あれは、雷魔法だ。
まあ、正しくは雷魔導なんだけどな。」
「おい!魔法じゃなくて魔導ってのは、俺も初耳だぞ!」
ギルマスが言ってくる。
「ああ、魔導なんて言うと、
面倒が起ると思って、魔法にしておいたんだけど、
結局、同じだったな。」
「まさか、伝説の雷魔法使いとは驚いたの。」
「ホント、物語の中だけの魔法かと思っていたよ。」
「やっぱり、さっきのは雷魔法でしたのね。」
「フローラ!起きていたのか!?」
「いえ、今、目が覚めましたのよ。」
「あの~、出来れば、内緒にして置いて、
欲しいんだけど・・・」
「よろしいですわよ、
わざわざ、優秀な冒険者を、
国に、くれてやる事はございませんもの。」
やはり、A級冒険者だけあって、
雷魔法が使える事がバレた場合の面倒事が分かるようだ。
「助かるぜ。」
「ところで、手合せは、
ライの勝ちって事でいいの?」
「ええ、私の完敗ですわ。」
「やったぜ~!
で、何時、出発する?」
「どこかへ行かれますの?」
「い、いや、ほらエルフの里へさ~。」
「ああ、あれはウソですわ。」
「何ですと~!!」
「私は、ある重要な使命を果たすために、
周囲の反対を押し切って、
半ば、家出同然に里を飛び出して来ましたから、
今更、帰れる筈ございませんわ。」
「ウソだと言ってよ!チャ~リ~!」
「チャ~リ~って誰?」
「いや、何となくだ。
本当に楽しみにしてたのに、
何てウソを吐いてくれるんだよ。」
「申し訳ないので、特別特典を付けて差し上げますわ。」
「えっ!何々?」
「私と、結婚する権利ですわよ、
喜んでも宜しいわよ!」
「えっ?ちょ~いらないんだけど・・・」
「遠慮することは、ございませんのよ。」
「いや、遠慮してるんじゃ無くて、
俺まだ、結婚とかする気ないし。」
「何を、仰ってますの、
この私が結婚して、差しあげると申してるのに、
断るなんて、あり得ませんわ、
良いでしょう、あなたにはエルフの結婚の秘密を、
お話して差し上げますわよ。」
「え~、それって聞かなきゃダメ?」
「黙って聞きなさいませ!!
いいですこと、あなたはエルフが生涯に、
何回、結婚するかご存知のこと?」
「え?他の種族より、長生きなんだから、
2~3回はするんじゃないの?」
「いいえ、違いますわ。
長き生涯に於いて、
ほとんどのエルフは一度しか結婚しませんの、
ただ一人の伴侶と子を生すのですわ。」
「へ~、そうなんだ。」
「ただ一度の結婚なのだから、
相手選びには、細心の注意を払いますの。」
「まあ、そうだろうな。」
「A級冒険者へと、上り詰めた私と、
釣り合うような殿方が、
一体、何人いるかと思われますの?」
「え~、少しは居るんじゃないの?
ほら、ギルマスとか強そうじゃん。」
「あの坊やはダメですわ、
15の時に、娼館で筆下しした相手がオーク似の女性で、
それ以来、男にしか立たなくなりましたから。」
「ギルマスを坊やって・・・
それと、とっても重要な情報を知らせてくれてありがとう!」




