まだまだ廃坑にて・・・
二人とも着替え終わったのを確認してから、
先程アイテムボックスから、
着替えを取り出す時に、気になった事を確認することにした。
「リーナ、これ見てくれるか?」
俺が、アイテムボックスを操作すると、
ドカッ!と、
大きな音を発てて、巨大なインゴットが出て来た。
「何これ!
これって、アダマンタイトよね・・・
それに、これ凄く高品質よ!」
「やっぱり、そうか。
さっき回収したメタルモンキーを解体したら、
このインゴットになったんだよ。」
「これが、メタルモンキー!?」
「これと、同じインゴットが、
あと2つ程あるから、ぼろ儲けだな!」
「あんた、商売ってもんが分かってないわね、
アダマンタイトの人気が高いのには、
品質が良いっていう点が確かにあるけど、
希少性っていうのも大事なポイントなのよ、
誰でも、簡単に入手出来る様になったら、
持っててもステータスにならないでしょ。」
「へ~、そういうのも、あるのか。」
「だから、このインゴットは、
小出しに使っていく方が儲かるわね。」
「さすが、商売人の娘だな。」
「もっと、褒めてもいいわよ。」
「あ~ハイハイ、
しかし、メタルモンキーからアダマンタイトだ出来るとはね・・・
あっ!俺、すごい事を考え付いちゃったんだけど!」
「何よ。」
「俺たちが、一生懸命、拾ってたアレ、
メタルモンキーのウ〇コなんじゃね?」
「!?・・・・・・」
「形といい、大きさといい、
もう、それ以外に思えないんだけど!」
「そう・・・ね、
メタルモンキーの素材がアダマンタイトになった事からして、
そう考えた方が自然よね。」
「うぷぷぷっ!
オッサンに話したら、ひっくり返るだろうな。」
「あんた、笑いごとじゃ無いわよ。」
「何で?ちょ~面白いじゃん。」
「良く考えなさいよ、
王様に、魔獣のウ〇コを献上してたなんて分かったら、
下手すりゃ街ごと消されるわよ・・・」
「それは、大問題だ!」
「いいこと、この秘密は、
絶対、外部に漏らしちゃダメよ、
もし、漏れたのが分かったら、
アタイのドワーフキックを、
今度は脛じゃなくて、
股間に、お見舞いするからね!」
「ナンですと!?」
思わず内股になってしまった。
あの、強烈な蹴りを股間に貰った日には、
称号が『電撃の勇者』から、
『電撃のプリンセス』に変っちゃうぜ・・・
「この秘密は、
墓まで持ってく心積もりでいるよ。」
「頼むわよ。」
雨が上がってきたので、
街へと帰ることにした俺たちは、
来た時と同じ行程を辿り、
途中一泊して、
問題なく街に帰りついた。
インゴットをオッサンに渡して、
今回、発見した事などをリーナと一緒に説明したところ、
やっぱり、オッサンも秘密にしたほうが良いだろうとの事だった。
何日か経ってから、
オッサンが、アダマンタイトの剣を完成させたと聞いたので、
見せて貰いにいった。
「へ~、これが、アダマンタイトの剣か、
すげえ重いけどカッコイイな~!」
「ライの、お蔭で良い材料が手に入ったからな、
納得の行く物が出来たぞい。」
「ね~、ライ、見て見て!」
「あ~っ!
アダマンタイトの盾とハンマーじゃん!
ズルいぞ!リーナ!」
「へへ~っ、良いでしょ~。」
「いいな~、俺も欲しいな~。」
「欲しかったら、
今回の、お礼に作ってやるぞい、
材料なら、お蔭さまで、たっぷりあるからな。」
「ホント!?俺、大剣が欲しいな!」
「そんなもん作っても、
ライじゃ振れないじゃん。」
「良いんだよ!
将来、俺の身長が2メートルを超えて、
体重が100キロ超えした時に使う予定なんだから。」
(漢のロマン武器は必要だよね。)




