まだ廃坑にて・・・
作業はサクサク進んで、
アイテムボックスには、かなりの量の、
良質なアダマンタイトが確保できた。
「そろそろ、引き上げるか?」
「そうだね、剣を作るには十分な量を、
確保できたよ。」
その時、突然、大きな音と振動が響いた。
ゴロゴロゴロ、ド~ン!
「びっ、びっくりした~、
何だ今の?雷か?
あんなに良い天気だったのに、
山の天気が変わり易いって本当なんだな。」
「何を、落ち着いてるの!
急いで、ここから出るよ!」
「何、慌ててるんだ?」
「雷雨になったら、
メタルモンキーが帰って来るかも知れないでしょ!」
「な、なるほど、
そりゃ、急がなきゃな・・・」
俺たちは、急いで出口に向かったが、
少し遅かったようだ、
気配察知に3匹ほど反応している。
俺は、リーナの肩を掴んで止めた。
「なっ・・・」
声を上げそうになったので、
手のひらで口を塞いで小声で話しかける。
『3匹、帰ってきた。』
『そりゃ、まずいね。
匂いとかで気付かれるかも知れないよ。』
俺は、ソッと覗いて見ると、
そこには、身の丈2メートルは越えていると見える、
黒光りする金属の体をしたゴリラが居た。
『モンキーって言うより、
ゴリラじゃんアレ!』
『ゴリラって何?』
『ゴリラ居ないの?』
『聞いたこと無いね。
どんな形してるんだ?』
『え~と、サルを大きくして、
ゴツくしたような・・・』
『じゃあ、モンキーで合ってるじゃん。』
『そうか。
・・・そうか?』
ちょっと違う感じもしたが、
今は、それどころじゃないので良しとしよう。
しばらく、メタルモンキーを観察していたが、
一つ気付いた事がある。
『あれ?もしかして・・・』
俺は、アイテムボックスから大盾を取り出して、
リーナに渡しながら、
『ちょっと、閃いたことがあって試したいから、
ここで、隠れててくれる?』
『了解。』
俺は、メタルモンキーたちに向かって、
スタスタと歩いて近づいた。
「ウホッ!ウホッ!ウホ~ッ!」
ドカドカと胸を叩いて、声を上げながら威嚇してくる。
「やっぱり、ゴリラじゃん・・・」
俺は、殴りかかってくるメタルモンキーを躱しながら、
いつもの様に電撃パンチを入れた。
バチバチッ!×3
ドサッ!×3
「やっぱりな、異常に雷を怖がってたから、
そうじゃないかと思ったけど、
金属製の体じゃ電気が弱点なのが、当たり前だよな・・・」
今まで、メタルモンキーを倒せなかったのは、
雷魔法の使い手が居なかったからだろう、
だが俺にとっては良いカモと言える。
メタルモンキーの死体をアイテムボックスに回収してから、
リーナの元に戻った。
「リーナ、メタルモンキーは倒せたぜ。」
「えっ!?どうやって倒したの?」
(う~ん、どう説明するかな?)
「え~と、昨日、話した気功ってあったじゃん、
あれを試してみたら攻撃が通ったんだよ。」
「えっ!それって大発見じゃない!
発表したら大騒ぎになるわよ!」
(ホントに効くか分からないので、ヤメテ下さい・・・)
「とっ、とにかく、他のヤツらが戻らないうちに、
ここを出ようぜ。」
「そうね。」
俺たちは、メタルモンキーの巣穴から出て、
十分に離れた場所にある、
別の廃坑に入って雨宿りする事にした。
俺は、アイテムボックスから、
リーナの荷物と、自分の着替えを取り出しながら声をかけた。
「風邪ひかないように、早く着替えたほうが良いぜ。」
「そうね。」




