店にて・・・
「オッサン居るか?」
「おお、ライか、ギルドでクエストの話は聞いたかのぉ?」
「ああ、今、登録を済ませて来たぜ。」
「それは、助かるぞい。」
「そんで、クエストの内容は?」
「おお、この街の特産で、アダマンタイトと言う金属があるんじゃが、
知っとるか?」
「確か、とても重くて、硬い金属だよな。」
「そうじゃ、それで、
この度、この街の領主様が王都に行くことになったんじゃが、
王様への献上品として、
アダマンタイト製の剣を持って行くことになったんじゃ、
ところが、生憎と材料のアダマンタイトが品切れでの、
そこで、ライには、ワシの娘と一緒に採りに行って欲しいんじゃ。」
「娘さんと?
俺は、鑑定のスキルがあるから、
場所さえ教えてくれれば、一人で採ってこれるぜ。」
「ちょっと待っておれ・・・
ここに、2つのアダマンタイトがあるが、
どちらが上質の物か分かるか?」
オッサンの両手には、直径3センチほどで、長さが20センチほどの、
黒光りする金属棒が握られていた。
鑑定してみたが、
両方とも、アダマンタイトの棒としか表示されない。
「これって、違う物なのか?」
「ああ、右手に持っておるのが上質の物じゃ。」
見た目じゃ、全然、区別が付かない。
「娘には、子供の頃から鍛冶仕事を教えているから、
鍛冶の腕前は、まだまだじゃが、金属の目利きは一流じゃぞ。」
「そう言うことなら、一緒に行って貰うとするよ。」
「そうか、では、呼んできて挨拶させるから、
ちょっと待っておれ。」
オッサンは店の奥に向かって、
大声で話掛けた。
「おお~い!リーナは居るか!
ちょっと、店まで来いや!」
「あいよ~!」返事が返って来た。
少しして、店の奥からドワーフの幼女が出てくる。
「アタイに何か用事?」
「おお、冒険者のライを紹介するぞい。」
「オッサン、娘って幼女なのか?」
「誰が幼女だ!」
向う脛を蹴ってきた。
「俺は、いつも魔法で障壁を張ってるから、
幼女の蹴りくらいじゃ・・・
うおおおおぉ~!痛って~!
折れてる?ねぇ、折れてるんじゃない!?」
恐るべきことに、
ただの蹴りが、俺の障壁を、ぶち抜いて来た、
幸い骨には異常が無かったが、
言葉使いには十分、注意しようと誓った。
「娘は、こう見えても18歳じゃぞ、
小柄なドワーフの中でも、ひと際、小柄じゃが、
力はワシが若いころ以上じゃ。」
「そういう、大事な情報は、もっと早く欲しかったぜ。」
「アタイは、父ちゃんの娘のピッカリーナだ、
親しい人はリーナって呼ぶから、
アンタも、そう呼んで良いぜ。」
(ピッカリーナって・・・)
「おう、俺はライだ、リーナ、よろしくな。」
「ライ、よろしく!」
「それじゃ、顔合わせも済んだことだし、
採取の予定を立てるかの。」
「ああ。」
「あいよ。」
「アダマンタイトが採れるのは、
街から一日半ほど行った所にある、昔の鉄鉱脈の鉱山跡地での、
鉄を掘り尽くしたので廃坑になってるんじゃが、
その廃坑の一つに、メタルモンキーという魔獣が住み着いておって、
その住処の、奥の方にアダマンタイトがあるんじゃ。
メタルモンキーは、魔法や打撃が効かないから、
メスや子供も連れて猟に出かけておる、
昼間を狙って採取してくるんじゃ。」
「了解した。」
「分かったよ。」
「そんじゃ、いつ出発するか?」
「アタイは準備してあるから、いつでも良いよ。」
「それじゃ、
俺は、帰りがけに店に寄って、野営の準備や食糧を揃えるから、
明日の朝に出発で良いか?」
「ああ、いいよ。」
「じゃ、明日の朝、店に迎えに来るから待っててくれ。」
俺は、オッサンの店を後にした。




