またまたギルドにて・・・
特訓の、お蔭もあって、
雷魔法がバレる恐れが低くなったので、
それからの俺は、
ランクを上げるためにクエストを熟す日々を送った。
クエストの途中で、
前から狩りたいと考えていたフラッシュベアの狩りにも行ってきたが、
両目から一つずつ、光の石が採れたので、
魔道具屋さんに持ち込んで、
一つを普通の魔導ランプにして、
もう一つは図面を書いて説明して懐中電灯の様な形にしてもらったところ、
今まで、こういう形が無かったようで、
売上の5パーセントをアイデア料として渡すから、
冒険者に販売させて欲しいと言われた。
元々、俺のアイデアという訳でもないので、
許可を出したところ、超ヒット商品になったようで、
かなりの額が入ってくるようになった。
「街の冒険者に売りきったら、売れなくなるんじゃないか?」
と魔導具屋に聞いたところ、
タナーカの街は、勇者になる前のイチローが冒険者になって、
それから、勇者へと成り上がって行った街なので、
世界中の冒険者たちが、それに肖るために、
一生に一度は訪れたい街との事で、
しょっ中、新しい冒険者が来るから売上が落ち込むことは無いとの事だった。
一か月ほど、順調にクエストを熟して、
ポイントを稼いできたので、
今日のクエスト完了でD級へのランクアップになると思われる、
俺は、いつも通りに無理なくクエストを終えて、
午後3時頃にはギルドへの道を歩いていた。
その、俺の前に、立ち塞がったヤツらが居る。
「くおら~小僧!最近ギルドで名を上げてるらしいな~。」
「調子に乗ってるんじゃねえぞ!ごらぁ~!」
誰かと思えば、前に武器屋のオッサンに絡んでいた、
世紀末馬鹿コンビだった。
しかも、2匹から4匹に増幅している。
「なんだ、お前らか、
前に見た時より増えてるみたいだが、
もしかして、あれか?1匹見たら10匹居ると思えってやつか?」
「誰がゴキだ!くおら~!」
「ふざけた事言ってると、ぶっとばすぞ、ごらぁ~!」
「それで、俺に何か用か?」
「お前は有望株らしいから、
特別に、俺たちの仲間に入れてやるぞ、くおら~!」
「仲間って何だ?」
「我々は、ケモ耳受付嬢を愛でる会、
パーティー名『ロザリアの穴』だ、ごらぁ~!」
「よく、そのパーティー名の許可が出たな。」
「もちろん、非公認だぜ、くおら~!」
何か、まともに相手にするのが面倒くさくなってきた・・・
「あ~、その『ロザ穴』には入る気無いから。」
「〇ナ雪みたいに、略してんじゃないぞ、ごらぁ~!」
「ア〇雪知ってるの!?何で!?」
「何となくだ、くおら~!」
「とにかく!俺は、その怪しげな会には入る気無いから、
もう行かせてもらうぞ。」
「黙って通すと思ってるのか、くおら~!」
「この前は、2人だったが、今日は4人だぞ、ごらぁ~!」
ドスッ!×4
ズルズルズル・・・×4
ドサッ!×4
「ふう、無駄な時間を過ごしてしまったぜ・・・」
「おかえり、ライ君、
今日も怪我しないでクエスト完了した?」
「ああ、これが素材だ。」
「品質も、数も問題ないわね、
じゃあ、これでD級にランクアップよ、おめでとう!」
「おお、やっとだぜ。」
「何、言ってるのよ!
私が受付を初めてから結構経つけど、
こんなに早くD級に上がるなんて聞いたこと無いわよ。」
「そうなのか?」
「そうよ、普通の冒険者は、
2~3日クエストを熟したら休むもんだけど、
ライ君は、7日に1度しか休まないじゃない。」
「ああ、それは、
俺が育った村の村長である、
初代ゴブリーンが、休日は7日に一度って決めていたからなんだ。」
「へ~、勤勉な村長だったのね。」
「おう、俺の村は、
近隣の村から、エコノミック アニマルとか、
働き蜂とか呼ばれて恐れられていたぜ。」
「そんな村で育ったから働き者なのね。」
「まあ、そうだな。」
「そう言えばピッカリーさんから、
ライ君に対する、指名クエストが入ってるけど、どうする?」
「オッサンからか?
オッサンには、このグローブのメンテとか頼んでいるから、
もちろん受けるぜ。」
「前から、気になっていたんだけど、
そのグローブの素材って、
もしかして、ブラッククロウラー?」
「おおっ!さすがギルドの受付だな、
見ただけで分かるのか?」
「ええ、光沢とか、ずっと使ってるのに破けた感じとか無いしね、
相当、高かったんじゃないの?」
「ああ、1組30万ギルだ。」
「さすがに、稼いでいる冒険者は装備も一流ね。」
俺は、片手を顔の前で拡げながら、
「ああ、このグローブじゃなきゃ、
俺の荒ぶる魂を抑えられないんだ。」
「あ~、ハイハイ、
それじゃ、クエストは登録して良いわね。」
「最近、俺の扱いが雑じゃないか?」
「それだけ、親しんだってことよ。」
「まあ、良いか、
おう、クエストは登録で頼む。」
「では・・・・
はい、登録完了っと、
依頼内容とか条件なんかを、
ライ君と会って、直接、打ち合わせたいって仰ってたから、
行ってみてくれる?」
「ああ、これから行ってみるよ。」
俺は、ギルドを後にしてオッサンの店を目指した。




