まだギルドにて・・・
「この世界には、属性魔法というのが、
火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、白魔法、黒魔法の、
6種類あると言われている。
他にも生活魔法や空間魔法などがあるが、属性魔法と呼ばれるのは、
この6つじゃ。」
「雷魔法は?」
「昔から、あるのでは?
と言われていたが、
確認されたのは、おそらく、おぬしが初めてじゃ。」
「マジですか?」
「マジじゃ。」
「それって、かなり面倒なんじゃ・・・」
「おぬしに雷魔法が使えると分かったら、
国単位で抱え込み競争となるじゃろうな。」
「あの~、内緒にしていただく訳には・・・」
「構わんぞ。」
「えっ!?構わないんですか?」
「ああ、我がギルドとしても、
優秀な冒険者が入るのは、ありがたいからな、
あとは、おぬしが注意すればすむ事じゃ。」
「はい、暫くはソロでやるつもりですし、
気を付けるようにします。」
「うむ、それが良かろう。」
「しかし、ホントに、
今まで一人も雷魔法を使わなかったんですか?」
「伝説では、勇者イチローが全魔法適正という、
スキルを持っておったので、
使おうと思えば使えたらしいがな。」
「何で、使わなかったんですか?」
「何でも、勇者の国に居た頃に、
電気風呂なるものに入ってから、
電気が怖くなってしまったそうだ。」
「勇者、どんだけビビリなの!?」
「そういう事じゃから、
雷魔法の使用には十分注意するのじゃぞ。」
「分かりました。」
俺は、ケモ耳嬢と一緒に、
ギルドマスターの部屋を後にした。
「それでは、こちらがライ様にギルドカードになります。
本人しか使えないように登録しますので、
こちらに、右手の人差し指を置いて下さい。」
(おお、指紋認証なのか、意外とハイテクなんだな。)
「あっ!こちらのインクを付けてから、
お願いします。」
「めちゃくちゃローテクだな!!」
「カードの登録が済みましたので、
ギルドのシステムを、ご説明しますがよろしいですか?」
「ああ、頼む。」
「ライ様は魔法が、お使いになれるので、
通常だとG級からなのですが、E級冒険者からとなります。
あちらの掲示板に、各級ごとのクエストが貼りだして御座いますので、
お受けになるクエストの用紙を、
こちらのカウンターに、お持ちいただいて登録します。
クエストは難しさによってポイントと報酬金額が決まっていて、
無事に終えますとポイントはカードへと加算され、
報酬は、こちらのカウンターで精算となります。
各級とも100ポイント加算されたら、上の級にランクアップします。」
(なるほど、その辺はファンタジー小説そのままだな・・・)
「何か、ご不明な点が御座いますでしょうか?」
「クエストに関係ない、魔獣の素材や、
薬草なんかは買い取ってもらえるのか?」
「はい、ギルドの裏手にある、買取所でカードを提示していただけば、
お取引しております。」
「分かった。
クエストは、明日から受けることにして、
今日は、手持ちの素材を売ってから帰ることにするわ。」
「かしこまりました。
ライ様の、冒険者生活に幸多からんことを、お祈りします。」
俺は冒険者ギルドの入り口を出て、
裏手にあるという買取所を訪れた。
買取所はカウンターの奥に、大きな倉庫を備えていて、
これなら、かなりの大物でも収まりそうだ。
「すいません!素材の買い取りを、お願いしたいんだけど。」
「おう!」
声を掛けると、倉庫の奥の方から返事が聞こえて、
人族で、なかなかの筋肉を持った中年男性が出て来た。
「うん?お前、見ない顔だな。」
「ああ、今日、冒険者登録をしたばかりのライだ、よろしくな!」
「おう!ギルド職員のグランだ、冒険者が増えるのは大歓迎だぜ。」
「素材はカウンターに出せば良いのか?」
「薬草なんかは、カウンターで構わない。
大物は奥だな。」
俺は、薬草や、しびれ草などをカウンターに出して、
ブラックウルフの素材や、グレートラビッツの毛皮は、
奥のほうに出した。
「お前、アイテムボックス持ちなのか!?」
「ああ。」
「その年で、優秀なんだな。
この素材はブラックウルフか?」
「ああ、そっちの毛皮はグレートラビッツだ。」
「こんな、デカいの見たことないぜ、
いったい全体、どこで狩ったんだ?」
「俺が住んでた村が、神代の森の向こう側にあったから、
通り抜けるついでに狩ったんだ。」
「ブラックウルフを、ついでって・・・
お前が規格外なのは良く分かったよ。」
「人をバケモノみたいに言うなよ。」
「神代の森を単独で通り抜けられるなんていう、
新人冒険者は十分にバケモノだと思うんだが。」
「まあ、一理あるかな。」
「ブラックウルフの方が150万ギル、
グレートラビッツが50万ギル、
薬草なんかが10万ギルで良いか?」
「ああ、構わないが、
薬草って、そんなに高く売れるのか?」
「この薬草も、神代の森のだろ?
見たところ、かなりの上質だからな、
近頃、この街の冒険者にケガ人が多いから助かるぜ。」
(おっ!これは謎の魔獣を討伐するフラグってヤツじゃないか?)
「何で、最近、ケガ人が多いんだ?」
「隣の街に、SM倶楽部って店ができて、
この街の冒険者たちが通うようになってから、
ムチの傷や、ローソクの火傷が絶えないんだ。」
「この街の冒険者はMばっかりかよ!
せっかくのフラグが台無しだよ!!」




