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家族が旅たち、ぼっちのはずが気づけば…

「宿もお金かかるし、貴方の家に住むわ。」


家族が全員、家を出たとたん。アンが乗り込んできた。

家族は俺を厄介払い出来たとばかりに家から昔の仲間と一緒に出て行った。

ミスタだけは、最後まで一緒に行かないかと言ってきたが、俺は村に居なきゃいけない予感がするので意思は硬い。

ついに諦めた、ミスタだが他の4人はさっさと家を出る支度をしてミスタ待ちの状態だったので、ミスタが覚悟を決めた瞬間出て行った。


「アンが住むのは構わないが、俺の部屋を寒くしないでくれよ、年中暑いとはいえ、部屋が寒いと外に出たくなくなるからな。」


「わかってるわよ、そのくらいの気は使うわよ。」


「ならいいけど。」


アンって何食うんだよ。

めんどくさい事になった。


だけど、気にせずに家を出てギルドに向かった。


「おはよう。」


「おはよう。今日は良い依頼あるかい?」


ギルドに入ったらカウンターに居るギルド職員に挨拶されたので挨拶で返した。


「良い依頼かわからないけど、討伐依頼はいつも通りよ。」


「それは何よりだ。」


討伐依頼が無くなることはない。

討伐しても討伐しても動物も魔物も減らないんだから。


「今日も狼を狩ることにするよ。」


狼の討伐依頼を渡した。


「まあいつもガーガルもギーガルも狩って来てるし、そろそろカッパーへランクアップしないのかい?

もう依頼回数は十分だろう?」


「確かに十分だけどね、まだやめておくよ。ゆっくり成長していきたいからね。」


「そうかいあんたなら十分だと思うがね。」


その言葉を聞きながら、ギルドを後にした。


「今日も狩りますかね。」


最近は休むと決めた日以外はほとんど狼狩りをしている。

イレギュラーとしてたまにギーガルとも戦うけど、槍での近接戦闘ではやっとといったところだ。

魔法を使えば一瞬だけど。今は体を鍛えながら体の動かし方を勉強してる最中だ。


いつも通り、狼を見つけた。


「よしかかって来い。今日も狩ってやるよ。」


声を出して気合を入れ直した。

狼は3方向から向かってきた。


俺は短槍と短剣を構えた。

何かあった時のためと作った棒だったが。

このあたりはどこに行っても森のために短槍と短剣を両手に持って戦闘するのが普通になった。

街道で戦えばまた違うと思うんだけど。

俺は護衛や街道に出てくる狼を狩ったりはしない。

体を鍛えたり、体幹を鍛えるために足場の悪い場所で狩りをしているからだ。


「まずは右。」


3方向から来てる狼の内一番近い右側の狼に右手に持ってる短槍で眉間を一突きにした。


「次は真ん中、そのまま左だ。」


すぐさま、右手で背中から棒を抜き取り、そのまま振り落とした。

左から来た狼もほぼ同時だったから右手を振り下ろすのに合わせて体は左に開くと同時に左腕を振る。

力はそんなに入らないから撫でるようにダメージを与える。

因みに、躱されてたら体が開いてノーガード状態だったが、外さないと思ってた。

一瞬の間が両方に出来るが。

ダメージの無い俺の方が早く動けた。

右手に持っていた棒を両手で持ち。

野球のフルスイングかテニスのフォアハンドのように振り抜き、頭を砕く。


「まだ駄目だ。3頭倒すのに時間が掛かりすぎる。」


ギーガルとガーガルが数頭同時で攻めてくるのをイメージして狼とも戦ってみたが、どう考えても遅かった。


「狼だから余裕があったけど。ガーガルだったらやられてた。」


ここ何日かイメージしながら戦闘したがダメだった。

体の出来の問題だ、スペックが既に限界を示してた。

一桁の歳から鍛えて鍛えて鍛え抜いた。

それでもこれが限界だ。

今は身体強化の魔法も使ってないが、使ってギーガルが余裕でも、魔法無しの限界は限界だ。


「くそっ。」


思わず声を出してしまう。

これからは魔法も混ぜた戦闘に切り替えようと思った。

自分の限界がギーガル単体という事実がとても嫌だったがどうしようもない。

体のスペックと同時に俺の格闘センスの無さだ。

これ以上はどうしようもない、経験していけば補えると思ってたが2ヶ月で反応以外の成長が見られない。


この後、俺は悔しさから索敵に引っかかった魔物を全て魔法を使って蹂躙した。

糸の魔法で全て回収して血抜きをしてから、引きずって持って帰った。


村に着いてから気づいた。

普段の俺は3個くらいの依頼を熟すのが最高だったのに。

今持ってるのは100頭以上の魔物や動物の死体だ。


「やっちまった。」


感情に任せて失敗したと思ったが。

村の門番には見られたし、隠し様が無かったので、そのままギルドに向かった。

まだ昼ごろだからか、他の冒険者はなく、目の前にはギルド長が居た。


「ヨーお前。父親の手前実力隠してたんだな。居なくなったとたんにこれか。」


確かに父親が旅立ってから初めての依頼だったが、ギルド長前向き過ぎじゃね。


「実は魔法を練習してて、今日たまたまうまくいったんですよ。」


嘘だと、わかるような言い訳をしてしまった。


「そうだったのか、そういうことにしておこう。」


ギルド長はわかってるわかってると言わんばかりに、俺が父親に恥をかかせない様にしてた設定押しだった。


今日の依頼だけで50件位終わらせてた。


「ヨー、ランクアップ試験無しでカッパーでいいぞ。

お前が一人で狩りしてるのも知ってるしな。

それ、ギーズリーだろ。

それがこの近辺に居たのもびっくりだが、シルバーでも勝てない奴だっているんだぞ。」


ギーズリーは腕がデカイ熊みたいな奴だ。熱の魔法で体内を焼けなかったから強敵だとは思ったけど。

糸の魔法があってよかった。あれでなんとか動きを泊めて喉から焼いて脳まで焼いてやっと倒せた。


「俺の予想だけど、ここら辺の奴らはきっとジェス爺さんが減らしてたんだと思う、でも今ジェス爺さんが居ないから増えたのかもしれない。

この辺りの国境が曖昧なのとフルネイス王国への国境がないのももしかしたらここら辺にはギーガルが出るからなのかもしれない。」


あくまで俺の想像だが、あながち間違ってないと思う。


「そんなことが、嫌でも90年位ギーガルはギルドの討伐記録には無かったし。

ガーガルはジェス爺さんだけが狩ってたな。」


「アンに後で聞いてみるよ。アンならきっと知ってるよ。」


「わかった、頼む。もしヨーの想像が真実だったら俺たちはこれから強い冒険者をギルドに呼ばないといけないかもしれないからな。」


「それは一大事だね。」


そう言いながら、俺は買い取りカウンターから金を貰って家に帰ることにした。


「ただいまー、アン居るか?」


「おかえりぃ、何か用?」


「ジェスじいさんってここら辺の魔物狩ってたか?」


「ジェスというかスケさんが狩ってたわね。」


あれ、ジェス爺さんは何してるんだ?


「ジェスはスケさんか狩ったものをたまに売りにこの村に来てたけど、スケさんが骨目当てに狩っちゃうから、『自分がするがことない』って言って穴を掘り始めたわ。」


ますますわからないジェス爺さん何がしたいんだ。


「なんで穴を掘ってたんだ。」


「自分用の狩場を作るとか言って『地下大帝国を築くんだ』とかわけわからないことを言っていたわね。」


なんて残念なんだジェス爺さん。


「それで?」


「丘の谷間に穴を掘り始めて入口は縦横2m位でドンドン掘っていったわ。」


「結構なデカさだな。」


「そうなのよ、なんでそんなに広いの?って聞いたら、『小さかったら魔物が入れないだろ』とか言い出して、もう説得しようと大変だったのよ。

聞いてくれなかったけど。」


ジェス爺さんはやりたい放題だな。


「それは何歳くらいの時?」


「覚えてないわ20歳くらいの時よ。きっと」


ボケてそうなったのかと思ったら、随分と若かった。


「それってアンが仲間になってそんなに経ってないころってこと?

結局ジェス爺さんはどのくらいまで掘ったの?」


「そうよ仲間になって1年も経ってないわ。戦闘したいのに、全部スケさんが狩るからって50年以上は掘り続けたんじゃないかしら。」


「それって70歳くらいまで掘ってたって事?」


「そうね、そのくらいまで掘ってたんじゃないかしら、もっとかもしれないわ。」


なんて爺さんだ。


「そこには魔物は住み着いたの?」


「動物は住んでたみたいだけど、魔物はダメね。魔物って人の作った者には住み着かない見たいなのよ。」


そうなのか。


「だから街道には魔物はあまり出ないのか。血の匂いに誘われることはあっても。」


「そうね、通り道には普段してないから街道もそうなのかもね。」


へぇ~、そこで気づいた。


「違う違う、そんな事が聞きたかったんじゃないんだ。

俺が知りたかったのはギーズリーやそれ以上の魔物ってこの近辺に出るの?って聞きたかったんだ。

ギルド長が言うには、ここ90年出てないらしいんだけど。それってスケさんが狩ってたからってことだよな。」


「そうね、それであってるわ。そういう言い方したってことはギーズリーが出たのね?」


「そうだよ、初めて見たよ、あんな腕のデカイ魔物。」


まあ、他で見たことはあるんだけど、この体では初めてってことで。


「スケさんが今森にいないから、それは仕方ないかもね。ヨーセンがなんとかしてあげなさいよ。

あなたなら倒せるでしょ。」


「確かに今日倒したから何とかなると思うよ。じゃあこれからは俺が森をスケさんの代わりに歩き回れってことだね。」


「そういうことね。私もやれたらいいんだけど。あの氷がいつ壊れやしないかと怖くて怖くて。

多分死霊王に完全に体を支配されたら、あんな氷、役に立たないわ。」


「じゃあもう一度山に言って金属で覆うか?」


「それでも無駄だと思う、そういうレベルじゃないのよあれは。」


俺はもう何も言えなかった。

台所に行って今日の飯を作ることにした。


なにせ俺にはあれが倒せないんだから。

前にやりあった時は、一撃で吹っ飛び、追撃されてたら死んでるはずだったからな。

今だったら二回躱して一回防いで大ダメージくらって瀕死で、とかそんな想像しか出来ない。

反撃って言葉が出てこない時点で負けだ。


悔しい、悔しいが本当に何も出来ない。

その日は眠れなかった。

悔しすぎて。

読んで頂きありがとうございます

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