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3回目の赤ん坊?一回目は記憶が無いので実質2回目

そんなわけで赤ん坊生活が始まった。


乗り移った日。


「ハーイ、元気ですか~ヨーちゃん。」


新しい人生の俺の名前はヨーセンになっていた。

基本的にヨーかヨーちゃんとしか呼ばれない。

ミスタとフクシャの名前のセンスに少し困ってる。

二人を見て来たから、悲しませたくなくて乗り移ったけど、赤ん坊は大変だ。


「どうしたのかな~、今日は元気でちゅね~」


フクシャが何か言ってるがそんな事は気にしない。

俺は魔法をフル稼働してうつ伏せでも平気なように空気をがんばって吸ってたんだ。

必死な一日が終わり


2日目、今日は体をジタバタさせて筋トレ。


3日目、同じく筋トレ、というか30日ずっと筋トレ。


32日目、遂に俺は寝返りをマスターした。寝返りマスターの俺は家の中を転がりまくった。


更に一ヶ月を費やして、ハイハイもマスターしたハイハイ自体はもっと前から出来ている。

もちろん言葉通りマスターしたのだ。

俺はどんなハイハイでも出来るようになった。

腕はバランス取るだけで足だけでハイハイや腕だけでハイハイ。

右足左手だけでハイハイなど、どんな状況でもハイハイが出来るようになった。


「ねぇ、ママ~ヨーちゃんが気持ち悪い。」


姉に気持ち悪いと言われてしまった。

姉の名前はレシーだったっけ、最近フクシャもおねえちゃんとしか言わないから名前を忘れてしまう。


「レシーそんなこと言わないであげて、私も最近のヨーちゃんは気持ち悪いのよ。

でも、あんなに元気に一心不乱に、うううっ、ハイハイしてるのだから大丈夫よ。オェ」


フクシャよ、そんなに目に涙を溜めて嗚咽しながら大丈夫とか言わないで欲しいんだが。

俺だってがんばって体鍛えてるだけじゃないか。


昼間だからミスタは冒険者として討伐に行ってる。

ちなみに、今は1497年でヨーセンが生まれたのが1496年で、レシーが1493年生まれか。

ミスタとフクシャが結婚したのが1490年だっけか。

ミスタが1497年の今年27歳でフクシャが今年23だっけ?兄弟が後4,5人増えるかもな。


生まれてから1年が経ったらしい、生まれた年はわかっても月日までは覚えてなかった。

9月の二週目が誕生日のようだ。

まあ村での誕生日なんて正確なものはないなんとなくだ。

何月の何週目に生まれたとか、何月に生まれた。それくらいの覚え方だ。


「誕生日おめでとう。もう歩き回ってるのね。

お姉ちゃんもこのくらいから歩き出したけど、ふらふらしてたわ、それに比べて確り歩いてるわね。」


フクシャは相変わらず俺を気持ち悪がってるみたいだ。


「他の子持ちの奴に聞いたが、すぐ上に兄弟が居ると真似するから成長が早いらしいぞ。」


とミスタがフォローしていた。

でもミスタよフクシャも俺も見ないで遠くを見ながら言っても説得力ないからな。


ミスタは今日の誕生日のために、前日から狩りをしてきて、ガーファを取って来たみたいだ。

ガーファは、猪の魔物で肉は生だと、硬いけど煮込むとトロトロになって、豚の角煮にみたいになる。

それを狩って来て、今日は冒険者の仕事は休みにして家に居る。


いい家族なんだが、俺みたいな異質なのが混ざっちゃ駄目だったかな。

でもなぁ、ヨーセンが死んで放心状態になる二人は、見たく無かったし仕方ないよな。


そんなわけで俺は誕生日も終わり。

いつも通り、体を鍛えた。

最近は筋トレをやめて有酸素運動に変えて、毎日歩き回った。


2歳を過ぎた頃には俺は毎日走り回ってた。


レシーは5歳になり、近所のガキと遊びまわっている。


俺は意味もなく、走り回ってた。

本当は意味があるんだけど。

そんな2歳児は居ないので意味もなく走り回ってるように見せて走りまくった。


「なあレシー、お前の弟なんであんなにいつも走ってるんだ。

たまに転んでも泣きもしないし、気持ち悪いんだよ。」


「知らないわよ。私に聞かないでよ、本人に聞いてよ。」


俺は聞いてしまったレシーやフクシャだけではなく、近所の子にも気持ち悪がられていたなんて


「二歳の奴に聞いてもちゃんとした、返事あるのかよ。」


「じゃあ、私に聞いても答えがないのはわかるじゃない、あんなの気にしないで遊びましょ。」


そんな会話もありつつ。

俺はそれでも走りまくった。


もう5歳で不良と呼ばれたよ。


・・・・真面目に不良品のほうでだ。


聖王歴1501年、俺は不良になる。


ただ、毎日走り回ってるだけなのに、朝日が昇る少し前から夕日が沈むまでの間ずっとだ。


まあ飯やトイレ、あと給水のインターバルはちゃんとある。

なのにフクシャからは


「あの子は駄目だわ、毎日走ってるだけで何もしないわ。」


と言われた、まあでも確かにそうかもしれないな。

俺の知らない間に弟が二人出来ていて、フクシャはその二人に


「お兄ちゃんみたいにならないでね。」


と言っている始末だ。

それでも俺は走り続ける。


「ヨーセン、いい加減走るのやめなさいよ。皆に色々言われるのよ。」


レシーにまで言われる始末、もう止め時なのか?


「わかった、これから冒険者ギルド行ってくるね。」


俺は冒険者ギルドで配達や荷物運び、農家の手伝いなどの仕事を始めることにした。


「はっ?なに言ってるのよ、走るのをやめなさいって言ったのよ。なんでギルドに行くのよ。」


「仕事しながら走るんだよ。お金になれば文句は無いだろ。」


この理屈は大人には通じないけど、レシーには通じるかな?


「わかったわ、稼いだ金で皆に屋台の肉焼きを奢りなさいよ。」


「わかった。」


レシーはチョロかった。

けど、何故か奢ることになった。

ちなみに、肉焼きとはギルドに売られた肉を屋台の店主が食べれるレベルに味付けしたもので安いがそんなに美味いものでもない。

でも子供たちの大事な栄養源だ。


ギルドの場所は知ってるので難なくたどり着く。

ギルドの外観は扉の類はなくて、ギルドは常にオープンだ。

作ってから大分経ってるのか色々な傷が付いてるし隣のうまやはボロボロだ。

冒険者ギルドは村で唯一の24時間年中無休で営業している。


「ねぇねぇ、ボクね、ギルドカード作りたいの。」


少しおべっかを使い、子供らしさを出してみた。


「こんにちは~、あらあら~、ここは冒険者ギルドよ、危ないから大きくなってからまた来てね。」


最初は落ちたかと思った受付嬢はやんわりとした雰囲気からストレートに追い返すようにしてきた。

でも、俺はそんなことじゃ引き返さない。


「ボクね、村の中でしか仕事しないから大丈夫だよ。将来お父さんみたいな冒険者になるために今からがんばるの。」


これでどうだ、ちゃんと外には行かない事を明言して、更にお父さんみたいになるとかがんばるとか言えば落ちるだろ。


「駄目よ、お金を稼ぐために皆がんばってるの、遊びじゃないのよ。」


あれ~受付嬢は落ちなかった。

むしろ真面目に説教モードに入った。

ここで泣いたらそれこそ冒険者に向かないとか思われそうだし、いきなり言葉遣いは返られないし、どうしたらいいんだ。

俺はオロオロしながら


「でも~、ん~とね、んーとね、綺麗なお姉ちゃんおねがいだよ、ボク、村の皆の役に立ちたいんだ。」


とか言いながら誤魔化した。

これでどうだ。これで落ちなかったら諦めよう。


「仕方ないわね、お姉ちゃんもオーガじゃないのよ。カード作ってあげるけど、村の外の仕事は出来ないカードだからね。」


お姉ちゃんも鬼じゃないのよってことかな?

変なことわざを聞いてしまった。

藪からステッキって言葉を思い出してしまう俺は・・・・・

いや忘れよう。


だが落ちた。落ちたんだ。

俺はやったぞ


「ありがとう、綺麗なお姉ちゃん。出来るの探してくるね。」


俺は慌てて探しに行こうとしたら


「まって、まずここに、必要事項があるから書いてね」


「はーい。」


俺ももう5歳だし、自分の名前くらいは書けても問題ないだろ。

両親は両方書けるんだし


名前 :ヨーセン


性別 :


年齢 :5


出身地:大湖の村


出身国:


特技 :


その他:



名前と年齢と村の名前だけを書いて出した。

これなら問題ないだろ。


「綺麗なお姉ちゃん、これでい~い?」


どうだ。


「うん。いいわよ、ヨーセン君ね。これからはヨー君って呼ぶわね」


「うん、わかった。」


「じゃあ、カード作って来るから、そこの掲示板に依頼があるんだけど、読める?」


「大丈夫だよ。運ぶとか書いてあるの探せばいいんでしょ。」


明らかに受付嬢はそれだけじゃないんだけどね。

と言った顔をしながらカードを作りに行った。

いや~子供っぽく演技するのも疲れるなぁ。


簡単な依頼を選んでカウンターでカードが出来るのを待つ事にした。

選んだ依頼は、ギルドにある毛皮を鍛冶屋に持っていく仕事だ。

鍛冶屋で鉄板をつけて防御を上げたり皮をなめしたり、この村の鍛冶屋は何でも屋だ。

野鍛冶とも言うみたいだ。


「カード出来たわよ。これがブロンズカードよ。普通は色々説明するんだけど。

ヨー君はアイアンになる時に教えてあげるわ。」


俺のカードが出来た。

まあランクの説明はミスタが冒険者になった時に聞いてるから大丈夫だ。


「ありがとう。綺麗なお姉ちゃん。あと、これ。」


そう言って、依頼を見せた。


「これね。毛皮かぁ、結構重いわよ。大丈夫?」


「うん。がんばる。」


子供っぽくするのも、結構疲れるな。受付嬢は依頼の荷物を用意してくれた。


「じゃあ。気をつけていくのよ。」


「うん、いってきます。」


毛皮を包んだ布を持って俺はギルドを後にした。

普通は冒険者ギルドに集まった毛皮や肉は、直接、店に卸さずに商業ギルドに卸すのが普通なんだが。

この村には商業ギルドがないので直接、店に卸すみたいだ。


村の鍛冶屋も一箇所しかないので問題なくたどり着いた。


「すみませーん。毛皮届けに来ました。」


鍛冶屋の中に入ったけど、誰も居なかったので声を掛けた。

奥から物音がして、見た目はずんぐりむっくりと言うべきか。

でも太ってなく、膨らんだ筋肉を持ってる小柄な男が出てきた。

亜人が無い世界なのでドワーフは居ないがドワーフみたいだなって思ってしまった。


「おう、届いたか、なんだちっこいな。親の手伝いか、何かか?」


ギルド職員の子供と思われたみたいだ。


「違うよ。今日から村のために仕事がしたくて冒険者になったんだ。」


俺はそう言って、依頼書を見せた。

ドワーフみたいな男は、驚いたような、不憫な子を見てるような顔をして俺を見ていた。


「そうか、がんばれよ。俺はゲンゴだ。これからがんばれ。」


がんばれって二回言われた。

親に無理やり働かされてるとでも、思われたのかな?


「うん。がんばる。ボクはヨーセンだよ。」


完了の印を押された依頼書を貰いながら。

俺は鍛冶屋を出た。


まあその後はギルドに戻って20bの報酬を貰って家に帰った。

1bは50円~100円くらいの金なので、20bは1000円~2000円の仕事だ。

冒険者としてはこれじゃ生活は出来ない。

だからこそ、ブロンズカードの見習いの仕事だ。


5歳の俺からしたら、いい駄賃だ。

ギルドで報酬を貰うから、店で報酬をちょろまかされる事もないし。


俺の冒険者ライフが始まった。

本日は2話投稿するつもりです

クリスマス用外伝ではないので書くのは本編です

今日は、クリスマスイブニングだったかな

前夜祭的意味らしいのでクリスマスプレゼント代わりに夜にもう一回投稿します

もちろん1人で暇だからです。


読んで頂きありがとうございます

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