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時の流れは早く、実践魔術科へ

あれから一年近く経った。


始めは20人程度だった。

メンバーが、気づけば魔法学科のほぼ全員が参加していた。

模擬戦出来るレベルに一番最初になったのは、意外にもローズでノルはその二日遅れだった。

それでも毎日俺とグレゴリーの模擬戦を見てる皆は、考えて魔法を使うことを実践していて。

模擬戦をするレベルというよりは、自分がやりたいことが模擬戦で出来るレベルになってから皆模擬戦を始めていた。


全員が模擬戦をやれるレベルになったら。

3人1組で1:1で1人が熱くなりすぎないように審判役でついて皆で切磋琢磨させていった。

一番ダメな子でも火の魔法を時速130km位で飛ばせるようになってたし。

走りながらの魔法も使えるようになっていた。


火の魔法を使えない子は、風の魔法や土の魔法を攻撃手段として、使ったりしていた。

最低でも自分の覚えた初級魔法を自在に操れるように、なってもらおうと色々考えてやってもらった。


ノルは今では土と水の二重構造の防御が出来るようになってるし。

ノーマは火の魔法の火を青くなるまで高温にする事が出来るようになっていた。

ローズは常に風を纏って避けきれなかった時に魔法を反らせたりしていた。

グレゴリーは火の魔法を鍛え上げて、炎の壁をそのまま前に進ませて、逃げ場が無いような魔法を使えるようになっていた。


これだけ出来る皆を見てやる気を無くさないように。


「これは皆初級の魔法だ、皆もイメージと魔法の特性を理解していれば同じことは出来るでも同じことをしてもつまらないから。

もっとすごいものを編み出して皆を驚かせたらきっと面白いぞ。」


そう魔法は初級でもイメージ次第でなんでも出来る。

下手に上級の魔法より実戦では役に立つ、皆が悩んでる中。


「例えばグレゴリーの炎の壁だが俺は水の膜と土の壁を何層か作って防いだし。

ノーマの高温の火の魔法も土の魔法で上手く壁を作れば防げるし。

多く土を作るのは大変だけどそれができれば火も水も風も防ぐことができるんだ。」


俺の説明を聞いた土の魔法を使える者達は練習した。

まあ防ぐだけではどうしようもない。

けど、防いで動揺しているところに、次の手を打つ事は出来る。


そんな感じでこの一年育て上げていった。

そして魔法学科を卒業して、実践魔術科に新入生として入り。

学院長との約束のクラス分けの模擬戦が今始まろうとしていた。


「本日は私の立会いの下、今回の模擬戦をしようと思う。

教師達には去年から言っている通り今年は留年生だけでなく。

二年生も今年の新入生との模擬戦をしてもらう。

その結果次第では、お前たちの教師としての実力が試されてると理解してもらおう。」


学院長のその言葉に、教師たちは何を言っているのやら。

実践魔術科の新入生に二年生が負けるわけがないと言うような顔をしていた。


「じゃあまず実践魔術学科の一番腕のいい者をだして、新入生と模擬戦を始めてもらおうか。」


そうして、模擬戦の相手が出てくる、対してこちらは。


「グレゴリー、相手は一番らしいから君にふさわしいと思う、行ってくれ。」


「お前じゃなくていいのか?」


グレゴリーは、こっちの一番はお前だろって、言いたげだったが俺は実践魔術科のトップなんかに興味なかった。


「俺が言ったら相手のプライドが傷つくだろう。

俺はまだ9歳あっちは14歳以上に見えるからな。

グレゴリーなら楽勝だろうけど、俺は皆が相手の用意した相手に。

どんどん勝っていくのが見たいんだ。」


「わかった、すぐに終わらせて、ノーマにバトンを渡そう。」


ノーマは攻撃的には二番手だ。

ローズとノルはどっちかといういと攻めと守りのバランスがいい。

グレゴリーとノーマはアタッカーだ。

まずはウチの最大火力で二勝してもらって。

こっちが攻撃主体に見せて次からノルとローズで翻弄してもらおう。


「頼んだぞグレゴリー。」


グレゴリーと対戦相手が向かい合って、実践魔術科の教師が審判をする。


「始め」という審判の言葉で模擬戦が始まった。

まあ結果はあっけないものでね。

グレゴリーお得意の火の壁にビビって何も出来ない相手に手加減して、炎の壁を相手の前で止めて。


審判に「これ以上続けるのか?」


と聞いて審判はグレゴリーの勝ちを宣言した。

その宣言をした本人と他の教師は苦々しい顔をしていた。


「次早くでろ。」


審判は声を荒げて呼んだ。


「グレゴリーお疲れ、次は私が勝つわ。」


ノーマがグレゴリーに声を掛ける。


「ノーマ、最初は相手に魔法を使わせてその魔法をぶち破って相手に浴びせろ。」


グレゴリーはあまりに詰まらなかったのか、ノーマが喜びそうな提案をしていた。


「いいわね、それは楽しそうだわ、ありがとやってみるわ。」


そう言ってノーマは対戦相手と向き合った。

俺は戻ってきたグレゴリーに言葉を掛けた。


「グレゴリーすぐに勝つのはわかってたよ、流石だ。」


「ふん、あんなのはここに居る全員が勝てるぞ、流石とか言われても困る。」


グレゴリーがこう言うのも当然だ。

俺たちは誰でもグレゴリーの炎の壁はどうにか出来る。

今のグレゴリーは得意は炎の壁だが、防がれた場合の次の手など色々用意している。


ノーマの試合もすぐに終わり。

相手が火の魔法を出したのを、ノーマは更にでかい火の魔法を出して、相手の火を吹き飛ばして相手に当てた。

それも相手に衝撃だけ与えて相手を燃やさないように気遣ってだ。

めちゃくちゃ手加減しているとも言える。


こんな感じで全員分の試合が終わって俺の教えた新入生は全勝した。


「すみません、俺の教えた者は全勝しました。

残ってるのは教えてないので勝敗がどうなっても俺の責任にしないでくださいね。

場所を決めて教えましたがその場所に来なかった者達なので、指導しようがありませんでした。

教師達はこの後、勝って喜ぶかもしれませんが今までとの新入生とのレベルの差を考えればわかると思います、無駄な時間です。」


俺は学院長に言い訳兼説明をした。


「そうなのか、まあ学生全員が従うなんてこともないよな。

授業というわけでもないのだからな。

それにこれだけ見れば十分だ、それにしても君は模擬戦しないのかね。

教師全員対君との戦いでも組んであげようか。」


学院長は俺の考えを読んでいたかのように提案してくる


「是非お願いします、教師達の駄目っぷりをおお見せしましょう。

というか教師達を倒したら、俺の指導した者達と俺は実践魔術科をそのまま卒業したいくらいなんですが。」


俺はもう教わることが無い位の勢いで提案してみた。


「確かになこの状態を見ると、もう実践魔術科で教えられることはないかもなしれないな。

実践じゃなく実戦じゃないといけなくなりそうだ、よしその提案を乗ろう。」


そして案の定、俺が教えていない者達は低レベルの戦いをしていた。

去年見た模擬戦そのものだった。


「よし、最後にこの生徒達を育てた者同士で戦ってもらおう、ここに並べ。」


学院長に呼ばれて俺はすぐ来たが、教師達は困惑していた。


「私たちがやるのですか?」とか「聞いてませんよ」とか。

さっきま憤慨していたのに自分たちに火の粉が来たら困って何も出来ないようだ。

業を煮やした学院長が


「いいから全員並べ、この者と模擬戦をしろ。」


学院長に漸く教師達は従い俺の前に並んだ。


「本当にこの者が新入生達を指導したのですか?」


学院長に信じられないと教師の1人が疑問を口にした。


「この者が指導したので間違いない、学園の入学試験トップで魔法学科もトップで卒業して実践魔術科に入ったのだぞ。

何を疑うことがある?

お前たちは実践魔術科に入る者の事も知らずに指導をするのか?」


学院長の言葉は辛辣だった。

確かに実践魔術科に入る学生は全部で100人は居るけどそれだけだ。

全員の成績や魔法の知識などで対戦相手を考えたりとか一切していないのがよくわかる、ひどい怠慢だ。


「お前たちにもう語ることは無い、教師を続けたければ実力を示せ。

指導力の無さはわかったそして実力もなければこの学院に居る意味はない。」


学園長は、最後通牒と言わんばかりに、教師達を追い詰めだした。

要するに実力も指導力も無いものはこの学院には要らないということだ。


「始め」っと学院長が模擬戦の開始の合図をした。


俺は始めの合図と同時にわからないように薄い水の膜を全員の前に張った。

透明度を重視してそれでいて粘性のある膜を。


教師達が俺に向けて魔法を放ち、半数以上が薄い膜に当たって魔法が止まり自分の魔法で自爆していった。

何人かは火の魔法じゃなく氷や土などで助かった者も居たが、火の魔法を使った教師は全員戦線離脱した。


「なんだ」「なにがあった」「なんなんだ」


とか残った教師が困惑していたので俺は水の塊魔法で出して、その塊を当てて全員ノックダウンした。


「学院長終わりました。」


俺は全員倒したことを伝えると。


「勝者、ネル。」


と学院長が俺の勝利を告げた


「学院長、彼らは無給で今年は頑張ってもらいましょう。

俺たちには教わる意味がないですがここに居る者達にはまだ指導が必要でしょう。

来年までに新しい教師の補充をお願いしますね。」


「ああ、わかってるお前達は全員実践魔術科を卒業していいぞ。」


その言葉に俺が魔法を教えた異常なほど全員が喜んでいた。


二年間の実践魔術科の教育課程を飛び級して、魔道科に進学を果たした。

金の問題で平民は魔道科に進まずに実践魔術科で魔法を覚えて、冒険者や商人の護衛や家庭教師として卒業していく事がほとんどだ。

二年間の授業料が無くなり、その分魔道科で頑張る道が出来たのだから喜ばずには居られないのだろう。


授業料を卒業後に払う予定のノルも授業料が少なくなる事に喜んでいた。

ローズは皆と一緒に上に上がれることを喜んでいるようだった。

グレゴリーも自分が優秀そして一緒に学んできた者が優秀となれば魔道科を卒業した時に貴族としての道が開けるからかとても喜んでいた。


まあ俺は当然見えていた結果だ。

教師達が駄目なら俺たちが教わることなど無いんだから。

俺たちは実践魔術科3日目にして卒業して魔道科へと転科?した、進学した?

なろうでは感想が原因で色々打ちのめされている方も居るみたいですが

一切感想が無い私はなんなのか

そう考えると感想がある方々はなんと贅沢かと思ってしまいます


自分の至らなさを実感しつつ来年へ向けて、がんばっていきたいと思います

読んで頂きありがとうございます

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