ノル専用テスト、他でお送りします
ノルとノーマは教室で勉強していた。
「聖王歴37年に歴史上初めての賢者、始賢者グラディが広めた魔法は何か知ってる?」
「それくらい知ってるよ、風の魔法、火の魔法、水の魔法とあとは~え~っと土の魔法だ」
「このくらいすぐに答えを出しなさい、じゃあ次はその弟子のケイが広めた魔法はわかる?」
「わからない」
「それは、嵐の魔法、泥の魔法、砂の魔法よ、これは常識だからね覚えなさい。」
「はい、ノーマ先生。」
「悪くないわね、じゃあ次は始賢者の孫が使った上級魔法は?」
「わからないです。」
「まあ、弟子のがわからなかった時点で予想が出来てたわ、砂嵐の魔法よ。
ちなみに砂嵐の魔法は知られているけど。
今も魂に刻む技術は出来てないわ、わかった?」
「はい、わかりました。」
「じゃあ次は・・・・・」
こうした感じでノルとノーマの勉強は続いた。
ローズはこの勉強内容を聞きながら問題を作っていった。
問1
始賢者の二つ名を持つ賢者グラディが広めた初級魔法を次の中から選べ
①泥の魔法、砂の魔法、嵐の魔法
②炎の魔法
③火の魔法、風の魔法、水の魔法、土の魔法
④砂嵐の魔法
問2
始賢者の弟子、愛の賢者の二つ名を持つ賢者ケイの始賢者グラディの広めた魔法を参考に作った派生魔法を次の中から選べ。
①泥の魔法、砂の魔法、嵐の魔法
②炎の魔法
③火の魔法、風の魔法、水の魔法、土の魔法
④砂嵐の魔法
問3
賢者ケイの弟子にして始賢者の孫の賢者シリウスが師匠の魔法を参考に編み出した魔法は何か次の中から選べ。
①泥の魔法、砂の魔法、嵐の魔法
②炎の魔法
③火の魔法、風の魔法、水の魔法、土の魔法
④砂嵐の魔法
問4
魔法の中で賢者が未だに研究段階から先に進めず完成できていない、魂に刻む技術がないのは次のうちどれ。
①泥の魔法、砂の魔法、嵐の魔法
②炎の魔法
③火の魔法、風の魔法、水の魔法、土の魔法
④砂嵐の魔法
問5
次の魔法の中で一番新しい魔法はどれ?
①泥の魔法、砂の魔法、嵐の魔法
②炎の魔法
③火の魔法、風の魔法、水の魔法、土の魔法
④砂嵐の魔法
「こんな感じでいいかな、もっと問題作らないとね」
ローズは活き活きと問題を100問作っていったが、午後の魔法の練習にこんなに答えさせてたら間に合わないので5問だけを出すことにした。
正解回答
問1 ③
問2 ①
問3 ④
問4 ④
問5 ②
次の日授業が終わった後にテストをしたノルの成績は。
ノルの回答
問1 ①
問2 ③
問3 ④
問4 ②
問5 ②
正解数 2個
たった五問の問題に2個しか正解出来ない、ノルは残念でならないが、まあこれから魔法を教えるからそれどころではなかった。
俺はノルがテストをしている間に、他のクラスを回って。
「今日はこれから魔法の習得と魔法の訓練をしたいと思っている。
来年の実践魔術でいい成績を残したいものは参加して欲しい。
因みに、今年の実践魔術新入生と留年生のクラス分けの模擬戦を見たら、留年生は新入生にも負ける程だ。
最初に行われる模擬戦の結果クラス分けでD判定だったら。
翌年に先生から指導をしてもらえなくて留年すると言ってもいい。
なので俺は今年の魔法学科の皆には。
来年のクラス分けでDクラスに一人も行かないために。
魔法の訓練をしたいと思っている。
教師役はグレゴリーと俺だ。
俺たちのレベルを心配してると思うので今日はまず外で俺たちの実力を見て欲しい。」
これをB、C、D全部で言って来た、これで何人集まるかだな。
「グレゴリー準備はいいか?」
「ああいつでも大丈夫だ。」
「声は掛けてきたから興味がある奴は来ると思う、出来れば全員に来て欲しいけどな。」
俺はしばらく待ったが、来たのは。
ノル、ノーマ、ローズ、後20人位だいいほうだとも思ったが来たのはローズの家の派閥とグレゴリーの派閥。
それとノーマの知り合いそれだけだった。
「ノル、俺に魔法を使って攻撃してくれ。」
「わかった。」
そう言った、ノルは特に詠唱せずに水を出して俺にかけてきた。
俺はそれを風で防いだ。
「昨日見た模擬戦はこれを火でやったようなものだ。
火は攻撃魔法として使いやすいからな、こんな水の掛け合いみたいなことをやっているんだ。
新入生ならわかるが、留年生も同じ程度だった。
こんなのでは習う意味が無いだろう。
なので俺は考えた教師はあてに出来ないので。
自分たちで成長することが大事だと思ったんだ。
これから俺とグレゴリーの模擬戦を見てもらう。
さっきのノルの魔法が留年生だとしたら俺たちの姿は来年の君たちの姿だ。」
俺の言葉でグレゴリーが俺から距離を取り構えた。
「昨日のようには行かないからな。」
グレゴリーがそう言うので俺は楽しくなって。
「ああ頼むよ、ここに居る皆をやる気にさせてくれ。」
軽くグレゴリーを挑発してしまった。
「火の魔法『火矢』」
昨日と同じかと思ったら。
出る場所が違った体の目の前じゃなく頭の上附近から出てきて飛ばしてきた。
斜めに飛んできた『火矢』は少しグレゴリーの認識を薄くしている感じがした。
グレゴリーの体を隠してる感じだ。
斜め上から飛んできた『火矢』を俺は風の魔法で下に。
そしてグレゴリーの居た場所に向かうように『火矢』の軌道を無理やり変えた。
『火矢』が180度近く軌道を変えて進んだが、そこにはグレゴリーは居なかった。
「こっちだ、火の魔法『火球』」
横からグレゴリーの声と魔法が飛んできた。
スピードは『火矢』より襲いが、この魔法は魔力のコントロールが『火矢』よりも遣り易いとはいえ、走りながら使ってくるとは思ってなかった。
「走りながら魔法を使うのか一日で考えて実践できるのか。
それは才能であり努力の結果か、やるなグレゴリー。」
実は、横に走り出してたのも知ってたし、魔力感知で魔法を使うのもわかってた。そもそも俺は目が見えてないので、単純な目くらましは効かないんだ。
俺じゃなければ成功したかもしれないのに残念でならない。
俺は『火球』をバックステップで躱してグレゴリーに声を掛けた。
「グレゴリー動くなよ、もう俺の勝ちだ。」
地上三m位の所に水の塊を作った。
場所はグレゴリーが一歩前に出たら当たる位置にあった。
「なんだとまだ終わってない」
そう言って前にグレゴリーが足を出した所で、頭の上に大量の水が落ちてきた。
水量が多すぎたのかグレゴリーはそのまま地面とキスをした。
「見ていただいただろうか、魔法を覚えたてだと、ノルくらいだが魔法を覚えて考えて使えばこんな感じになる。
グレゴリーは火の魔法を使ってから移動してその間に次の魔法の準備。
そんなことを魔法を使う時に必要だと知っていた者はいるだろうか?
きっといないだろう?どうだい?」
皆、この模擬戦にびっくりしてるのか。
グレゴリーがドロドロになってるからか。
驚いた顔や放心してる感じだ。
俺はグレゴリーに土の魔法で泥を剥がし、服に着いた汚れを水の魔法と風の魔法で落として、風の魔法と火の魔法で服を乾かしながら俺は話を続けた。
「俺はグレゴリーの魔法をそのまま返したが、あれが違う魔法が放たれることもあるだろう。
じっとして魔法を受けるくらいならグレゴリーのように、移動しながらの魔法が出来れば、どれだけ模擬戦で優位に立てるか。
君たちが魔法を覚えて実践していけばわかるだろう。
ノル、グレゴリー、魔法のやり方を教えてやってくれ。」
魔法を魂に刻んでても、刻んでなくても、魔法の使い方は同じだ魔力のコントロールとイメージだ。
「わかった。」
「お前もやれよ、俺らだけにやらせるなよ。」
グレゴリーは少しフレンドリーになったかもしれない。
俺を認めてくれたのかな?
「わかった、ちゃんとやるから大丈夫だ。
ただな俺はグレゴリーの知り合いには教えられないんだよ。」
グレゴリーの知り合いというか社員というか臣下?部下?
まあそっち系の人が13人居た。
その人達はグレゴリーの言うことしか聞かないし、グレゴリーを倒した俺の言うことは聞いてはくれないだろう。
俺は、ローズとノーマそれにローズの家の家臣達に教えて。
ノルはノーマの知り合いに教える。
まあノルと俺はすぐ近くで一緒に教える感じだな残り8人くらいだったから。
「まずはイメージしてくれ火とは何か、あと魔力を火にする事もイメージして。
火の魔法に必要なだけの魔力を体から出してくれ。」
俺がそう言うと皆真剣にやってくれていた。
魔力がうまく出せてない人、イメージがうまくいかない人にどうしたらいいかを教えて。
ノルにその人たちを見てもらった、ノルも練習をやりながら教えている。
ノルはまだ火の魔法を使えていないからだが。
「やった、出来た。」
ノルは火の魔法を習得したようなので風の魔法をやらせたら。
「やっぱりわからない、風はもうお金貯めて魔法を刻むよ。」
ノルは諦めたようだ。
こうしてこの日は、ノル達を含めた24人全員が魔法を覚えた。
まあ火、風、水、土の全部を覚える者は居なかったけど最高で二個覚える者は居た。
まあノルは水と土が出来てたので風以外は使えるようになった事になる。
まったくすごい才能だよ。
「今日は解散する、明日もやるからここに集まるように。
他の奴にも明日もあること伝えてくれ。
お前たちが魔法を覚えたことを伝えたらきっと何人かは来てくれるだろう。
少なくとも3ヶ月で模擬戦が出来るようにはなってもらうから、よろしく頼む。
グレゴリーもありがとな。
今日は助かったよ、これからも頼む。
後一ヶ月もすればノルは模擬戦ができるだろうから。
グレゴリーも色々と実践魔術の勉強になると思うよ。」
「まあ、俺はお前を倒したいからな、毎日お前と模擬戦をしよう。」
まあ、グレゴリーがやる気になってくれてるならなんでもいいか。これからの学園生活が楽しくなってきたよ。
読んでいただきありがとうございます